ハリソン君の素晴らしいブログZ

新旧の刑事ドラマを中心に素晴らしい作品をご紹介する、実に素晴らしいブログです。

「なんもしない人の不思議」

2019-12-30 00:01:00 | 日記
 
やはり年の瀬のバタバタで疲れてるのか、作品レビューを書く気力が沸かず、日曜の午後は掃除をしてからボーっとテレビを観てました。

で、ふとNHKにチャンネルを合わせたら『ドキュメント72時間』の年末スペシャルをやってて、ちょうど視聴者投票による年間ベスト3の発表&再放送だったので見入ってしまいました。

第3位の『仙台/出会いを求めて相席ラウンジ』には全く興味が沸かなかったんだけど、第2位の『密着!レンタルなんもしない人』は面白かった。これは本放映時も観て衝撃を受けたんだけど、今回あらためて「何なんだ、これは?」って思いましたw

ご存知の方も多いかと思いますが、会社での「濃い人間関係」に疲れた妻子ありの脱サラ青年が、ツイッターで「なんもしない人」の仕事を請け負ったら引く手あまたで大忙しというw、こうして書いてても「何なんだ、これは?」としか言いようがない内容w

仕事と言っても請求するのは指定された場所への往復にかかる交通費だけ。そりゃ「なんもしない」んだから労働対価は求めません。じゃあ彼はいったい何の為にそんな仕事(?)をしてるの?っていうのが第1の不思議。

そして第2の不思議は言うまでもなく、わざわざ「なんもしない人」に来てもらう顧客の皆さんの心理です。

料理好きのOLさんは、周りの人たちが彼女の料理に慣れてしまって誰も褒めてくれないのが不満で「なんもしない人」を自宅に招き、手料理をふるまう。初めて食べる人の新鮮なリアクションが期待できるのと、何のしがらみも無い相手ゆえお世辞抜きの感想が聞けるメリットがあり、これはまぁ理解出来なくもない。

だけど韓国まで整形手術を受けに行くキャバクラ嬢さんが、その前日の準備に「なんもしない人」を付き添わせる光景はあまりにシュールでw「何なんだ、これは?」と言わざるを得ません。(途中から番組の女性ディレクターが彼女と話し込み、なんもしない人は本当に最後まで徹底して何もしないw)

カラオケで長年『となりのトトロ』の主題歌だけを特訓して来たおじさんが「なんもしない人」に聞いてもらい、その成果を問う光景にも笑ってしまいましたw なぜ「なんもしない人」を審査員に選ぶのか?w

他にも、婚姻届けの提出に「なんもしない人」を付き添わせるカップル、結婚式を眺めてもらう人、自分の民事裁判を傍聴させる人などw『探偵!ナイトスクープ』でも受け付けないような依頼が続々と寄せられるんだそうです。

解らない……どう考えても解らないんだけど、今回のスペシャルで山田五郎さんや鈴木おさむさんの解説を聞いて、なんとなく腑に落ちました。

いわく、あれは「人間"いいね!"ボタン」なんだと。家族でも同僚でも友達でもないからこそ言えることがあり、見せられる姿がある。その距離感がまるでSNSじゃないかと。

なるほどこのブログだって、私はまぁ友達には見せるけど家族や同僚には絶対に見られたくない。だけど「なんもしない人」には平気で見せられそうです。

もちろん、なんもしなけりゃ誰でもいいってワケじゃなく、極めて平均的なルックスで普通に家族もいて、無口じゃないけど多くは語らない、適度にユルくて裏表が無さそうな「なんもしない人」だからこそ成立するんだろうと思います。仮に私が同じことをしても「キモい」って言われるだけでしょう。

なんとなく誰かに居てもらいたい、けど干渉はされたくない。ただ話を聞いて「いいね!」ボタンを押して欲しい。そんなインターネット世代ならではの心地よいコミュニケーションがそこにある。……って事なのかも知れません。

ちなみに人気投票第1位は『熊本・阿蘇/10年に1度のバイク撮影会』の回でしたが、これも第3位と同じく私はピンと来ませんでした。

NHKで今年放映されたドキュメンタリーでもう1つ印象深かったのは『クローズアップ現代』で車中泊を続けてる人たちを取材した回。実家に戻らなかった「if」の私がそこにいる気がして、共感したし身につまされました。

私を引きつけるキーワードはやっぱり「孤独」なんですよね。
 
コメント
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