北大路機関

京都防衛フォーラム:榛名研究室/鞍馬事務室(OCNブログ:2005.07.29~/gooブログ:2014.11.24~)

Weblog北大路機関創設13周年 ありがとう!榛名-鞍馬研究室創設13周年記念記事

2018-07-29 20:00:00 | 北大路機関特別企画
■感謝!阪急十三駅から十三周年
 むらさめ型、たかなみ型、あきづき型護衛艦の全艦写真とともにWeblog北大路機関13周年記念記事を。

 本日Weblog北大路機関は創設13周年となりました。阪急十三駅で創設され13周年、十三駅で13年も続くWeblogを創設するとは当時はなかなか想像できなかったものです。当時の回線速度は128kbpsとPHS回線の細さゆえに写真一枚を上げるのに実に五分を要していた訳で、今日はWIFI回線により数十枚を一括で上げられ、まさに技術進歩を痛感します。

 2005年当時は、護衛艦はるな現役、護衛艦ひゅうが命名前の16DDHと呼称されていた時代、なかなか次期戦闘機はF-22かEF-2000かが定まらず、90式戦車の後継TK-Xは開発中、89式装甲戦闘車が細々量産継続され、北朝鮮は核開発疑惑の時代で核実験はまだ、中国の海洋進出と言いましても中国海軍は佐世保基地の護衛艦だけで圧倒できた当時でした。

 国際情勢は今よりも安定とも不安定とも言えず、中東はイラク戦争後の動乱期にあり自衛隊イラク派遣、テロの脅威は2001年同時多発テロ後の過激派分子を海上自衛隊の護衛艦と補給艦が海上阻止行動へ監視支援を行っていた時代でした。日本と中国は靖国神社参拝を中国が突如政治問題化した以外安定、ロシアと欧米の対立もまだ無く、実に安定したもの。

 米軍再編、当時の安全保障上の最大の課題はアメリカのブッシュ政権時代に全世界への米軍展開という冷戦時代型基盤を、緊急展開能力の強化と主要装備の核心的軽量化に依拠し少数の戦略拠点を強化する事で逆に大兵力を米本土へ帰還させ、抑止力の在り方を転換させるという一大改革が行われ、大学部内においても多角的な検証を行われていたものです。

 安全保障問題を扱うという北大路機関は元々、米軍再編が日本の将来的な安全保障問題、当時の小泉内閣が進めるミサイル防衛への着手に伴う防衛費比重の変容に伴う重戦力削減、在沖米軍基地問題への影響、アメリカ外交のモンロー主義への回帰の可能性、日ロ関係と将来的な北方安全保障、これらを地域研究や政治文化と政治学等から研究するものでした。

 モンロー主義への回帰は即ちポストパクスアメリカーナの国際秩序の模索であり、同時に次の国際秩序は現在の国際公序、自由と公正、世界の価値観を置き換えるものか、という視点からロールズの正義論とウォーラーステインの帝国論、アガンベンの例外状態を議論したものでした。モンロー主義回帰は期せずしてトランプ政権が指向しているともいえる。

 ポストパクスアメリカーナが単極主義を指向するのか、多元主義に転換するのか、国家アクターの位置づけは変容を強いられるのか、多国籍企業や近年では仮想通貨、多国間条約から原則宣言に基づくソフトローによる規範形成が国家の国際政治における行動を制約しないまでも方向性を示し、しかし国際政治が世界政治へ転換するのかも大きな議論でした。

 北大路機関、当時Weblogという新機運は簡易HPという位置づけにあり、しかしHPと比較し、恰も日刊紙の如く新記事を掲載できるという特色と、なにより立ち上げが阪急神戸本線特急から京都本線特急に乗り換えるまで、短時間で立ち上げられるという意味がありました。そして北大路機関ではなくWeblog北大路機関とするのは偶然が左右した訳ですね。

 京都本線乗換、これですと数分ですが通勤車丸出しの8300系や当時新鋭の9300系ではなく2扉クロスシート車の6300系が梅田から戻るまでの時間を利用して、しかし確かに電車の待ち時間で立ち上げることが出来るという利点がありました。駅のホームでPCバックの上で東芝Dynabookを立ち上げまして、PHS回線で十数分か二十数分か、立ち上げた、と。

 Weblog北大路機関は毎年7月29日に記す通り、神戸での大学行事打ち上げからの宴の帰路に、紹興酒を何本も、一説には七本、頂いた後でのWeblog立ち上げでしたので、当然、北大路機関という自主ゼミをそのまま公式Web化したものではりません、しかし、当方独断であったからこそ、かなり論点を防衛安全保障に絞れたとの意味があるやもしれません。

 クラズナーやヤングのレジーム論やグンダーフランクと概念を毎日紹介する、というWeblogも、そうした記事を望む声が実際に軍事記事よりも関心度が深いとして求める声も幾度か投稿されましたが、流石に毎日更新するは荷が重すぎる、第一回から熟読しなければ全体が掴めない、図式化が必要、最低24名の論者が必要、と13年続いたかは疑わしい。

 理論系記事は例えば10000字程度の理論を一週間に分割して今週の視点、と掲載する選択肢もあるのかもしれませんが、労力としては重い。防衛安全保障は、関心事として挙げる方も多いですし、時事問題とも連接している、知識としては需要がありますし、なにより当方広げたWeblogですので当方が撮影した写真を用いる事が出来る、長続きした理由です。

 2010年代にはいりツイッターやフェイスブックなど、個人の情報発信手段は多様化していますが、分析記事というかたちでの比較的長文を掲載する手段として、Weblogの利点は些かも陰りはありません。ただ、流石に時間の自由度が限界となっていましてWeblog最大の利点である双方向性、コメント投稿への返信の返答が滞っているのは何とかしたいもの。

 誤字脱字は毎年記載していますが、多少は減ったものでは、と。しかし、添削一度で減るといわれましても掲載に欠落を空けない事を第一としており、事実上予約投稿と書き下ろし記事とに二分化する掲載の中で前者の比重が年々高まっており、毎日掲載を優先しますとどうしても、限界がある事は否めません。時間捻出の黄金律を探したい一方、難しい。

 書籍ではなくWeb掲載なのだから掲載後に修正したらば良い、という御声も頂きますが、草創期からご覧の方はご存知の通り、一度添削しますと、持論を曲げた、と誤字脱字修正でも強い声がありました過去がありまして、基本的に本文修正は行わず、しかし、修正記事を新編しますと補正記事乱立となる為、基本は予備Weblogにて対応する事としています。

 第二北大路機関創設10周年、2008年2月に予備Weblog創設、今年10周年を迎えました。当初は阪急と名鉄、舞鶴基地と岐阜基地、非常に限られた内容の予備Weblogという扱いでしたが、現在は時事情報論評、旅行記事連載、報道備忘録、記事補完、本文投稿返答、と役割を増大させています。13周年の今回より順次末尾にURLを追記する事としました。

 Weblog北大路機関はword文書1頁分1440文字程度を毎日掲載の目安としていますが、ただ、第二北大路機関に掲載する内容、数行程度のものを集め写真三点記事と区分しています短い記事が元々のWeblog北大路機関の記事であったようにも思える今日この頃です。日曜特集は2500字程を要しますので、少々文面に無理が生じているのはご容赦のほどを。

 最後になりましたがここまでの13年間、Weblog北大路機関が掲載を維持できてきましたのは読者の皆様のご高覧があってのものです。昨日28日のアクセス解析によればGooブログサービスでは2,834,132ブログ中62位とのことで、大きくなったものだと驚かされ、拙い文章と写真ではありますが、今後ともWeblog北大路機関をよろしくお願いいたします。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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コメント (1)
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