北大路機関

京都防衛フォーラム:榛名研究室/鞍馬事務室(OCNブログ:2005.07.29~/gooブログ:2014.11.24~)

【G7X撮影速報】ロシア艦隊舞鶴入港,アドミラル-トリブツ・アドミラル-ヴィノグラードフ(2018-07-05)

2018-07-10 20:00:33 | 陸海空自衛隊関連行事詳報
■西日本豪雨序幕の舞鶴基地
 舞鶴基地ロシア艦入港の際には、あれほど激甚災害になるとは思っていませんでしたが、西日本豪雨の始りという状況下の入港情景です。

 ロシア艦隊は駆逐艦アドミラルトリブツ、駆逐艦アドミラルヴィノグラドフ、補給艦ペチェンガ、舞鶴入港、0900時に舞鶴入港と海上自衛隊HPに公開されていました。そして本日10日の0830時出港予定と発表されています。台風七号を越えて舞鶴入港となりました。

 ウダロイ級は満載排水量8500t、全長163.5m、全幅19.3m、武装はAK-100艦砲にSS-N-14/RPK-3対潜ミサイル、RBU-6000対潜ロケット12連発射機、533mm 4連装長魚雷発射機、AK-630CIWS、3K96リドゥート艦対空ミサイルとレゾルブ5システムを持つ。

 台風七号、九州を掠め日本海を北上し能登半島沖で温帯低気圧となった台風で、温帯低気圧となった直後に日本のはるか南の海上、マリアナ諸島において台風は地方が発生、日本本土には向かわず沖縄県先島諸島を掠め台湾北方を中国大陸へ向かう進路を採っています。

 温帯低気圧となったとはいえ元台風、成程物凄い雨量でした。名古屋のいつもお世話になっている方に途中で合流をお願いし、舞鶴市内は自動車にて移動できる様になる。西日本豪雨、平成三〇年度七月豪雨と気象庁が命名した豪雨はしかし、こうして始まった訳です。

 前島埠頭、新日本海フェリー舞鶴ターミナルが北海道小樽とを結び、舞鶴基地入港の艦艇が目の前を航行する鯵釣りの名所まで便乗し進出した際には豪雨でした。雨煙で舞鶴一望の五老岳も有名な展望台は影さえ見えず、僅か1.2km先の護衛艦ひゅうが、も霞むほど。

 アドミラルトリブツ、アドミラルヴィノグラドフ、ロシア艦隊は予定通り入港しました。北海やバレンツ海に北太平洋を作戦管区とするロシア海軍には台風を乗越えるだけの能力があったのか、聞けば前日に沖留していたといいますが、すると台風強風圏を越えた事に。

 文庫山学園、舞鶴市福祉施設は舞鶴基地の北吸桟橋を一望する舞鶴名所の一つですが、アドミラルトリブツを撮影する場所と、アドミラルヴィノグラドフの入港撮影位置を前島埠頭と文庫山で陣地変換する事としました。感謝です、機動力発揮、これも自動車ならでは。

 対潜艦として設計されているウダロイ級は90kmの射程を誇るSS-N-14/RPK-3対潜ミサイルは艦橋右舷左舷の基部に存在感を示し、対潜攻撃は勿論、対艦攻撃用弾頭も装着可能です。またKa-27対潜ヘリコプター2機を驚くほど巧みに艦内の格納庫に搭載しています。

 近代化改修により搭載された3K96リドゥート艦対空ミサイルは背負式のAK-100艦砲二門の更に前に垂直発射装置VLSへ収容されており、射程50kmを誇る。この艦対空ミサイルの搭載で、ロシア海軍はウダロイ級に新たに防空駆逐艦としての能力も付与した訳ですね。

 SS-N-27カリブル/クラブ巡航ミサイル搭載の近代化改修が2010年代に入り実現しており、これはアメリカのトマホーク巡航ミサイルを参考に開発されたミサイルです。SS-N-27カリブル/クラブ巡航ミサイルは駆逐艦に限定的な戦略攻撃能力を付与したともいえましょう。

 ひゅうが、満載排水量19000tのヘリコプター搭載護衛艦が舞鶴基地に停泊しており、ロシア艦隊を迎えました。これまで、ミサイル巡洋艦ワリャーグ、駆逐艦アドミラルパンテレーエフを舞鶴で撮影しましたが、あの時はヘリコプター搭載護衛艦しらね、が現役でした。

 ロシア艦隊は1980年代のソ連海軍時代に建造された艦、今回ホストシップは護衛艦あさぎり、平成時代初期の護衛艦で接遇し、港内には護衛艦まつゆき、5隻が残るのみとなった護衛艦はつゆき型が停泊していましたが、ひゅうが、と並ぶと時代の移ろいを感じましたね。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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