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北大路機関

京都防衛フォーラム:榛名研究室/鞍馬事務室(OCNブログ:2005.07.29~/gooブログ:2014.11.24~)

防災警戒・海洋監視用に地上監視専用機を導入できないか

2008-06-18 17:34:30 | 先端軍事テクノロジー

■常時滞空、地上を監視可能な機体

 岩手・宮城内陸地震に関する報道で、山岳崩壊に伴う河川堰き止め自然ダムが決壊したという誤った警報が流れ、救助作業を中断して一時退避する事例が本日あったようだ。多忙につき、本日は、こんな装備があったらなあ、というコネタ。

Img_9111 広域災害が生じた際に考えさせられるのだが、航空機からの俯瞰画像情報が共有情報としてあれば、災害対処は非常に効率的になるのだが、これが何とかできないものだろうか。例えば自治体の防災ヘリコプターなどは関係者に聞いて見ると財政的な問題で導入は難しいという。夜間飛行が可能な機体はもちろん、映像伝送装置を搭載したヘリコプターも決まった地域を上空から撮影することは出来ても、常時滞空させるほどの機数の余裕は難しいのだとか。

Img_7816  そこで一つ提案なのだが、滞空時間の長い哨戒機の機体を利用して、機体下部に複数の光学センサーや対地レーダーを搭載して、災害地域上空を高高度から常時画像情報を収集し、リアルタイムでデータを提供させることはできないだろうか。うろ覚えの情報だが、P-3Cであれば6600㍍、XP-1であれば8000㍍の高高度を巡航することが出来、この高度であればヘリコプターのように騒音で地上の救助活動を妨害することもないはずだ。

Img_7956  海洋哨戒を想定した哨戒機であれば滞空時間は10時間近く、経済飛行を励行すれば更にこの時間を延ばすことができる可能性もある。また、機体はかなり余裕があるので、胴体下部に可能な限り多くの光学センサーを搭載し、同時に多数の箇所の画像情報を収集、スタビライザーを搭載すれば、例えば決壊箇所や火災発生箇所、道路状況などの監視がカメラの方向を変えることで1機で行えるはずだ。

Img_7834  例えばグローバルホークの光学情報収集システムなどの性能を信じるならば高度11000㍍上空であれば110km先の画像情報も得られるという。高高度から情報を常時収集し、必要となれば陸上の自衛隊指揮所や自治体対策本部、首相官邸や国土交通省などの指揮所から機体の位置に関わらずカメラの指向さえ指示できる相互データリンクシステムを搭載すれば、文字通り必要な情報を必要な時に得ることが可能となる。胴体下部に高性能カメラを複数搭載し、中程度の光学機器をソノブイと同じ数だけソノブイ格納箇所に円柱状の光学センサーとして搭載する、という方法もあり得る。米軍のE-8のような戦場監視レーダーを搭載するという選択肢もありえよう。

Img_7857  この種の航空機は防衛出動の際にも情報収集に用いることが出来る。P-3Cであればモスボール保存されている20機の機体を流用することが出来、高性能な機体が必要ということであればXP-1を用いるということもできよう。滞空時間では飛行船の流用という手法もあろうが、進出速度の関係では固定翼機に利点があり、必要ならば併用するという手法も。

 他方、この手の情報が、何よりも省庁や自治体の垣根を越えて共有される必要があり、この分野だけでも早急に対応を考えるだけでも、減災には寄与しよう。

HARUNA

(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)

コメント (2)
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