北大路機関

京都防衛フォーラム:榛名研究室/鞍馬事務室(OCNブログ:2005.07.29~/gooブログ:2014.11.24~)

神戸港護衛艦いせ、最新潜水艦けんりゅう、建造進む潜水艦ずいりゅう、遊覧船からの情景

2012-02-13 23:34:18 | 海上自衛隊 催事

◆潜水艦建造の中枢、神戸港を巡る

 護衛艦いせ、本日護衛艦さざなみ、とともに神戸港を出港、呉に戻ったようです。

Img_4493 神戸港ですが、ヘリコプター搭載護衛艦いせ、その満載排水量19000tという大きさは文字通り未経験の大型艦で、入港の際にも細心の注意が払われたようです、が、DDHの運用に長けた星山良一艦長以下乗員の練度を示しました。当方としては、この場所でここまでの大型艦、撮影場所をいろいろと試行錯誤しました。今までは写真左のスロープから全体像が入ったのですが、19000tですからね。

Img_3227 神戸港遊覧船、数ある撮影場所の中で、九州のHARUNAさんから遊覧船がいい、とお教えいただきまして、会場からの撮影は佐世保は若干詳しくともあまり神戸港遊覧船は詳しくない当方、ご一緒させていただきました。九州のHARUNAさん、いせ就役記念行事でお会いして以来です。さて、遊覧船が出港すると、川崎重工のドックにて、建造中そうりゅう型潜水艦、整備中はるしお型潜水艦がいきなり見えてきました。

Img_3250 潜水艦けんりゅう、2010年11月に進水式を挙行、艤装員長岡林眞人2佐以下昨年八月より公試を実施し、来たる三月に就役予定の最新鋭艦、そうりゅう型潜水艦の4番艦です。AIP潜水艦も間もなく四隻体制、潜水艦22隻体制へ全力投入というところか、就役が待ち遠しいですね。

Img_3277 ところで、政府は先日の首相国会答弁でイランがホルムズ海峡を封鎖した際には護衛艦と掃海艇を派遣する構想、そんなことが土曜日の産経新聞一面にありました。しかし封鎖海域に水上戦闘艦を突入させるよりは推進が比較的深いペルシャ湾、潜水艦を派遣して封鎖を解除してみては、とも。

Img_3294 三菱重工が建造中の最新潜水艦ずいりゅう。艤装員長渡邉忍2佐、進水式は昨年10月20日に終えたばかりの建造中。潜水艦部隊の整備は最大限進められていまして、恐らく起工式から一年と一カ月を経た次の潜水艦8122号艦も川崎重工の建物のどこかにて今年秋の進水式へ向けて建造が進められているところなのでしょう。

Img_3297_2 ずいりゅう、曳船の支援を受け引き出されています。神戸は世界でも稀有な潜水艦造船所二か所が並ぶ要衝、各国ともに潜水艦建造所一か所を維持するだけでも苦労していますが、潜水艦の死活的重要性を過去の大戦から学んだ我が国は、厳しい状況においても建造を続けています。しかし、毎年潜水艦を建造しているのですから、毎年一隻を建造して毎年一隻を除籍、というのですけれども、長期計画で2030年代頃をめどに30年ほどの運用を見越し30隻前後の体制を考えてみていいようにも思う。

Img_3310 おやしお型潜水艦。就役した潜水艦も定期整備を受ける必要があります。こうした運用基盤も国内で設計して建造しているからこその賜物、直輸入や技術供与は技術が身につかないのだから、こうした意味で防衛産業の意味合いは重要なのだ、ということがわかるところ。これが技術的抑止力、ともいうべき要点です。

Img_3424 ヘリコプター搭載護衛艦いせ。ポートアイランドからの撮影と比べて、もう少し近寄ったアングルからの撮影。ヘリコプターの運用を最重要視した構造を採用、対潜中枢艦を超えた航空中枢艦としての位置づけを担っている一隻なのだけれども、搭載機が可能性を大きく変える、いわば将来発展要素が最も大きい艦型、もちろん、航空運用に特化していることからの例えば艦橋の位置や大きさなどの難しさはあるものの、今後の運用体系の確立が海上自衛隊の将来を左右します。

Img_3452 護衛艦さざなみ、第4護衛隊群第8護衛隊に所属する汎用護衛艦、艦長中村正三2佐以下乗員は日々増す海上自衛隊への任務増大へ応えるべく訓練を積んでいます。満載排水量6300t、世界的に見て水上戦闘艦は3000tを超えれば大型艦なのですから6300tはかなりの大型艦。そのおかげもあって航続距離や行動期間が長く、海賊対処任務等遠隔地での任務にも対処できました。

Img_4250 こちらは土曜日一般公開の様子。さざなみ、初代の駆逐艦漣は日露戦争における日本海海戦、その終盤にバルチック艦隊司令長官ロジェストヴェンスキー提督を乗せ遁走を図る駆逐艦を僚艦陽炎とともに拿捕したのが知られています。駆逐艦漣、その勲功はあまり知られていないようですが海軍史に残された名艦の名前です。

Img_3266 こうして見所がたくさんの神戸港遊覧船ですが、造船所のほか神戸空港やポートアイランドなど見所は多くありました。また利用したいですね、ただ、航路が幾通りかあるので注意は必要とのこと。お教えいただきありがとうございました。最後になりましたが、神戸港にてご一緒しました皆様、ありがとうございました。

北大路機関:はるな

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コメント (7)
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