害虫屋の雑記帳(ブログ人の保存版)

ブログ人のサービス停止に伴い、gooに過去記事を保管させてもらうことにした。

四つの目

2009-01-17 20:49:09 | 自然観察

ここのところ寒い日が続く。朝の室内温度は10度に達してない。夏は暑くて死ぬとかいっていたが、冬も寒くてツライ。
カビを食べる昆虫やダニのなかには、冬でも平気な連中がいる。コタツの上を粉のようなナゾの微小生物が動いている、とかってニクダニ類の電話相談がくるのもこの季節。
事務所で飼育中というか閉じ込めて放置中のムシにも、低温にめげず動いている種類がいくつかいる。
ムナビロヒメマキムシDienerella costulata の容器をのぞいてみると、成虫が歩き回って交尾をしたり、幼虫がカビの草原で食事中などと普通に活動していた。
ヒメマキムシはカビの胞子だらけで写真うつりが悪い。なので動画ならムシの輪郭が背景と区別しやすくなるかもと思いビデオ撮影してみた。

・・・ちっとも、分かりやすくないな。またつまらぬゴミ動画をつくってしまった。
きれいにクリーニングして、形を整えて撮影するのがイチバンなんだろうけど。

容器内から死骸を取り出して、成虫の目を観察してみた。一つの目には個眼が5個と書いてある文献があるのだが、拡大してみると個眼が4つしかないようにみえる。実体顕微鏡では中央にも1つあるように見えるけど、拡大してみると黒っぽくて表面に毛の生えたコブのような形態。受光器官が埋まってて黒く見えるというパターンでもないと思う。
こんな目で何をどう見ているのだろう?はるか昔のNHKの科学番組に「四つの目」というのがあった・・・まったく関係ないが。D_costulata_3

見分けが厄介な近似種のイトヒメマキムシD. filiformis の方はみたことがないけど、個眼が2個だそうで、かろうじて複眼とか。