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「氣を出す」とは何か ♥ 藤平信一メールマガジン(生活の中の心身統一合氣道)より

2019年11月01日 18時03分07秒 | 心と体の健康通信
「氣を出す」とは何か。

氣が滞ると、心を自在に使うことが出来なくなります。
このとき、氣を出すことによって、氣の滞りが解消されます。
氣を出すことによって、新たな氣が入ってくるからです。

私は2歳くらいから心身統一合氣道の稽古をしていますが、
子供の頃は、氣を出すことが良く分かりませんでした。
「何を」「どうする」ことなのか具体的でなかったのです。

その頃、こんな出来事がありました。

当時、有段者を目指して熱心に稽古なさっていた方がいました。

不運なことに、この方は交通事故に遭い、大きな怪我を負って、
ほとんど動けない状態になってしまいました。
当時の医療では、元通りに回復する見込みはなかったのです。

周囲の多くの人が「もう稽古は出来ないだろう」と感じていた中、
しばらくして、付き添いの方と共にご本人が道場に来られました。
予定していた審査を受けさせて欲しい、と言われるのです。

技は全く出来ませんが、氣合いや号令ならばかけられるとのこと。

当時の指導者たちは困惑して、この方だけ特別扱いは出来ないと、
申し出を断るべきではないかと話し合っていました。
藤平光一先生がこの話を耳にしたのは、ちょうどそのときでした。

事情を聴いた藤平光一先生は指導者たちを集め、一喝をしました。

「お前たちは日頃、いったい何を教えているのか。
 この方は、事故によって技の動きは全く出来なくなってしまった。
 しかし、出来ないことに絶望するのではなく、出来ることを探し、
 それに全力を尽くそうとしている。
 これを、氣を出すというのだ。よく覚えておけ!」


審査を受験したこの方は、見事な号令をかけていました。

審査に立ち会った藤平光一先生はにっこりと「合格です」と言われ、
氣を出すことを実践するこの方に最大の賛辞を送りました。

それに対して、この方は「これからも氣を出していきます」と応え、
その眼には大粒の涙がこぼれていました。


心身統一合氣道は「氣を出す」ことを目的に稽古をしています。

当時も私は知識としては教えられていましたが、この出来事を通じて、
「氣を出す」とは何かを学びました。

ときに、私たちは逆境に直面します。
そんなときは、周囲は「出来ない」ことでいっぱいになっています。

そこで、出来ないことをみて腐ってしまうのか、出来ることを探して、
それに全力を尽くすかでは、人生は大きく変わることでしょう。

たいへんなときだからこそ、「氣を出す」ことが必要なのです。







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