北大路機関

京都防衛フォーラム:榛名研究室/鞍馬事務室(OCNブログ:2005.07.29~/gooブログ:2014.11.24~)

ミャンマーサイクロン被害 軍事政権は外国救助組織入国を拒否

2008-05-09 21:53:53 | 国際・政治

■犠牲者は日ごとに増加

 スマトラ沖地震に伴うインド洋大津波の際にも速報が大きく遅れた日本のマスメディア、これは社会部偏重、国際部軽視の風潮から来るものだが、今回もそうか。

Img_9566  当初犠牲者一万人といわれていたミャンマーのサイクロン被害は、一週間を経て犠牲者は増加、国連によれば100万が被災、復興はもちろん、ミャンマー国軍の災害対応も杜撰であり、死者は50万に達すると報じる通信社もでている。BS-1の各国ニュースをみると、BBC,F2,CNNと連日トップニュースで報じている。インド洋大津波の翌朝、日本では山陽新幹線のガラスにヒビがはいったことを報じ、津波の第一報が遅れたが、今回も同じ様子。

Img_9313  BBCによればすでにミャンマー近海にはアメリカ海軍とフランス海軍の艦艇が人道支援のために展開、遊弋しており、タイには海兵隊及び空軍のC-130輸送機が集結しているが、ミャンマー政府は外国軍隊及びNGOの入国を拒否し、物資と資金のみ受け入れる構え。政府は余裕の構えであるが、イワラジ川穀倉地帯が冠水、有効な対応は行われていない。

Img_1191  人道上の大きな問題があるにも拘らず、自国上空は一切の欧米人の進入を許さないとするミャンマー側の態度には、さすがにアメリカも不快感を隠さず、ベーツ国防長官は同意が無くとも、救助物資を輸送機から投下する、という構えを見せている。一応、日本はミャンマーの最大の援助国であり、現在の軍事政権を育てたのは旧陸軍である関係から友好関係を維持していることだし、自衛隊派遣を含め検討してはいいのでは、と思うのだが、なにぶん、世論がそこまで動いておらず、そこに提示するべき情報を国際部の規模に限界があることから国内のマスコミが充分機能していないことで、このまま報道と世論喚起に基づく人道支援、後手にまわりそうな予感も。

HARUNA

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