北大路機関

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【防災速報】北海道地震M6.7:道央道南被害道内全域停電,千歳空港閉鎖とJR北海道全運休

2018-09-06 07:00:07 | 防災・災害派遣
■北海道で震度六強
地震に関する速報です。第一報として本日0700時に速報を掲載し、1215時に記事を大幅に補強しました。

北海道で地震が発生しました。第二北大路機関で情報集積中で、順次北大路機関防災情報として情報は随時更新されます。本情報は大規模災害時の流言飛語防止の観点から、全てNHK報道、NHK中継での政府公式会見、中央省庁公式情報、以上を情報源として掲載しています。第二北大路機関では本日0605時の第一報以降順次情報を掲載中ですが、以下に1200時時点での情報をまとめました。

地震発生から現時点1212時時点で九時間が経過しています。そこで、現在の情報という事でNHK報道をまとめました。現地の現時点の写真を撮影できないため、第一報の最初の二枚は航空自衛隊千歳基地の、まだ以降の写真は被災地を警備隊区としている陸上自衛隊第7師団の写真と共に紹介しています。現在自衛隊は、4000名規模の災害派遣を実施中で2万5000名体制まで拡大し対応すると政府が発表しました。

本日6日0308時、北海道安平町付近を震源とする震度6強の地震が発生しました。安平町付近と記載したのは気象庁地震計が震源地付近で機能停止となっている為です。この安平町は札幌市から90kmの距離にあり、新千歳空港のある千歳市から東南に20km、夕張市から真南に70km、フェリー等が入港する苫小牧市から北東に50kmの立地にあります。

土砂崩れが人命に関わる最大の被害です。厚真町とむかわ町では詳しい地震データが入っていません。厚真町では大規模な土砂崩れが町内三箇所で発生しているほか、厚真町では町内の山間部吉野地区と富里地区と高丘地区で土砂崩れが発生、NHK1035時報道では32名、NHK1100時の報道では39名と多数の行方不明者が出ており、救助活動が展開中です。

土砂崩れの要因ですが火山性地形が考えられる。厚真町付近には火山爆発指数5の大噴火を1739年に起こした千歳市の樽前山があり、過去一万年に五回のプリニー式噴火を引き起こしています。これは富士山宝永噴火と同規模で、周辺地形は火山堆積物の上に植生が広がる地形で、直下型地震で火山性地形の表層部が一斉に地すべりを起こした可能性がある。

震度を市町村ごとに挙げますと、震度6強が安平町、震度6弱が千歳市、震度5強が札幌市北区、苫小牧市、江別市、三笠市、恵庭市、長沼町、新ひだか町、震度5弱が函館市、室蘭市、岩見沢市、登別市、伊達市、北広島市、石狩市、新篠津村、南幌町、由仁町、栗山町、白老町です。道南の多くは震度4から3ですが函館市では震度5弱を観測しました。

死傷者について、NHK1044時報道によれば少なくとも負傷者127名と 32名が安否不明となっています。1057時のNHK報道では北海道庁の発表として、むかわ町で1名の死亡が確認されたとのこと。また、札幌市災害対策本部がまとめた情報によれば、本日0800時の時点で負傷者87名が出ている他、札幌市内での被害通報は発表で399件に上るとのこと。

原発の情報です。北海道内には札幌市から西へ100km離れた泊村に北海道電力泊原子力発電所があり、3基の原子炉が現在東日本大震災後の停止状態にあります。原発は停止状態であっても冷却が停止した場合は崩壊熱により原子炉が暴走し炉心融解に至る危険がありますが、現在北海道全域が停電中で外部電源喪失状態にあり、非常用電源が冷却中とのこと。

停電、発災から七時間を経ても北海道内は地震発生と同時に稚内から函館までの全域で停電中です。これは震源に近い厚真町に北海道最大の苫東厚真発電所が操業しており、北海道電力総発電量795.7万kWに対し厚真町と苫小牧の三箇所の火力発電所だけで260万kWを発電しています。206万kWの泊原発が停止中で元々道内電力供給は逼迫していました。

苫東厚真発電所は施設が損傷している、1121時の菅官房長官記者会見で発表されています。北海道電力では火力発電所が地震発生を受けすべて同時に停止させたことで295万戸が停電した為、信号機や高速道路ゲートを含め広範囲に断水しているほか、携帯電話等も一部でつながりにくい状況となっており、JR在来線や第三セクター、地下鉄市電も停止中です。

停電復旧へ北海道電力では水力発電所を利用する事としており、道内は揚水式水力発電所として静内川の高見発電所、新冠川の新冠発電所、尻別川の京極発電所が合計80万kWの発電量を、石狩川系ダム水路式の滝里発電所、豊平発電所、雨竜発電所が合計16万kWの発電量がある為、まずこの電力を用いて順次道内の火力発電所再稼働を開始する方針です。

病院について、全域停電中の道内では災害拠点病院の内少なくとも20か所が自家発電装置により患者受け入れを行っていると0808時NHK報道にあり、1031時のNHK報道では加藤厚生労働大臣の厚生労働省災害対策本部会議の後に、災害対策拠点病院の自家発電等に触れたうえで、救急患者の受け入れ自体を中止している病院はない、と発表しています。

ここからは1245時追記分、千歳基地の写真とともに。札幌市内の被害では市内で液状化が確認されているほか、室内での店頭や落下物により負傷者が発生しています。札幌市の被害は清田区において水道管破裂による土砂流失が発生しており、報道映像を見る限りには勾配に沿って道路上を土砂が流れ出て堆積している事から、水道管破裂という情報と共に液状化の特性と一致、液状化現象の可能性があります。

札幌市ではこのほか、北区において大規模な道路の陥没などが発生しています。札幌市北区は小樽市に近く、震源から若干距離がありますが、北区を中心に87名の負傷者が発生しています。苫小牧港では液状化による沈下が確認されました。NHK1046時報道によれば東港区コンテナターミナルと西港区埠頭で液状化が確認され、埠頭が10cm沈下したとのこと。

新千歳空港は閉鎖、旭川空港は通常運航となっています。新千歳空港は航空機発着が可能で航空自衛隊千歳基地を中心に航空救助拠点となる事が予想されます、滑走路などの発着施設や航空管制施設は機能しますが、千歳空港ターミナルビル管理会社によればターミナルビルに被害が生じ、本日6日一杯閉鎖するとのこと。旭川空港は自家発電で運行中です。

帯広空港も自家発電により旅客機の運行と空港ターミナルビルの運営が可能とのことで、旭川空港と帯広空港の羽田便は予定通り運航するとNHK報道がありました。一方、1240時時点でJR北海道は停電により北海道新幹線を含めたすべての列車が運行できず、NHKの札幌駅からの中継によれば券売機も停止しているとのこと。復旧の目途も立ちません。

フェリー海路での北海道への移動ですが、青森と大間から航路が運行中です。NHK1133時報道によれば津軽海峡フェリーの函館青森航路は運休中ですが、津軽海峡フェリーの函館大間航路は運行されているとのこと。青函フェリーは函館と青森の航路を運航している他、ハートランドフェリーの道内奥尻と江差航路と奥尻とせたな航路も運行中とのことです。以上が1244時までの更新です。

1255時更新、空港について、釧路空港と中標津空港は自家発電装置により通常運航するとの事ですが、釧路空港からの関西空港への便は関西空港閉鎖に伴い運休されるとのこと。女満別空港は1000時の便を最後に自家発電燃料が少なくなり運休になり空港は1400時に閉鎖されるとのこと。函館空港は新千歳空港便や成田便と中空便等、8便のみが欠航となっています。

泊原発は三号炉のみ外部電源が復旧しました、NHK1252時報道です。外部電源復旧は1213時とのこと。ただ、一号炉と二号炉の外部電源復旧はまだとのことで、非常用ディーゼル発電機が稼働しているとのこと。この他燃料貯蔵プールなどの冷却も非常用ディーゼル発電機により対応しているとのことで、東京電力などが電源車の派遣準備に当っています。以上が1255時の更新です。この他は第二北大路機関防災情報をご覧ください。


北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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