ハリソン君の素晴らしいブログZ

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『絶対零度/未然犯罪潜入捜査』シリーズ '18~

2019-12-05 00:00:25 | 刑事ドラマ HISTORY









 
2018年の夏シーズン、フジテレビ系列の月曜夜9時「月9」枠で全10話が放映された刑事ドラマ。

2010年、2011年に火曜夜9時枠で放映されたシリーズの第3弾で、主役が前2作の上戸 彩さんから沢村一樹さんにバトンタッチされました。

当初は上戸さんの主演続投で企画されたものの「子育てに忙しくて」辞退されたとの事で、助演予定だった沢村さんが主役に昇格、上戸さんは「失踪中」との設定で「特別出演」される事になりました。

だったら、似たような刑事物は他にいくらでもあるんだし、真新しい企画でやればええやん!って思うんだけど、連ドラで数字が稼げない昨今(特にブランド力を失ったフジ・月9としては)シリーズの知名度にすがりたかったんでしょう。

元々、シーズン1は人情寄りの『未解決事件特命捜査』、シーズン2はスリル重視の『特殊犯罪潜入捜査』と、内容がガラリと変わって共通点は主役が上戸さんである事のみ。だから上戸さんが主役でなきゃ『絶対零度』を名乗る理由が無いと思うんだけど、そんな体裁を気にしてられないほど制作現場は追い詰められてるんでしょう。(せめて沢村さんが前作に出ていればスピンオフ作品と解釈出来るんだけど)

まぁしかし、創り手の人たちもそんな矛盾は百も承知でやっておられるでしょうから、外野がとやかく言っても仕方ありません。ご本人が「これは絶対零度だ」と仰るんだから間違いなく絶対零度なんです。

今回の舞台となるのは、例によって警察の厄介者ばかり集めた「はきだめ部署」こと警視庁資料課分室。日本警察はもう、そういう窓際部署の暗躍なくしては事件を解決出来ないワケです。

で、その実体は未然犯罪捜査チーム=通称「ミハン」。日本国民の個人情報をくまなく把握し、全国の監視カメラや通信データを収集・分析して「危険人物」をA.I.に特定させ、そいつがこれから起こすであろう重大犯罪(主に殺人)を未然に防ぐという、警察というよりはスパイ組織に近いチーム。

現在の日本においては違法捜査であり、将来その手法を正式に取り入れるか否かを判断する、これは国家レベルの「実験」なワケだけど、そんな重大極まるミッションをわざわざ「厄介者」たちに任せちゃう理由もよく分かりませんw(失敗した時に切り捨てやすいから? そりゃいくら何でもメチャクチャです)

なんでもかんでも過去のヒット作の法則に当てはめようとするから、こうして色んな矛盾が出てきちゃう。視聴者はもうとっくに飽きてるんだから、同じパターンの使い回しはホントやめて欲しいです。本気でウンザリして来ました。

そもそも、またしても沢村一樹さんの刑事役ですよ。私は特に好きでも嫌いでもないんだけど、さすがにもう見飽きちゃいました。そういう保険だらけのキャスティングにもウンザリです。

こんなに文句ばかり並べるつもりは無かったのに、文句以外、特に書きたい要素(目新しさ)が見当たらないから仕方ありません。

ただ唯一、ミハンの紅一点刑事に扮する本田 翼さんの格闘アクションには「おっ!」と思いました。あらためて見直すと大した動きじゃないんだけどw、短いタイトスカートから美脚を繰り出すハイキックにはジャッキー・チェン以上の価値があります。

ノホホンとしたイメージの彼女に、そんな武闘派の女刑事を演じさせた意外性だけは素晴らしいと思います。似合ってないんだけど、そこがいいんですw

このシリーズ自体、上戸彩さんが刑事を演じるミスマッチから始まってるんだから、いっそ本田翼さんを主役にした方が『絶対零度』らしくて良かったと私は思うんだけど、その程度の冒険すら許されないご時世なんですね。

そんなワケで、私からのお薦めポイントは本田さんのアクションのみ。これを毎回見せてくれるなら観る価値アリと思うけど、初回サービスだけで終わっちゃう詐欺番組もこれまでさんざん観て来ましたから信用できません。

沢村さん、本田さん以外の「ミハン」メンバーは、伊藤淳史、平田 満、柄本時夫、横山 裕といった面々。ほか、警視庁捜査一課の刑事に田中道子、マギー、警察庁次長に中村育二といった人たちが出演されてます。

なお、2020年冬シーズンには同じメンバー、同じ放映枠で『season 4』が開始される模様。巷では人気あるみたいです。
 
コメント
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