害虫屋の雑記帳(ブログ人の保存版)

ブログ人のサービス停止に伴い、gooに過去記事を保管させてもらうことにした。

虫採りの恥はかき捨て

2008-01-01 23:41:00 | インポート

シュタっとケイタイを取り出してカメラモードにしたが、間に合わない。エスカレーターはどんどん移動してゆくが、大勢の人でいっぱいで身動きが取れない。正月早々、買い物客でにぎわうショッピングモールで、つい怪しい行動をしてしまった。
外壁の大きな窓の内側にアシナガバチらしきシルエットを見つけたのだった。種類はわからなかった。通常は冷え込んでいる日に見られる虫ではない。よく清掃されているので死骸が引っかかっていうわけでもなさそうだ。採集したいが周りに遠慮しておとなしくすることにした。
アシナガバチの仲間というのは、解らないことが多い。というか、解ったような口をきいて、失敗したことがある。
数年前だが、電話での相談で1月にアシナガバチの巣を除去してほしいというのがあった。「冬にはハチがいないので、長い棒でつついて落としてください。自分で簡単にできます。」とアドバイスした。でも相手の女性は「怖いからイヤです。お金出すから来てください」といった。しょうがないので現場に行くと、2階ベランダの庇にフタモンアシナガバチの巣がくっついているが、案の定、巣は空っぽで動くものは何も見えない。30歳代の主婦のお客さんに向かって、エラソーに「みててなさいよ。何も怖くないですから」などといいながら、棒でつついて落とすと、意外なことに、巣と一緒に、大きなアシナガバチが5~6匹落ちてきた。「うわっ」と声を出して、あわてて飛びのいた私の姿をみて、お客さんは、部屋の中にダッシュで消えていった。落ちてきたヤツをよく見るとセグロアシナガバチの新女王だった。飛び立つことはなく、ノロノロと這っていた。多分、フタモンアシナガバチの巣の裏側で、木材との隙間に潜んで冬越し中だったのだろう。また、害虫屋を信用しない主婦を一人増やしてしまったと、悔やみながら帰途についたものである。
街中の昆虫に、不明なことが多いのは、調べることが難しいためでもある。山の中やら海辺やらという場所なら、好きなところによじ登ったり、掘ったりなどの調査活動が簡単に実行できるが、人混みの中では非常に制限される。
ショッピングモールにいたあの虫も、簡単にエスカレーターから窓枠に飛び移って、捕まえることができたが、走りよってくる警備員への説明は大変だったかもしれない。都市昆虫の研究において、最大の障害が他人への配慮というヤツだ。最近、子供たちの間で使用される「ケー・ワイ*」という用語のほうが適切かも。

*「空気読めよ」の短縮形とのこと。

ところで元旦のこの日にショッピングモールで、ウチの子が初ガチャガチャで得たものは・・・。

火落菌かよ・・・。幸先ワルっ!!!

Lactobacillus_fructivorans_2