北大路機関

京都防衛フォーラム:榛名研究室/鞍馬事務室(OCNブログ:2005.07.29~/gooブログ:2014.11.24~)

【京都幕間旅情】祇園祭二〇一八,平成最後の前祭宵山に西日本豪雨-大阪府北部地震を悼む

2018-07-17 20:00:08 | 写真
■祇園祭,前祭宵山に臨む山鉾
 神幸祭の御輿が今まさに八坂神社を四条御旅所へ鬨の声勇ましくご利益と神威を巡らせる祇園祭の骨頂のさなか。

 祇園祭、平成30年度の祇園祭は天皇陛下の御退位により、平成最後の祇園祭となります。西日本豪雨災害、宵山の当日にも自衛隊災害派遣が継続、大阪府北部地震の被害も記憶が鮮やかな中での挙行となりました。西日本豪雨災害の募金運動が今年は数多あった印象だ。

 前祭山鉾巡行が本日執り行われました関係で一つ昨日の宵山の活況をお伝えしたい次第、まだまだ火曜日ですが京都幕間旅情、として紹介しましょう。後祭は今月後半に執り行われまして、その際にも山鉾巡行と宵山は行われますので、その際の散策参考となれば幸い。

 宵山、祇園祭を象徴する都大路を往く山鉾巡行、その前夜まで夕刻から四条通と烏丸通を四条堀川から四条河原町までと烏丸御池から全面通行止めとして、道路を広く山鉾を見上げる神事です。そして一目と阪急電車と京阪電車に地下鉄経由でJRからも多くが訪れる。

 西日本豪雨災害と大阪府北部地震、しかし祇園祭そのものが疾病予防という、始まりの時代には天変地異の代名詞的存在であった流行病を疾病祓いの神事として八坂神社の御輿を洛中に巡幸させ安寧を祈るとの神事でしたので、災害と祇園祭の繋がりは実に長いという。

 大阪府北部地震の記憶も、と記しましたのはこの日誘った友人知人がもれなく東海道本線京都線の列車遅延に巻き込まれた為、京阪電鉄や阪急電鉄を何故利用しないかはさておき、JR西日本によれば異常高温によりレール等の安全確認と徐行運転を行った為ということ。

 列島異常高温、レールが熱により湾曲や破損するという運行障害は昔から聞く話ですが、JR西日本では大阪府北部地震によるレール劣化や損傷を念頭に異常高温徐行運転を実施する規定温度を安全係数を採り低く設定しているとの事で、地震の影響が期せずして現れた。

 山鉾を宵山に見上げると共に旧交を温めようという当方、しかし、異常高温に旧交を温めるには酒杯の熱量が必須ですが、宵山は三日間で政令指定都市一個分という多くの観光客が集う為、群衆の熱量も物凄く、旧交ではなく三途の川急行を温めぬよう先んじて撮影を。

 貞観年間まで遡る祇園祭の始り、貞観年間といえば千年前ではありますが貞観年間という言葉は京都の寺社仏閣を散策しますと其処此処に見出す事が出来る千年前ではある、と本特集をご覧の方は思い出されるでしょう。貞観富士噴火、貞観東北地方太平洋沖地震など。

 第二次世界大戦中も昭和20年だけは戦局悪化の影響で、七月中旬は沖縄も硫黄島も陥落し東京も大阪も絨毯爆撃が幾度も行われ広島核攻撃も間近に迫る最中ですので致し方ないのですが、直前まで挙行を考えた上で断念されています。しかし、昭和19年はやっています。

 山鉾巡行は、といいますと祇園祭は一か月間にわたる長大な神事であり、実は断絶の歴史もあります。ただ、1947年に再開されて後は阪急京都本線延伸の1962年を除き執り行われていまして、1966年に前祭と後祭が統合、2014年から前祭と後祭が復活したとの流れ。

 列島猛暑、といいますか暑いではなく最早熱い、曇天ではあったのですが名物化している蒸し暑さ、人口密度の中、カメラを片手に散策しました。宵山を一杯やった後、という目論見はあったのですが、少々厳しい状況でして、大人しくイタリアの料理を堪能するのみ。

 祇園祭、七月一杯を京都市の中心部で山鉾を建て、山鉾を解体し、花傘や御輿が巡幸し、という祭事が生活の一部になっています。京都三大祭はこの他も葵祭に時代祭、そして鞍馬の火祭に五山送り火と数多、歴史が生活の一部になる風情が歴史都市との所以でしょう。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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