しょぼい毎日

いつも理想はでっかいが、結果はしょぼい・・・。そんな日常を綴ってみました

パノラマカーへの長い道(2)決戦!島氏永

2008-12-23 00:00:01 | 旅行記

12月14日(日)

前夜遅くに浜松から名古屋まで戻ってきました。1時前に尋ねた金山駅前のカプセルホテルは満室。仕方なく同じビルのサウナの休憩室で夜を明かします。混雑したした大部屋で「眠れるわけないやろ!」と思いながら、暗澹たる気分で、休憩室にあるベッド(椅子に近い)に身を横たえます。が、予想に反してあっという間もなく深い眠りに落ちます。夢も見ることなく5時起床。テレビの天気予報は昼から晴れマークが付いていますが、一歩外を出ると雨・・・。

天候がこれでは仕方ありません。パノラマカー撮影を諦め、乗り鉄に徹する事にします。中部Img_6527Img_6535国際空港に向かいます。2005年開業の空港線は未乗です。 中部国際空港は、同じ海上空港の関空を思 わせる造りでありますが、後から出来ただけあってか、構内が分かりやすい気がします。ターミナルもクリスマスの飾り付けが整い、華やいでいます。空港のイメージキャラ<なぞの旅人フー>のクリスマス風巨大ぬいぐるみが旅人を見下ろしています。スカイデッキからはいろいろな国の飛行機が見えます。さすが国際空港。ひとしきり歳末の空港風情を楽しんでから、電車で名古屋方面に向かいます。

Img_6632Img_6657Img_6642神宮前まで戻ってくると、ホームの端に同業者が群がっています。間もなくパノラマカーが入線する様です。本日のパノラマカー撮影は諦めていましたが、スタンバイする同業者の姿を見て消えていた闘志が沸々と沸き出します。予定を変更し、電車を降ります。そのまま、同業者サン達の後ろについてパノラマを待ち受けます。入線したパノラマカーを1カット撮影した後、駅で停車したその電車に乗り込みます。乗り込んだのは、パノラマカー最後部展望席!そこに腰を下ろすと、前面いっぱいに広がる名古屋の町が遠ざかっていきま す。これぞ、パノラマの醍醐味!幸せ気分で犬山線の旅を続けます。岐阜県 に入ると先ほどまでの雨は嘘のように晴れ上がってきました。パノラマカーを乗り継ぎ犬山遊園に来ました。パノラマカーと同時に無くなるモンキーパーク行きのモノレールを撮影Img_6698する同業者も結構います。私は、これから国宝「犬山城」を目指そうとしてここまで来ました。目前には小山に建つ立派な天守閣の姿が見えています。駅から天守閣に登って見て帰ってくるまで、2時間弱かかるでしょう。それで、本日の予定は終了してしまいます。もし、今から島氏永を目指せば、充分パノラマカーを撮影できます。犬山城訪問も捨てがたいですが、パノラマカー撮影は私にとって今回がLASTチャンスです。駅からお城まで50m歩いたところで、引き返します。

「もう迷わない。昨日のリベンジだアー!」

島氏永には昨日より早く到着しました。天気は昨日より少し雲が多いか・・・。昨日ひどい目にあった架線柱を外すポジションに陣取り、静かに白帯編成を待ち受けます。やがて昨日と同じ光景が繰り返されます。遠くから赤い点が見え、やがて塊となってどんどん近づいてきます。今度は絶対外さないと、心に誓いながらシャッターを切ります。

Img_6724Img_6731Img_6732Img_6725 白帯車は名鉄車独特のミュージックフォンを鳴らしながら駆け抜けていきました・・・・。

昨日と同じ島氏永駅のホームのベンチに座り昨日と同じように先ほど撮影したカットをチェックします。撮影した写真には正直、不満も残ります・・・。が、自分の中でやるだけやったという満足感も残りました。

Img_6728Img_6733  「ありがとう、パノラマカー・・・」

というセリフを自然と口ずさんでいました。

これから一宮に出てJRに乗って帰路につきます。今からだと9時過ぎには自宅に戻れるかな・・・。久々の達成感ですこし心も軽くなっているようです。

                                                                                                   


パノラマカーへの長い道(1)友よ、ありがとう・・・

2008-12-21 22:58:52 | 旅行記

12月13日(土)

前日の深夜に徳島を出たバスは、早朝5時過ぎに人気のない名鉄バスターミナルに到着。パノラマカー引退まで2週間となった今頃になって、ようやく名古屋の地を踏む事が出来ました。これから2日間、我が国の鉄道史に残る名車、名鉄7000系パノラマカーの姿を写真と自分の記憶に焼き付けようと思います。

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名鉄名古屋駅(私には、新名古屋という呼び名がぴったりするのですが)の窓口で2DAYフリー切符を購入。本線東側のパノラマカーの運用を追いかけ東岡崎まで足を伸ばします。薄暗い東岡崎のホーム端で目当ての電車を待っていると目一杯ライトをハイビームにした7000系パノラマカーが進入してきます。撮影したカットは予想通りつぶれています。パノラマカー撮影としてはおそらく最後となる今回の撮影行の初っ端がこれでは先が思いやられる。暗澹たる気分に陥りそうになりますが、ここでめげている暇はありません。幸い当列車は、長時間停車の後、伊奈行きの各停に変わります。先発電車で出来るだけ先行して、次なるポイントで待ち受けねばなりません。とは言え、どImg_6206こで撮影して良いか見当も付いてはいなかったのですが・・・。本宿で同業者数人が下車するのを見て、私もその跡を追います。ここの名古屋よりホーム端でスタンバイしていると、子供の頃から絵本や図鑑で知っている赤い電車がやって来ます。ようやく1枚まともなカットを撮影出来ました。

次は、名古屋方面に引き返します。岡崎公園下車、徒歩5分ほどの国道248号橋上からねらいます。長い国道橋の歩道上には数人の同業者が等間隔で岡崎方面から来る電車(先ほどの伊奈行きの折り返し)を待ち受けます。やがて4両編成の短いパノラマカーは静かに、滑るように鉄橋を渡っていきます。ファインダー越しに映る華麗な姿に思わずみとれてしまいます。

Img_6295 Img_6298_2                                                                 Img_6302Img_6312撮影したカットは、もう少し電車を下にして、空を広くすべきだったと反省しましたが、これで良 しとしましょう。あんまり突き詰めると胃が痛くなるから・・・

Img_6344急行で名古屋方面に向かいます。先ほど撮影した電車を途中で追い抜きましたので、先回りする事にします。今度は犬山線に入ります。布袋駅で下車して先ほど追い抜いたパノラマカーを待ち受けます。

正面に光が当たっていない中途半端なカットになりましたが、これで良しとしましょう。あんまり突き詰めると胃が痛くなるから・・・

本線に戻り、Img_6372Img_6392須ヶ口駅にて岐阜方面からやって来る白帯編成を待ち受けます。特急運用時代を思い起こす凛々しい姿です。「今度はこの編成の走行写真をモノにしてやるぞ!」と決意新たに向かったのは、島氏永駅徒歩3分のポイント。お立ち台通信掲載の撮影地だけあって、大混雑。後から来た私は、同業者の肩越しに遠慮がちにレンズを向けます。やがて、正面にばっちり光の当たった白帯車がやって来ます。バス一台分の人数のカメラマンが一斉にシャッターを切ります。私も心の中で「やったー!」と勝利の凱歌をあげます。お目当ての白帯車が遠ざかると、同業者さん達は、皆さん満足した表情で去っていきます。わたしの表情もその時は、朗らかだったImg_6434のでしょう・・・。島氏永駅のホームのベンチに座り先ほど撮影したカットをチェックするまでは。本日のベストカットの右隅に黒い縦線が入っている。何だろう?と目をこらします・・・。

<があーん!>架線柱に這わしている黒いケーブルがはっきりと・・・。

本来なら最高のカットになるはずが、ほんのわずか、レンズを左に向けていたらこんな悲惨な結果にならなかったのに。実に中途半端なカットになりましたが、今回ばかりは、これで良しとは出来ません。納得出来ません。今度ばかりは本当に胃が痛くなってきました・・・

ショックのあまり電車が来てもベンチから立ち上がる事が出来ませんでした。天気の良い午後だと言うのに、ひとりでホームに佇み続けました・・・。

                                                                                                                                                                                                      

あたりはもう夕闇に包まれようとしています。気を取りなをして直して、名鉄電車で東に向かいます。豊橋からはJRに乗り換え、浜松駅の一駅手前の高塚駅で下車します。そこで浜松在住のE上氏(大学鉄研同期)と1年数ヶ月ぶりに再会します。

前回の浜松訪問記→http://blog.goo.ne.jp/hally583/d/20071005

今回も彼の推薦する鰻の店に連れて行ってもらいます。今度の鰻も美味でした。値段も高かったですが・・・。

Img_6500鰻をつつきながら、E上氏が私に問います。「パノラマカーてのは、そんなに良いものなんかい?」と。私は「パノラマカーと言うのは鉄道趣味の世界で例えるなら、君が大学時代、青春を捧げていたおにゃんこクラブの会員番号4番から14番*位に匹敵するモノだから、追いかける価値はあるんだよ!」と主張すると、学生時代に鉄道趣味をキッパリやめて、以後鉄道趣味に批判的な氏があっさり納得します。「ほなけんが、そう言うのやから値打ちあるんやろう」と言ってくれます。E上氏が鉄道マニアの行動を理解する事は極めて珍しく、私は昼間の撮影失態の痛手を多少なりとも忘れる事が出来ました。友よ、ありがとう・・・。

そして、次に浜松に来たときは、浜松新名物の餃子を食べさせてね・・・・!

*E上氏は会員番号14番の熱烈なファンであった事を、その時不意に思い出した為で、他意はありません。学生時代、私は彼の隣の部屋に住んでいました。彼の部屋からは、朝から晩までおにゃんこクラブを中心とするアイドルの音楽が流され、知らず知らずのうちに憶えていきました。まさに<門前の小僧経を読む>状態でした・・・・。そんなわけで今でも19番目ぐらいまでは間違わずに言えます。言えても何の役にも立ちませんが・・・。


0系への長い道

2008-12-07 10:50:44 | 鉄道写真

  11月23日(日)勤労感謝の日

40Dの初陣を飾るべく*、岡山に車を走らせます。心の中でシャア少佐のように呟きます

「見せてもらおう、40Dの性能とやらを!」

*11/9の緑木検修場でのショットはテストですから・・・。

Img_6037 20世紀を代表する鉄道車両0系新幹線が引退するまであと1週間!世間一般も巻き込み、大きな話題になっているようです。駅にカメラを手にしたマニアやにわかファンが大挙押しかけている様子を映したニュース映像が、たびたび流されています。この私も、撮り鉄としては若葉マークが取れそうでとれないレベルですが、引退前に1枚くらいは0系の雄姿を収めたいという想いはあります。そう言うわけで、徳島の自宅を車で朝7時過ぎに出て、瀬戸大橋経由で岡山県に渡ります。今日は、山陽新幹線の高梁川鉄橋に向かいます。お立ち台通信vol.2の0系ファイナルガイドに掲載されているポイントを目指します。入り口付近に駐車スペースが無いため、少し離れた場所に駐めました。ガイドに書かれている小道は、ホントにこの道で大丈夫と思えるような、上空を覆う竹藪で薄暗くて、細く曲がりくねった道でした。その道の終点はお墓になっていました。てっきり道を間違えたと思いましたが。お墓の向こうに、少し開けたスペースが見えます。お墓を避けながら、開けた場所に出ると軽い感動に震えが来ました。新幹線鉄橋が見下ろせます!やがて100系こだまが目前を駆け抜けていきます。<本に出ているのと、同じ光景ですよ!(当たり前ですが)>。しかも、引退1週間前というのに、同業者の姿は無い!「お立ち台を独占だアー!」0系通過まであと2時間あります。それまで、ゆっくり待つとしましょう・・・・。

とは言え、静かだったのは、この時まで・・・・・。

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Img_6021 次から次へといろんなTypeの新幹線がやって来ます。500系は見かけましたが、元祖300系は2時間待っても現れませんでした。山陽区間では珍客なのでしょう・・・。

10分ほどすると、同業者が現れ始めます。1時間30分前に5人。1時間前に15人。30分前には私の前方に陣取るカメラマンを含め30人以上の同業者さんたちが、ネコの額ほどのお立ち台に固まって、0系通過のその一瞬を待ち受けています。

   

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やがて、その時がやって来ました。その場に居合わせた全ての人が、遠くに見えたヘッドライトの光を確認すると同時に、少しずつ大きくなっていく0系の姿に、全神経を集中させます。橋梁の真ん中を過ぎたあたりから、一斉にカメラのシャッターを切る音が付近に響きます。0系通過は一瞬の出来事でしたが、ファインダーを覗いていた私にとっては、この一瞬がスローモーションの様に感じました。このような感覚は、初めての経験でした。0系新幹線がN700等の新鋭車両と比して遅いのは事実でしょうが・・・・。2時間待った甲斐がありました。

ともあれ、40Dに機種をグレードアップしておいて良かった・・・!MAX秒速6枚の威力に感動!この性能がなければ新幹線の撮影は難しかった・・・・。

新倉敷でのお別れ

3時過ぎに新倉敷に停車する博多行き<こだま>を見送ることにします。駅のホームに上がると待機中のカメラマンがちらほら。その中には、さっきまで高梁川鉄橋のお立ち台にいた人も何人かいます。みんな、0系にお別れしに来ているんでしょう・・・。

新大阪方から思いの外ゆっくりと0系<こだま>がホームに滑り込んできます。ここで、後続の<のぞみ>に抜かれる為、しばらく停車します。先頭車付近では、マニアだけでなく、車内から出てきた一般の乗客や子供達を加えた大人数の人が記念撮影をしています。そうしているうち、稲妻のような<のぞみ>に一瞬にして抜かれると、乗客達はあわてて車内に戻り、新倉敷駅は静寂を取り戻します。発車時間が来て0系こだまがゆっくりとホームから離れていきます。

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立ち会ったギャラリー達は、視界から消えるまで小さくなっていく0系の姿を追い続けます。赤いテールライトが小さな点になって見えなくなるまで・・・・。

私にとっては、これが最後の別れになるかもしれないとの思いを抱きながら・・・・。

「さよなら、0系さん!ごくろうさま」と心の中でつぶやきながら、人気のない新倉敷駅の階段を下ります。

水島への寄り道

Img_6127 新倉敷からの帰り道、水島臨海鉄道の倉敷貨物ターミナルに立ち寄ります。こちらは、前回Img_6107訪問から15年?程間隔が空いてしまいました。前回訪問時はまだタンク車がヤード付近に多数居ましたが、いまや1両の姿も見えません。完全にコンテナ取扱駅となってしまいました。前回来たときには、繋がっていた(ように見えた)製鉄所方面へのレールも、切られていました。昔を知るものにとっては、寂しさを覚える、秋の夕暮れの貨物駅でした・・・・。