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【日曜特集】中部方面隊創隊五〇周年記念祭【4】機甲科-普通科-特科行進(2010-10-17)

2020-11-22 20:11:48 | 陸上自衛隊 駐屯地祭
■機械化部隊の観閲行進
 観閲行進は重厚な分列行進曲下での徒歩行進が完了すると共に軽快な音楽と共に機械化部隊の観閲行進へ。

 軽装甲機動車、後方には偵察小隊のオートバイが、旧斥候小隊だ。斥候小隊は斥候が敵の有無を計る事にありますが軽装甲機動車が配備され多少の威力偵察が可能となり、3個偵察小隊編成となっています、一部師団には空中機動にあたる第4偵察小隊も編成されている。

 87式偵察警戒車、偵察隊には5両が装備されており威力偵察を担う。ただ、強そうに見えるが機関砲搭載の小型装甲車、この装備で敵の前衛部隊を突破し主陣地の陣容を解明するには無理なようにも。たとえばフランス軍はAMX-10RCを一個連隊72両集中投入する。

 87式偵察警戒車は後継車両として開発中止となった軽装甲機動車派生の軽偵察車がりましたが、現段階では16式機動戦闘車派生の装輪装甲戦闘車を原型とし、後部人員区画の半分を偵察ポールマストに置換え偵察戦闘車とする構想があるという。車体は大型化する事に。

 偵察オートバイが式典会場を周回走行してゆきます。伊丹駐屯地では徒歩部隊と車両部隊の約半数は観閲台前を行進しますとそのまま会場の外に出てしまいますが、一部の車両はこのように一般スタンド席前を行進します、しかしこの来場者、1万5000名に上るという。

 第14普通科連隊の観閲行進、海田英昭連隊長が連隊旗とともに入場へ。連隊は本部管理中隊、4個普通科中隊、重迫撃砲中隊、対戦車中隊から成る。ただ対戦車中隊は79式対舟艇対戦車誘導弾12セット装備する強力部隊ですがこの先2014年師団改編の際に廃止される。

 第10師団隷下の第14普通科連隊は金沢駐屯地に駐屯し北陸を管区とする。一個普通科連隊で福井県と石川県に富山県を担当するため、別名"北陸方面隊"ともいう。鯖江駐屯地と富山駐屯地はありますが旧地区施設隊の第4施設団隷下の施設中隊しか駐屯していません。

 軽装甲機動車、第14普通科連隊第2中隊の車両で2の字だけは真新しい。軽装甲機動車は小松製作所が量産し実に2000両以上が陸上自衛隊と航空自衛隊へ配備されています、量産で2700万円まで製造費用を抑えたことで多数を量産できた軽い車両だが傑作装備の一つ。

 軽装甲機動車、第14普通科連隊第4中隊の車両でここに集中配備されています。軽装甲機動車は一個小銃班を2両に分散させ機動を強化し機銃班と対戦車班を分け運用します、しかし普通科連隊全中隊に軽装甲機動車は配備されず、基本的に一個中隊に集中配備される。

 軽装甲機動車は設計としては成功していますが、実際に運用に供しますと転覆限界の低さから簡単に横転する、一個班に2両を配備する為に運転士と車長が二人づつ必要となり、長距離機動の際に休憩できる人員が限られてしまう、など、成程厳しい声も多い現実が。

 第8普通科連隊の観閲行進、豊留廣志連隊長が連隊旗とともに入場する。師団普通科連隊よりも小型の編成です、が、訓練と装備を共通化させるために、師団も旅団型編成の普通科連隊を採用、旅団は3個普通科連隊、師団は5個普通科連隊の編成を採用してはどうか。

 第13旅団隷下の第8普通科連隊は日本海側の米子駐屯地に駐屯しています。C-2輸送機配備の美保基地の近くでして、第13旅団はこのほか、第17普通科連隊が防府北基地、第46普通科連隊が岩国基地、隷下連隊が全て飛行場近くに駐屯し潜在的に航空展開能力が高い。

 高機動車、第8普通科連隊の第1中隊と第2中隊から小隊規模で行進へ。高機動車は1992年から大量配備が開始されたもので120mmRT重迫撃砲導入と同時に牽引車として用いつつ普通科の中型トラックを置き換える装備として導入、高機動車一両で一個小銃班を運ぶ。

 高機動車、普通科部隊用に三菱重工が機動装甲車という一個小銃班を輸送する装輪装甲車を研究中です。16式機動戦闘車車体を応用の設計で実用化されれば量産効果も期待でき、MRAP耐爆車両としての運用を想定するという。安価に設計できれば、大量配備できるか。

 第8普通科連隊は第2中隊と第3中隊も代表を観閲行進へ参加させました。高機動車は1/4tトレーラを牽引することも可能でして、まず、策源地や集結地に展開し1/4tトレーラを切り離し天幕などを展帳、その上で高機動車により小銃班は行進進入点へ向かう運用をとる。

 トヨタ自動車製高機動車への現場の信頼は厚い。実際整備性の高さや装甲こそないものの、不整地突破能力が高く錯綜地域ではまず発見されず機動力を展開できる、とは現場の声。なお、PKO任務用に装甲と防弾ガラスを装着しましたPKO型というものも存在します。

 第10特科連隊の観閲行進、岡本浩連隊長ではなく第3大隊長が指揮官で式典へ参加することとなりました。師団特科連隊もどこまで維持できるのか、東北方面隊は2020年3月に第6特科連隊と第9特科連隊が統合され東北方面特科連隊となりました、手放して大丈夫か。

 第3大隊長のアップ、当時第10特科連隊は5個大隊12個中隊の編成という。こののちの第10師団改編により第4大隊と第5大隊が廃止され、特科火砲は12個中隊60門から6個中隊30門へ激減、将来的には中部方面特科連隊へ統合、各師団10門程度が割り当てに。

 第10特科連隊第3大隊第5中隊のFH-70榴弾砲、中隊には5門配備される。特科大隊は10門の火砲を装備しますが、第5大隊だけは全般支援大隊ということで4個中隊20門を装備する、105mm砲と155mm砲の時代には第5大隊だけが155mm榴弾砲を装備した。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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