しょぼい毎日

いつも理想はでっかいが、結果はしょぼい・・・。そんな日常を綴ってみました

蝦夷梅雨紀行(3)小沼にてSLを待つ

2010-08-07 23:58:49 | 旅行記

7月17日(土)その2

結局、今回の旅の第一目的の「朝日を浴びて海岸沿いを進むブルトレ」撮影は悪天候により、絵に描いた餅になってしまいました。とはいえ、旅はまだ始まったばかり。気持ちを切り替えて次なるターゲットを求め1007_281て、国道5号線を南下します。

やって来たのは、これまた有名撮影地!函館本線、七飯-大沼にある、美しい小沼沿いを走る区間です。SL函館大沼号を狙います。嬉しい事に天候が回復しつつあります。すでに多くのカメラマンが道道338号のガードレールに沿ってスタンバイしています。私は、同業者の塊りから少し離れた地点で待機します。今回は、道路横で車1007_3021007_334の通行量も多いことから三脚を使わず、手持ちでチャレンジします。

しばらくすると、私の真後ろに仕事をリタイアしたぐらいの年齢のカメラマンがビデオ撮影の為、三脚を立てます。しばらくファインダーを除いて構図を確認していましたが、「ごめん、しゃがんでくれる。そう。もう少し頭下げて。」後から来たのに、協力するのが当然の口調で少しムッとしましたが、遠くまで来て、同業者同士、角を突き合わすのは適わないし、人生の先輩に対して敬意は、払うべきとと思い、相手の言うとおり、腰を屈めてスタンバイします。けれど当方の構図は明らかに悪くなり、これは適わんと思っていると、ビデオお爺さんは、「やっぱり邪魔になるから、私の後ろで撮ってよ。」と言います。私も、腰を屈めた姿勢では撮影に支障がでそうなので、その言葉通りに、お爺さんの後ろに移動しました。それにしても邪魔になるからは無いよなと思いながら、先ほどの場所で屈んでいるよりは、構図が良くなったので「まあいいか」と気を取り直して、再スタンバイします。すると、ビデオ爺さんがSLが通過したら後追いも撮るから、カメラをパンするのでしゃがむか、すぐさがって」と指示します。さすがに、これには空いた口が塞がりませんでした。<自分だけ良かったら他人はどうなっても良いのか!この野郎!><今度、話しかけてきたら、もう許さんぞ>とアイコンタクトしますが、そういう事を、感じられる御仁ではないようです。自分だけの世界に没入しています。私のほうは<心中、爆発寸前!発火点まで5㎝>といった状態です。同時にこんな人物の言うことに、いちいち振り回されている自分に猛烈に腹が立ってきます。が、そんなストレスがピークに達しようとした時に、C11-171に牽かれた<SL函館大沼号>が思いっきり黒い煙を吐き出しつつ、小型タンク機関車と思えない大音響を響かせながら、近づいて来ました。私は急いで、気持ちを切り替えて、ファインダーに集中します。                                        

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1007_3611007_367 夢のような瞬間が終わり、線路沿いに群がった同業者の面々は一斉に撤収作業にかかります。私は、ビデオ爺さんに「お疲れ様でした。 良い絵が撮れましたか?」と不自然な程明るく大きな声で話しかけます。が、ビデオ爺さんは私と目をあわさず、黙々と三脚をたたんでいました。そんな姿を見て、<私も、歳をとればあんな人間になっちゃうのかな?それとも若い時からあんな人間だったのか・・・?趣味は人生を豊かにすると言うけども、そんなのウソだな・・・。>等いろいろ考えてしまいます。

ここでの撮影は、少しイやな思いをしましたが、少し教訓を学びました。

そんなことがあった割には、良い絵が撮れたので、少しほっとしました。