北大路機関

京都防衛フォーラム:榛名研究室/鞍馬事務室(OCNブログ:2005.07.29~/gooブログ:2014.11.24~)

令和福島県沖地震発生,マグニチュード7.3-3.11東日本大震災東北地方太平洋沖地震の余震

2021-02-14 20:10:59 | 防災・災害派遣
■震度6強-長周期地震動階級4
 2011年3月9日1145時に三陸沖でマグニチュード7.3の当時としては巨大地震が発生、これを昨晩思い出させる緊張がありました。

 昨晩の2021年2月13日2307時、久々に緊急地震速報が鳴り響き、緊急地震速報の警戒範囲は福島県と宮城県の点灯から東北全域へ、そして警戒範囲は北関東へと広がり、直後のNHK東京ではまさに揺れる東京渋谷から地震発生中の第一報を速報を通知していましたが、その直後に長周期振動は日本全域に伝播してゆきました、2021年福島県沖地震です。

 防衛省では多賀城の第22即応機動連隊の初動対応部隊、福島の第44普通科連隊より初動対応部隊を、霞目の東北方面ヘリコプター隊と立川の東部方面ヘリコプター隊よりUH-1が、海上自衛隊は厚木第4航空群のP-1と館山第21航空群のUH-60,八戸第2航空群P-3C,小松第6航空団のF-15と百里救難隊のUH-60などを出動させ情報収集に充てたとのこと。

 福島県沖地震は気象庁マグニチュードでMj7.3の規模、最大震度は6強、宮城県蔵王町と福島県国見町及び相馬市と新地町で観測、今回の福島県沖地震では長周期振動も長周期地震動階級4が福島県中通りで観測され、この長周期地震動階級4は制度発足後初観測となった2018年9月6日に発生した北海道胆振東部地震以来約3年ぶりの観測となりました。

 3.11東日本大震災の余震とみられ、しかし今回は幸い津波は観測されませんでした。新下に来は深さ55kmと観測されており、海上の浅い震源であれば津波が発生していた規模といえるでしょう。そして、東日本大震災以来、東北地方の地震振動が電燈を吊った長いケーブルの振動という僅かではあるのですが、確認できたという意味でほぼ10年ぶりです。

 阪神大震災を引き起こした兵庫県南部地震、東日本大震災を引き起こした東北地方太平洋沖地震はマグニチュード9.0であり、地震の規模は阪神大震災の1450倍という巨大なものでした。ただ、2011年3月9日1145時に発生したMw7.3、東北地方太平洋沖地震前震活動と規模が同程度でしたので、今回が新しい前震でなく余震と発表、安堵はしましたね。

 東日本大震災から10年という2021年は、防災への決意を新たに、という話題を扱おうという正にその最中に緊急地震速報が発令された構図です。幸い今回の地震で死者はありませんでしたが、東北地方と北関東を中心に転倒や落下物命中により負傷者が150名確認されていまして、新幹線の架線柱や高速道路法面、一部の建築物等に被害があったという。

 東北新幹線の全面復旧へは十日程度を要するとの事で、しかし懸念された原子力施設への影響は燃料保管プールから僅かな振動による溢水が在った程度、広範囲に停電が在った点が大きな被害ですが、地震発生から数時間で大半が復旧、15時間で完全復旧となりましたのは幸いです。死者なし。数多余震により地震対策が普及した、という事なのでしょうか。

 2016年福島県沖地震。3.11東北地方太平洋沖地震の余震としては宮城県仙台港で 1.44m の津波が観測された2016年の福島県沖地震を思い出すところ。これは2016年11月22日0559時、黎明の東北で生じた地震を思い出されるところですが、長周期振動は2021年福島県沖地震の方が広範囲に確認されたよう思い、なにしろ緊急地震速報で揺れたのは驚き。

 東北地方太平洋沖地震3.11東日本大震災の余震だる点は同じですが、最大震度は震度五弱が福島県沿岸部の広い範囲と茨城県及び栃木県一部で観測されたものでした。揺れは今回よりも小さいのですが気象庁マグニチュードMj7.4と今回よりも大きく、これは震源の深さ25 kmと今回の深さ55kmよりも浅かったためかもしれません。しかし津波警報が出た。

 余震はいつまで、という焦燥感ですが、これは岐阜県東部での自信が参考となるかもしれません。岐阜県東部では定期的に震度2から3の小規模地震が発生していますが、これは1891年10月28日の濃尾地震、歴史地震を除けば内陸地震では近代観測史上最大のマグニチュード8.0を記録した地震ですが、その余震が130年を経て続いているという実例が。

 巨大災害への警戒は一時も休みはありません。もっとも軍事攻撃のような人間の悪意は無く連綿と紡がれた地球との繋がりが時として大きな変動を生むというものですので、冷静に“その時”というものを考え、準備を怠らぬようしなければなりません。しかしこう気構えていても、緊急地震速報の警告音は、似た音を含め臓腑を掴まれる緊張を感じます。

 東日本大震災から来月で10年、地学のメカニズムからは日本国土の形成からして地殻変動によるものであり、その真上で過ごす日本では巨大地震の有無は最早問題ではなく、それがいつ起こるか、という視点が必要、巨大地震の起きえない地域は巨大カルデラの真上くらいですので、常に緊張感と共に防災の備えを組んではなく実行に移す事が大事ですね。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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