医療制度改革批判と社会保障と憲法

9条のみならず、25条も危機的な状況にあります。その現状批判を、硬い文章ですが、発信します。

NHKが、お粗末なのか、尊大なのか

2007年11月15日 | Weblog

NHKが、お粗末なのか、尊大なのか

  11月15日にクローズアップ現代の「おやじバンド奇跡の歌町再生」に興味があったので見ていました。
  8時からの、「風の果て」のショート予告の映像が流れ、主人公(桑山又左衛門)にたいして妻(満江)が、彼がとあることで剣を抜いたことに、ものを言うシーンが流れました。そのシーンのデタラメさに腹が立ってスイッチを切りました。
  藤沢周平原作となっていますが、原作ではそんな展開はありえないものです。あまりにもひどい原作の改ざんに、腹が立つのです。
  養子であった父親(孫助)が、隼太(主人公・桑山十兵衛)を養子に迎える、その親子の絆がこの原作のひとつの筋です。冷飯食いの次男・三男が婿養子に入った、そのことも、この親子の心のふれあいにも絡みます。
  主人公には、実家でのその冷飯食いの時代に、心(からだも)かよわせた女性があり、その彼女の小料理屋で食事をするときが、心安らぐときとして描かれています。
  養父も養子であり、養父の努力を引き継ぎ、異例の出世をしていった主人公、夫婦仲などは冷え切っているというより、はなから論外という原作の筋立てになっているのです。
  にもかかわらず、原作にないどころか、原作を改ざんし、本来の筋立てを台無しにし、安っぽいホームドラマ化しているのです。
  だから、むかついて、腹が立って、スイッチを切ったのです。
  お茶の間に合うホームドラマに、原作を改ざんするNHKは、尊大なのでしょうか(お茶の間公序良俗に反する部分は書きかえる)、お粗末なのでしょうか(国営放送としてはは常に自主規制をしなければならない)。
  NHKの放送をみてしまった人は、原作(文庫本で出ています)を読んで、口直しをしてください。
  幸いにも、テレビを見ていない人は、ぜひ、原作を読んで「影の主人公」の陰影も、つかんでください。
  かつて私が、週刊朝日を定期購読することになったのは、この「風の果て」の連載を読みたかったからです。


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