害虫屋の雑記帳(ブログ人の保存版)

ブログ人のサービス停止に伴い、gooに過去記事を保管させてもらうことにした。

アナタカラダニの眠り

2010-04-26 22:39:58 | 自然観察

初夏に多いアナタカラダニ。食品工場では、包装資材を汚損する実害もでている。
ビルの最上階に多い場合は、屋上でせっせとコケ取りをすると結構効果があると思う。目地の隙間のわずかなものも見逃さないように掃除することが肝要。除去したコケを拡大して観察すると、やはりアナタカラダニの個体数が多いことが分かる。
この時期のアナタカラダニは、頼りなげな幼虫のほかに、無脚の若虫がコケの根元あたりに沢山ころがっていたりって感じで、今年の春は寒いから発育が遅れているのかもしれない。Balaustium_nymph

コケの中には、アナタカラダニのほかに多数のモンツキダニの一種がいたのだが、狭い容器に一緒に閉じ込めてみても、捕食するところは観察できなかった。
あと、少数のチビテングダニの一種とかもいた。
トビムシ類や双翅目幼虫が意外に多い。
アナタカラダニはナゼか幼虫がよく共食いをしていた。他にはコケを食べているのじゃなかろうかと思うような行動もみられたが、確信は持てない。Balaustium_larve_cannibalism

日当たりの良い場所をウヨウヨする様子から、こいつらは本当に太陽の光が好きなんだなと思う。このダニが、タンパク質なんかを合成するのに光反応をすごく積極的に利用しているなんてことはないのだろうか?生化学に詳しい人に、他の動物でそんな事例がないか聞いてみたい。動物で日光と関係があるって、ビタミンDくらいしか知らないし。

容器にコケをいれて眺めていると、ホワホワした緑というのは人をなごませるのか、なにやら心が落ち着く。ジオラマみたいで、草原とか山地の針葉樹林帯にみえたりして、タマシイが何処か飛んでいってしまいそう。