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京都防衛フォーラム:榛名研究室/鞍馬事務室(OCNブログ:2005.07.29~/gooブログ:2014.11.24~)

令和三年度十二月期 陸海空自衛隊主要行事実施詳報(2021.12.04-2021.12.05)

2021-12-03 20:21:33 | 北大路機関 広報
■自衛隊関連行事
 一週間で状況というものはここまで急変するようです。先週までは自衛隊関連行事再開の兆しや来年の観艦式を考える余裕が確かにあった筈なのですが。

 今週末も自衛隊関連行事は行われません、また、先週この時間帯に既に発表されていました新しい変異株オミクロンが、わずか一週間ながらも、予想以上の広がりを見せており、一時的に感染を抑制している我が国においても緊張が走っています。オミクロン株は世界に先駆け、南アフリカ共和国保健当局が発見、即座にその脅威を世界中に発表しました。

 日本政府も即座に外国人新規入国を停止する厳しい措置をとりました。また一時的に在外邦人の帰国も航空会社に新規航空券発行を停止するよう航空各社に要請していますが、邦人保護の観点からは反対であり、本来ならば借り上げホテルなど邦人帰国者一時滞在施設の確保を全力で進め、危険地域からの退避に注力すべきで、この施策は撤回されています。

 イギリス政府をして、もっとも危険な変異株、こう称させたオミクロン株、各国で発見が相次いでおり12月1日までに南極大陸をのぞく世界五大陸で発見、2日にはアメリカでも発見されています。我が国にはナミビアの外交官、オミクロン株未確認のペルーからの入国者、空港検疫の際に相次いで発見、水際対策を強化すべく、検疫隔離を強化している。

 オミクロン株は、ウィルスがヒトの粘膜に取り付く突起に当たるスパイクタンパク質の特性に著しい変化があり、mRNAワクチンを筆頭にCOVID-19対策の切り札というべきスパイクタンパク質吸着部分の阻害や抗体反応を抑制する、つまりCOVID-19完治者や、ワクチン接種者に感染するブレイクスルー感染の発生頻度が確実に高まることを示しています。

 ワクチン効力、忘れてはならないのはワクチンは無駄ではなく、効力は低くなるが皆無ではない、ということです。現在、日本の検疫では僅かな感染発見時例があり、共にファイザーワクチン接種完了者かモデルナワクチン接種完了者であったことから、ワクチン感染者だけが、という見方もあるようですが、しかしこれは逆因果関係の視点が必要でしょう。

 日本に渡航するにはワクチン接種証明と陰性証明が求められており、そもそもワクチン非接種者は日本に入国した際の検疫隔離期間負担などの関係から、空路日本に入国する選択肢は閉ざされていますので、ワクチン接種者しか日本へ渡航できない、逆因果関係で、これは自衛隊の多いところに緊張が多いのでなく緊張の多いところに自衛隊が要るのと同じ。

 世界で視た場合で、ワクチンは、といいますと、非接種者は南アフリカの事例を視ますとワクチン接種対象年齢以下の若年層、幼年層に感染が視られますので、ワクチン接種者の方が感染するという認識は誤解です。一方で、重症化とオミクロン株、日本での検疫隔離対象者では未だ重症化事例はなく、事例の少なさ故に今後の情報が必要と考えるべきです。ワクチンを打とう。

 南アフリカ保健当局の発見について、評価されるべきは2020年1月の中国政府が体面を意識したのか情報隠蔽とWHO世界保健機関への圧力などを掛け、危険性の警鐘を遅滞させたのとは対照的に情報開示が極めて早く、この公共精神は高く評価されるべきでしょう。南アフリカ大統領が国境封鎖を批判していますが、例えば南アの製品輸入で応えたい。

 南アフリカはアフリカ南部の工業大国であり、各国自動車産業の中でも欧州車の右ハンドル車の生産を担い、繊維業や小麦などの穀物産業、またワイン輸出などで知られています。76mm砲搭載のロイメック装甲偵察車や耐爆車両の元祖というべきマンバ耐爆車両を生産していますが、これらは個人では買えない為、クリスマスにはワインなど揃えたいですね。

 ワクチン開発、COVID-19用のmRNAワクチンを開発にあたりました、ファイザー、ビオンテック、モデルナなどの各社は解析した核酸情報とともにオミクロン株の特性に対応する新型ワクチン開発開始を発表、現行ワクチンの開発ほど時間は要さないものの、それでも100日程度、つまり楽観的に見ても、三ヶ月半程度を開発期間として見込むとのこと。

 ウィルスは常に変化し進化しています。しかしmRNAワクチンは核酸情報をもとに開発した技術であり、ウィルスの進化に対しても比較的短期間でワクチンを開発できるようです。他方で、不活性化ワクチンについては、スプートニクワクチン、シノバックやシノファームワクチンの効力は未知数であり、こちらもどの程度効力があるか情報を待つこととなる。

 北京五輪まで三ヶ月という現状ですが、なかなかに厳しい状況となるでしょう、日本政府は東京五輪をやり遂げましたが、中国政府がこの問題をどう挑むかは未知数です。一方、日本国内を視ますと民間行事などに行政による自粛要請は解除されており、これは今後の感染状況に対し、如何に即応し柔軟対応するかが、感染対策の一丁目一番地といえます。

 自衛隊関連行事、先週の状況が続いていれば2022年は年度内は難しいとしても新年度における部分再開が期待できていたところではありますが、先ずは対応するワクチン完成と普及まで、自衛隊行事冬の時代は続きそうです。国内では1日より医療従事者へのワクチンブースト接種が開始、来年早々には高齢者へも三度目の接種が開始予定となっています。

■駐屯地祭・基地祭・航空祭

・今週末の行事なし

■注意:本情報は私的に情報収集したものであり、北大路機関が実施を保証するものではなく、同時に全行事を網羅したものではない、更に実施や雨天中止情報などについては付記した各基地・駐屯地広報の方に自己責任において確認願いたい。情報には正確を期するが、以上に掲載された情報は天候、及び災害等各種情勢変化により変更される可能性がある。北大路機関

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