北大路機関

京都防衛フォーラム:榛名研究室/鞍馬事務室(OCNブログ:2005.07.29~/gooブログ:2014.11.24~)

寝台特急の展望 整備行き届いた上野駅着のブルートレイン

2008-05-02 16:03:33 | コラム

■ブルートレイン再考

 上野駅にて撮影した“北陸”“あけぼの”の写真とともに、ブルートレイン最高!もとい、ブルートレインについて再考してみたい。(本日もコネタ)

Img_2102  上野駅は、『北陸』『あけぼの』の他、北海道に向かう『北斗星』『カシオペア』の始発駅として知られる。実を言うと、小生、ブルートレインを利用したことがなかったり・・・。というのも、京都から東北に行く場合は、仙台までは名古屋まで在来線で移動してバス。北海道まで移動が必要なときには、最初から航空機にて移動する。理由は簡単で、『日本海』や『トワイライトエクスプレス』は、ちと高いのだ。

Img_9567  そういうわけで、京都駅にて九州へ青森へ、はたまた遠く北海道へ向かう列車、撮る一方の小生。そういう関係だった。そこで気付くのだが、京都駅に到着するブルートレイン、もはや思い出でしかみれぬ『なは・あかつき』や頑張る『日本海』と比べて、上野駅に到着する列車は、ブルーがくすんでいない点。

Img_9553  『あけぼの』の利用率はかなり高い印象で、その関係で塗装が整備されているのだろうか。いちばん感心させられるのは、開放型B寝台を指定席扱いで二両限定で開放している“ゴロンとシート”。B寝台(B個室も)を利用した場合、上野から19950円となるのだが、指定席扱いのこのシートを利用すればかなり割安に移動することが可能。

Img_9555  ただし問題点も。上りの『あけぼの』は1808時に青森を発車して0658時に上野駅に到着するが、下りの『あけぼの』は2145時という遅めの時間に発車する関係で、青森到達は0956時。しかも、大宮から高崎経由で日本海側を走る為、早朝の仙台に、というのも難しい。路線が路線なので、早朝に始発新幹線に乗り継ぐという裏技も使えなさそうで、この点は不便なのかな、と。

Img_2133  寝台特急について、今後の展望を考えれば、それは新幹線と格安ツアーバスとの関係性を抜いては難しい。個室寝台の充実と、開放型寝台の指定席化を極力行うとともに、可能であれば指定座席車を設置し、運行区間を長距離化し、夜行特急若しくは昼間特急車としての需要も掘り出す必要がありそうだ。これについては後述したい。

Img_9504  寝台特急『北陸』は、上野~金沢間という日本最短の路線を走る寝台特急であるが、比較的需要のある金沢とを結ぶ寝台特急であるが、寝台特急と金沢観光を併せたツアーなども企画されており、加えて並行するように、夜行急行の『能登』が運行されていることから、寝台特急としての位置づけを保持する観点から、指定席と比べられがちな開放型寝台とともに、比較的早い時期から個室の割合を高めるなどの工夫を行っている。

Img_9527  以上の点を踏まえると、夜行列車としてのブルートレインは、夜間に運行されることでの早朝に到着するという利点があるわけだが、これは便数の削減などにより選択肢が減り、新幹線の始発に場合によっては追い越されてしまうという点。しかし、機関車に牽引され、在来線上を運行する以上、速度の強化という点には一定の限界があり、振子式制御装置の搭載による新型寝台車の開発やフリーゲージトレインを用いての一部新幹線路線乗り入れなど考え付く案には現実的なものが無いという点。

Img_8601  結論として、速度では新幹線に対抗できないので、新幹線によるグリーン車以上のゆったりとした旅を求める人への需要(これはサロンカーや食堂車なども含めて)。価格では、高速バスに対抗することは難しいので寝台以外の選択肢として、普通車を求める需要、があるのではないか、と。ほかには、極力整備状態を良い態勢に保ち、ブルートレインという移動手段を新幹線に並ぶ程度の知名度を持たせる、というところだろうか。

HARUNA

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