goo blog サービス終了のお知らせ 

しょぼい毎日

いつも理想はでっかいが、結果はしょぼい・・・。そんな日常を綴ってみました

秋旅(4)リベンジ大糸線

2008-10-22 23:56:07 | 旅行記

10月13日(月) 体育の日 

誰もいない宿のフロントに部屋のキーを返却して、外に出ます。あたりは真っ暗!時刻は午前5時を過ぎた頃。国道8号線を糸魚川方向に走ります。やがて平地は尽きて道は山肌にへばりつきます。親不知付近では、へばりつく斜面も無くなり断崖が続きます。ここからは桟道やトンネルの連続・・・・。鉄道では何度も通ったルートですが、一般国道を走ってみるとここが天下の険であることを実感・・・・。やがてささやかな平地に降り立ち糸魚川市街の手前にある姫川を前にして、進路を南に変えます。 

今日は始発から午前11時位までの間、大糸線の気動車を撮影します。今回の撮影行は、昨年大晦日に大糸線を撮影しようとして大失敗してしまった苦い思い出のリベンジという意味あいがあります。

http://blog.goo.ne.jp/hally583/d/20080101←2007年大晦日のアクシデント

今度こそ成功させたいという思いが強く、プレッシャーとしてのしかかって来ます。たかが趣味の世界なのに大げさなことですが・・・。少なくとも出来るだけ多くのカットを撮影したいと思います。

Img_5330遭遇第1回目 頸城大野駅の根知寄り平沢第二踏切にて糸魚川から来た一番列車を狙います。正面から狙ったのですが、駅を発車した列車はヘッドライトをハイビームにして接近してきます。思わず「こりゃあ、たまらん!」と悲鳴を上げます。正面を撮影したカットはすべて潰れて無残!見事に第一回目の遭遇は失敗に終わりました。が、ここでめげている場合ではありません。勝負はこれから・・・。

Img_5335Img_5334Img_5340

遭遇第2回目 先ほどの列車を追いかけます。ローカル列車の速度は信じられないくらい遅く、やがて追い越してしまいました。小滝駅手前の鉄橋で先回りして待ち構えます。思えば昨年末、雪で閉じ込められた因縁の場所を、今日はキハ52がたくましく通過して行きます。

Img_5348

Img_5358遭遇第3回目 小滝~平岩 鎌倉トンネルを出たキハ52は小さな鉄橋を渡ります。ここから一気に車で長野県側まで出てしまいました。が、中土付近で撮影ポイントを物色しているうちに、お目当ての列車が通り過ぎてしまいました。2度目の失敗!ショック大です。

Img_5374

Img_5365

遭遇第4回目 これ以上の失敗は許されません。新潟側の平岩駅付近に戻り折り返し列車を今度はじっくり狙います。今度は成功!クリームと朱色の国鉄色気動車が緑と青空に映えます・・・・。来て良かった!

Img_5366_2

Img_5377

遭遇第5回目 再び長野県に入ります。北小谷駅北側の細い道を車でたどると、やがて道は途絶えます。その付近から線路の見えるところまで歩いて、南小谷行きを狙います。まもなくして、周りの緑に溶け込むようにして青色キハがやってきました。

Img_5389遭遇第6回目 北小谷駅北側から出ている細い道は途中高度を上げ、視界が開けたポイントに出ます。雄大なパノラマを模型のような1両編成のディーゼルカーがやってきます。

Img_5395

遭遇第7回目 

さきほど北小谷で撮影した列車を小滝駅で追い抜いてしまいました。小滝駅北側でもう1カット撮影できました。車を使う効果を実感します。

Img_5415Img_5409

遭遇第8回目 根知駅南側の直線区間で糸魚川から来る青キハを待ち構えます。この撮影で今回の大糸線撮影の最後となります。

あと1両ある朱色のキハは撮影出来なかったけれど、、おもいきり大糸線(北側)を楽しめました!昨年末のモヤモヤがこれですっきり・・・・!

さて、これからレンタカーを返却する為に、魚津まで戻らねばなりません。でもその前に、途中どうしても寄り道したいポイントがあります。電化セメント青海工場の専用鉄道です。当地では今春のダイヤ改正でImg_5425JRを使ったセメント出荷は無くなりましたが、工場奥の方から専用線が延びて、現在でも採石所間で原石輸送を行っているらしいとのこと。わずか2㎞足らずの距離を機関車が、わずか2両のホッパ車を引いてピストン輸送しているスタイルが、効率的なのだろうかという疑問が湧きます。将来的に続いていく輸送方法ではないような気がします。現地に行ってみたは良いが、既に線路は剥がされていたと言うことも考えられます。が、とにかく行ってみます。工場に沿った公道を山手に走らせると、踏切が見えてきました。踏切付近では貨車やダンプから落ちた石灰粉が踏切のセンサー?にこびりつくのを防ぐためか、スプリンクラーから水を激しく撒き続けています。線路も錆びてはいません。どうやら鉄道による原石輸送は健在の様です。これだけでも収穫です。元々今日は祝日。原石列車の運行は期待していません。引き返そうとした思ってもう一度付近を見回すと三脚にビデオカメラをセットした同業者を発見。思わず駆け寄り、「今日、動いているんですか?ここ」初対面で挨拶もそこそこ(失礼しました)に質問攻めにしてしまいました。彼によると30分前に1往復して帰って行った。次は何時来るか分からないが、待つしかないとのこと。

原石列車が見れたら、どんなにすばらしいことか・・・・。可能性に賭けてみよう。

それからは、線路端でひたすら待ち続けました。やがて正午のサイレンが鳴り、工場と採石所はお昼休みに入ります。この瞬間、望みは潰えました・・・・。もうこれ以上の時間、この地にとどまることは、スケジュール的に不可能です。結果的には1時間ほどロスになり、当初予定していた越中宮崎付近での撮影が出来なくなりましたが、悔いはありません。ささやかな夢が見れて良しとします。

昼からも頑張るという同業者さんに挨拶して、魚津方面に戻ります。復路は北陸自動車道に入ります。往路の一般国道を通行した際は嶮しい道のりでしたが、復路の高速道路は山を捨て、海上に橋脚をたて難所をPASSしていきます。あっけなく県境を越え、富山県に戻ってきました。

F1000128F1000127レンタカーを返す為、魚津の市街地に入ると、行列の出来ているラーメン店を偶然発見!昼飯が未だでしたので、私もその列に加わります。20分ほど並んで13席ある椅子に座ることが出来ました。注文する人はほとんど味噌野菜ラーメンを注文しています。私もそれに倣います。並んでからトータル40分掛かって、注文したラーメンが目の前に出されました。

↑写真 山久ラーメンと味噌野菜ラーメン(750円)

太い縮れ麺が白いあっさり系スープに絡まり、絶妙のコンビネーション!野菜の甘みが、もともと上品なスープをさらに上質にしています。正直驚きました。ここまでおいしいとは!日頃、濃いスープのラーメンを食べる事が多く、このような上品な味は新鮮です。本来なら、ゆっくり味わいたいのですが、レンタカーの返却時間が迫っていますので、口の中をやけどしないようにしながら、熱々のラーメンをかきこみます。レンタカー返却まであと12分!
今日は、時間との戦いの連続です。


秋旅(3)新潟で想う<たまには自分を信じなさい>

2008-10-20 23:59:24 | 旅行記

10月12日(日)

新発田駅前のビジネスホテルをチェックアウトして、JR羽越線に乗りこみ京ヶ瀬駅に向かいます。お立ち台通信に掲載されていた阿賀野川鉄橋で貨物列車を狙います。お立ち台通信では駅から徒歩30分とありましたが、京ヶ瀬駅東側の線路に沿った農道を歩けば相当のショートカットになります。鉄橋のたもとまで10分(小走りですが)で到着。ようやくたどり着いた阿賀野川堤防上からの眺めに、気分が高揚港するのが自分でも分かります。完成時、日本一の長さを誇った長大鉄橋は、遮るもの一つ無く見通しの素晴らしいこと!線路寄りには、重装備の大学生風同業者2名がスタンバImg_5095イ中。ビデオを回している様だったので、少し離れて準備します。間もなく新津方面からEF81に引かれた4061貨物列車が遥か向こう岸から鉄橋を渡ってくるのが見えます。朝日を浴びて極めてゆっくりと近づいてきます。そんな姿を収めるべく、夢中でシャッターを切ります。どうにか、晴天の下で貨物列車を撮影することが出来ました。
 この後、この付近を10分ほど間を置いて4075列車が来るはずですが、貨物時刻表によれば日曜日運休と出ています。出発日を基準にするなら、土曜夜出発のこの列車は来るはずですが、3連休の中日の今日は来るかどうか自信ありません。横で高級機で撮影していた2人組同業者サンは撤収準備。「貨物、このあと来ませんか?」と声を掛けると、「もう来ませんよ。僕たちは、もう帰ります。じゃあ・・・」と言い残し去っていきました。高級機を駆使して、マニア度の高そうな方の言う事なので、そうなのかと思いました。ちょっと引っ掛かるものは、ありましたが<ありがたい、情報をいただいた。川べりで無駄に待つ事もこれで無くなった>と2人に感謝していました。Img_5106もう来ないのならと、私も阿賀野川のお立ち台を引き上げ、来た道を引き返します。先の貨物通過から10分ちょうど10分ほど経った頃、後ろの方の踏切がなり出します。この時間に通過する旅客列車はありません。間違いありません。ウヤ(運転中止)と思っていた4075列車です。その事を悟った瞬間、後悔の念が猛烈な勢いで自分の心を満たしていきました。あわててImg_5107線路際に駆け寄ります。がカメラを充分構える間もなく、目の前をF級電機の巨体がモーター音を唸らせ通り過ぎていきます。
<やられたー!>
お立ち台で待っているべきでした。他人の話を信じ過ぎるのも考え物です。もう少し自分の知識や判断に自信を持つべきでした。高級機に対するコンプレックスもあったかなと、反省してみます。
Img_5142京ヶ瀬駅に戻り、新津で新潟行きに乗り換え久しぶりの新潟駅入りとなりました。新潟駅では SL「磐越物語」の出発場面に出くわし、C57の雄姿に見とれます。いつか、走行写真を撮影してみたいとの思いが湧いてきます。
新潟駅から白新線で一駅先の東新潟へ向かいます。
Img_5227本日のメインイベントJR貨物東新潟公開イベント
←EF510-2はHM付
Img_5260
Img_5255
←「何でも見て下さい」とばかりにDD51は全ての点検ハッチを開けて、見学者にメカニックを見せつけます。
Img_5278
←体験添乗で構内を走り回るDD51-756                                                    Img_5195
       お祭りらしく、EF81-502、EF64-1006、DD51-759の横並び
Img_5187
←雪国らしくロータリー車 DD53
Img_5179←哀れ、解体された機関車の車体が魚の切り身のように売られていました。自宅で、どうやって飾るのだろうか?
Img_5295
会場に居られたのは、1時間ちょっとでしたが、結構楽しめました。ごくろうさまの看板が会場を出る見学者を見送ります。こちらこそ<ありがとうございました>。
Img_5321新潟駅からは、越後線の普通列車に揺られ 2時間かけて柏崎へ。日本海に近いところを走っているはずなのですが、海は見えそうで見えません。結構、単調な景色が続きます。柏崎から特急<北越>に乗り換え、今度は日本海をずっと右手に眺めながら富山県を目指します。日本海の波はあくまで高く「天気晴朗なれど、波高し」を地でいっています。
F1000133 魚津駅で下車し、この地でレンタカーを借ります。今夜の宿はJR北陸線越中宮崎駅にほど近い、朝日さざ波温泉「地中海」。リゾート風な名前と違い、地味なビジネス旅館でしたが、全室から日本海が見えるのが売りです。が私は別の理由で大いにここが気に入りました。
「フロントにあるお詫びのプレートが、その答えだ!」
この宿の裏手。すなわち客室側から手を伸ばすと届いてしまうほどJR北陸線に近い!列車が通るたびに、轟音が響きます。一般のお客様には、迷惑でも、鉄道マニアには実にたまらないお宿なのです。貨物や特急。ブルトレが昼夜の別無く通過して行きます。私は、別の意味でなかなか眠れませんでした。布団の中で、今通った列車は何だろうとつい考えてしまいましたから・・・
ここには、2階に露天風呂があり、遠くの方からヘッドライトをハイビームにした<はくたか>が猛スピードで近づいてくる様を湯船に浸かりながら、眺めることが出来ます。満足、満足!

秋旅(2)消えゆくブルトレと誕生する電車に立ち会い、西方に思いをよせる

2008-10-19 23:10:35 | 旅行記

10月11日(土)

K池氏のマンションを出ると、外は小雨模様。午後から天気回復という予報を信じて、JR東海道線藤沢駅に向かいます。最後の東京口ブルートレイン「フジブサ」(はやぶさ+富士併結列車)撮影するためです。お立ち台通信に掲載されていた藤沢駅東1.5Km地点までてくてく歩いていきます。目的のお立ち台には、既に重装備の同業者1名がスタンバイ中。了解を得て隣に陣取らせてもらいます。「フジブサ」を待つ間、同業者さんと世間話(マニア話)に興じます。大阪から来たという同業者サンの言う事には、「色々と東海道・山陽筋を渡り歩いたけど、ここ藤沢ポイントが一番!」と太鼓判を押されていImg_4886ました。

←例の231系のヘッドマーク付き団体電車の返しをキャッチ
その割に来ている人が少ない事を指摘すると「今日のカマ(EF66)は43号機で、人気がない機関車だからネ。関東の人は、何号機が引っ張ってるかが大事やから!」と分析してくれます。「さっきまでは231系のヘッドマーク付き団体電車を撮ろうと何人かいたんだけど、通過したら帰っちゃった。あっちの方がこっちの人(関東のマニア)にとっては魅力的みたい」これを聞いて驚きます。いくら珍しいヘッドマーク付き列車とは言え、所詮は通勤電車・・・。それなのに、ブルトレより優先するなんて、あり得ない・・・! 私との感覚の違いに少々戸惑いながら、人気のないカマを待ちます。
Img_4895
←人気の無い43号機に引かれた「フジブサ」
待った甲斐がありました。予定時刻より数分遅れで通過・・・。関東の方には魅力のないカマですが、私にとってはこの出会いは宝物となりました。同業者サンには待機中にブルトレ情報をいろいろと教えて頂きました。やはり、直接Img_4902人から情報を得ることは大切です。
が、これが万能の真理でないことを、後日知ることになります。
←撤収しようとしたら、こんなのもやって来ました。
Img_4904
湘南ライナーで大宮まで出て、上越新幹線に乗り込みます。三連休初日とあって新潟行き「とき」自由席は超満員!客室内はすし詰めの為、窓のない連結部で立ちん坊を続けます。高崎・越後湯沢でも解消せず終点までこの状態では・・・と思っていたら<浦佐>で多数下車してようやく着席できました。が失礼ながら<浦佐>のような小さな街で大量の下車客があるのが驚きでした。
長岡で在来線の「北越」に乗り換え新津へ到着。三国山脈を抜け日本海側に来たというのに、どんよりした雲が頭上を覆います。橋上化した新津駅北口から送迎バスに乗りこみ新津車両所を目指します。
Img_4944
Img_4994  Img_4997
Img_4932
Img_4934
                   ステンレスの板切れ(乱暴な表現ですが)で箱を造り、それにに配線をはわせ、ドアや天井を取り着け、シートを取り付け・・・。そういう風に、徐々に電車の形になっていきます。<見学者は、Img_5005電車が誕生する瞬間に立ち会える>様な展示になっています。
←工場外では、完成したばかりのE233が見学者を乗せて試運転しています。
Img_4985←鉄道工場見学の華は何と言ってもクレーンによる車体つり下げです。
解説の方のアナウンスによれば、車体つり上げより車体を正確に台車に下ろす方が圧倒的に難しく、熟練技術を要するとのこと。私が観た回は一発で決め、ギャラリーから拍手が・・・・・。それにしても電車のボディーが工場天井を移動する様は様はサンダーバード秘密基地かウルトラセブン極東基地内部みたいで、いつ見ても興奮します。
Img_4967←鉄道工場といえば、トラバーサーも忘れてはいけません。見学者を乗せて蟹のように平行移動を繰り返します。メーカー板が見あたらず、由来が分からなかったのが残念。
Img_5008
←キハE120もお披露目です。私的には、後ろのカラフルなスイッチャーに興味津々であります。
  現在は京浜東北線用E233しか作っていない新津車両所ですが、意外にも楽しめました。
それにしても、流れ作業で次から次、電車が製造されていく様は、昔みたガンプラのCMを思い出させてくれます。《ここジオン開発工場では次々とモビルスーツが開発されていた・・・》というナレーションが頭に浮かびます。もっともここで製造されている白いE233系は連邦軍のGMに似ているような・・・・。
新津車両所を後にして、新津駅から羽越線を北上します。中条駅で下車。今回の新潟紀行の目玉とも言える、伝説の濃厚温泉西方の湯>に向かいます。駅から乗り込んだタクシーの運転手さんに西方の湯に行くよう依頼すると「それどこですか?」との返事。思わず、言葉を失います。地元の認知度低すぎ・・・!住所地番を言い「ああ、あそこね」と頼りない言葉を返し、既に薄暗い新潟平野を海岸方面へ向かいます。
闇の中、どこを走っているのだろうという漠然とした不安とタクシーのメーターがどんどん上がっていく、直接的なサイフへの脅威が気分を滅入らせます。やがて、暗闇の中にほのかな明かりが。
ここが、全国の温泉通をうならせた、西方の湯です。それにしてもタクシー代2350円は痛い・・・。
フロントで500円支払い浴室へ。施設が必要以上?に巨大な為、少々廊下を歩きます。伝説?の温泉に入れるとあって子供の様にわくわくします。服を脱ぎ、浴室の戸を開けると「何じゃ、これ!」と叫んで、ただただこの温泉の凄さに圧倒されます。何がすごいって・・・。とにかくこの温泉、臭うんです!ずばり<アンモニア臭>!ひらたく言えば、便所の香り・・・・。
クレゾール臭、ヨード臭、アンモニア臭が混じっている。例え風邪をひいていて鼻が利かなかったとしても、くらくらしてしまう程に鼻を突く。湯の表面を黒い湯花が浮遊しているのが、ある意味不気味。お湯の色はほんの少しクリームを入れたコーヒー色。
とにかくこの温泉、ただものではありません。
Img_5056 内湯の外には岩風呂風の露天風呂が2つ見えます。照明が無いため、白い湯船と黒い湯船があるように見えました。私は、外の出て白い方に飛び込みます。飛び込んだのは、2本ある源泉の成分の薄い方と思っていました、が・・・・、何の感触もない。狐につままれる思いとはこのことです。あまりの暗さのため分からなかったのですが、お湯が張られているのは1つだけ。私が飛び込んだのは、お湯が無い浴槽でした。トホホです。隣の黒い湯のお風呂に改めて入り直します。少し身体が温まり、周囲を見回します。内湯の明かり以外の灯はありません。ここまで暗いとすこし気が滅入ります。と雲が切れて月の光があたりを照らします。驚いたことに巨大な像が起立しています。親鸞像だということです。15m(文献によっては40mとの記載も!ウルトラセブンと同じ身長や!)本来ならありがたいお姿なのでしょうが月明かりに浮かぶシルエットは奢れる現代人を懲らしめようとする、魔神かエヴァンゲリオンの使徒に見えてしまうのは、私の心が病んでいるからでしょうか・・・。罰当たりな自分を反省しつつ、温泉を出ます。Img_5062 Img_5067         Img_5075               ←温泉ねこ 1歳の<もも> いつの間にか脱衣場に入ってきて、人なつこくすり寄ってきます。相手にされないと駕篭に入って「かまって、下さいニャー」と拗ねた仕草をします。私としては、ついつい構ってしまいます。彼女に気に入られた?だけでも来た甲斐があった!?
ともかく、これほど過激、もとい個性的な温泉は全国屈指と思われます。温泉通を自認する方は、一度は入浴すべき温泉と思われます。また施設自体もユニーク(ちぐはぐ)でありTV番組「探偵ナイトスクープ」で時々取り上げられる<パラダイス>の範疇に明らかに入ると思われます。
フロントで帰りのタクシーを呼んでもらい、JR中条駅へ。帰りのタクシーの運転手さんは来たときと同じ方でした。「私は、最近当地に来たばかりで実はまだこの土地をよく知らないんです。でもお客さんのおかげで<西方の湯>を知ることが出来ました。勉強させてもらいました。」嬉しそうに話しかけて来ます。私は心の中で<そんなこと言うなら、タクシー代もう少し勉強してよ!(まけてください)>叫んでいました。だって入浴料500円に対して往復約5000円の交通費はバランス悪すぎですもの・・・。とはいえ
貴重な経験でした。

そう考えれば、今日の出来事は全て愉快に思えてきました。
今日は新発田に戻って、明日に備えます。

秋旅(1)20世紀の光景を求めて

2008-10-18 23:57:12 | 旅行記

10月10日(金)

今日から4泊5日の予定で旅に出ます。

高速鳴門で神戸方面行き始発バスに乗りJR新神戸駅へ向かいます。

Img_4692 ←新神戸駅で西進する0系「こだま」と遭遇。「20世紀の残照。0系が見られるとは!こいつは幸先よい」と一人喜んでいました。

8:25分発、ひかり364号に乗車し、静岡を目指します。久しぶりの東海道新幹線ですが、車内で爆睡!目が覚めたのは静岡到着直前。新幹線を降りても頭の中は、なかなか目覚めてくれません。

Img_4700 静岡から在来線に乗り継ぎ吉原へ。西側の跨線橋を渡るとそこは岳南鉄道の乗り換え口。左に見える緑の電車は、京王井の頭線デハ3000形の中間車を改装・運転室を設けた8000系「がくちゃん かぐや富士」(長い愛称)。右奥に見えるは、元松本電鉄のEO403号車電気機関車。ここでは、日本では絶滅寸前の私鉄貨物輸送を行っています。そして、これから訪れる比奈駅ではおそらく最後の突放*が行われています。これを見るために、私は駿河まで来ました。

*突放入換とは、入換機関車が推進運転で貨車の列を加速した後、列の途中の連結器を解放する。その後、機関車は急ブレーキをかけると、解放された先頭側の貨車は、慣性で走り続ける。貨車に添乗した構内作業掛が、突放された貨車のブレーキを操作し、貨車を目的の位置に停止させる一連の作業。端から見ていると、ひとりでに無人の貨車が走ってくる様である意味不気味・・・。いや不思議・・・。

Img_4709比奈駅を降りると、駅舎側に留置してあったチョコレート色のクラッシックな機関車ED501*に運転士が乗り込むのが見えました。これから入れ替え作業が始まる模様。なんと良いタイミングでしょうか!

*昭和3年川崎車両製で上田温泉電軌でデロ301号として使用。昭和40年三河鉄道へ譲渡後に名古屋鉄道へ入籍、ED501となった。昭和45年岳南鉄道へ譲渡。とても現役とは思えない、文化財級の機関車といえる。

Img_4746  ←動き出した貨車に、係員がしがみつき製紙工場内に運ばれていきます。

Img_4749

←機関車が工場内にワムを押し込んでいきます。

Img_4751

←貨車の入れ替えを縫うように、「新赤がえる」7000系電車がやって来ます。(同じく京王井の頭線デハ3000形改造車)

Img_4739 Img_4741 ←係員をステップに乗せたED501が工場から出てきます。

Img_4778←比奈駅隣接地に放置されているなぞの廃車体群

先ほどの作業は、普通の入れ替え。見たかった突放ではなかったけれど、車扱い貨物全盛期を彷彿とさせる作業でした。今が21世紀とは思えない、昔ながらの作業を間近で見ることが出来て大満足です。

Img_4847JR吉原に戻り、沼津に向かいます。ここで御殿場線に乗り換え。富士の裾野を越えていきます。松田にて途中下車。ここで小田急「新宿」直通特急<あさぎり6号>に乗り換えます。JR松田と小田急とはごく短い短絡線によって結ばれています。ここを通る列車は<あさぎり>4往復のみ。この短い短絡線を乗車しないことには、<日本の鉄道全線完乗>を達成できません。よって、<あさぎり>乗車は、この旅行の要でもあります。JR松田駅で切符を購入すると、硬券2(乗車券+特急券)と磁気券1(座席指定券)の計3枚出されてびっくり・・・・!

JRの駅で硬券が発券されるとは・・・。今が21世紀とは思えない!

↓JR側駅舎から短絡線方向をのぞむ。左側の線路が急カーブを描いて小田急線に接続する。

Img_4860

このクラッシックな硬券で乗り込む電車が、未来的なデザインをしたJR東海371系電車です。この電車、タマゴを彷彿とさせる柔らかなフォルムを持ち、デザイン的にはJR特急の最高峰だと(私は)思います。同じ区間を乗り入れているケバイ塗色(私の主観)の小田急20000系電車より洗練されていると

Img_4865

車内も外装と違わず、登場当時JR東海が、いかに気合いを入れたかが分かるものとなっています。これだけ素晴らしい電車でありますが、量産されずわずか1編成しか作られませんでした。少数派故、消えるのも早いかもしれません。それまでに撮影したい列車です。雪のかぶった富士山をバックに1枚ものにしたい・・・。そんな望み(欲望)が湧いてきます・・・・。そんなことを考えている内に、新宿の高層ビル群が見えてきました。いつの間にか、知らないビルが増えています。

新宿からJRに乗り換え上野駅へ。Img_4874上野駅のコインロッカーに荷物を詰め込み上野公園に向かいます。先ほどまで激しく降った雨は上がった様ですが、陽はとっぷり暮れています。公園内は結構人通りも多く、賑やかです。7~8分歩くと目的の東京都美術館に到着しました。「フェルメール展 光の天才画家とデルフトの巨匠たち」を鑑賞します。今回の旅の行程で外せなかったのが<これ>!金曜日のみ8時まで開館(入館は7時30分)を利用して、かねてよりの念願を果たします。17世紀オランダの画家フェルメールは、現存する作品がわずか三十数点しかありません。この少ない作品のどれもが、西洋美術の至宝と呼んでもよいものなのですが、今回この展覧会に以下の7点が出品されています。

・マルタとマリアの家のキリスト
・ディアナとニンフたち
・小路
・ワイングラスを持つ娘
・リュートを調弦する女
・手紙を書く婦人と召使
・ヴァージナルの前に座る若い女

寡作な作家の作品、30数分の7が一度に集まるのですからこんな機会は滅多にありません。このようなわけで、遠くまで来てしまいました。本来なら海外の美術館に足を運ばなければならないのですから安上がりだとも言えます。

とは言え、今回はフェルメールの代表作といえる作品は来ていません。予定されていた<絵画芸術>は画が傷む恐れがあることからオーストリア政府から国外持ち出し許可が下りませんでした。ヒットラーが欲した、この絵を見てみたかった。こうなればウィーンに行くしかないんですが・・・。いったい、いつのことになるだろうか・・・・・?

光の魔術師の秘密を少し覗くことが出来ました。ともかく1600円の価値はありました。

願わくば<真珠の耳飾の少女> <牛乳を注ぐ女>の様な代表作が、いつかまた日本に来て欲しい・・・・*

*2000年以降、両作品とも日本に来ていました。このころは、絵画から遠ざかっていたとは言え、残念・・・・!2004年に神戸に、現在は国外禁止の<絵画芸術>が来ていた事を後で知り大ショック。

さて上野から秋葉原に電車で移動します。鉄研同期で現在単身赴任中のK池氏と待ち合わせ、何故か手羽先屋さんで再会を祝います。そこでジョッキを傾けながら、昔の鉄道談義に花が咲きます。K池氏も私も貨車を趣味とした仲間同士です。あそこの駅は撮影させてくれなかった。敷地外から撮影していたら、くず鉄泥棒と間違われてしまった等、今となっては懐かしい思い出話ばかりが出てきます。そして話の最後に「もう21世紀になってずいぶん経つからね。いままでよく車扱いの貨物輸送が残ってきたと思うよ・・・・。でも、もう貨車の趣味は終わってしまったな・・・。本当に・・・」という寂しい言葉を合図に、ささやかな宴は終わります。今夜は、東武「五反野」付近のK池氏のマンションに泊めてもらいます。思い出話が過ぎたのか足元が頼りない帰路となりました・・・。


Deep 高知

2008-05-09 21:50:45 | 旅行記

5月3日(土) 憲法記念日 

GW後半がスタートします。ここ十年、北海道や九州は何度も訪れていますが、距離的に近い高知市以西(正確には伊野以西)は鉄道では20年以上。車でも10年以上訪問していません。私にとっては心理的に、遙かなる地となっています。

海陽町のアパートを車で出発したのが6時45分過ぎ。旧宍喰町の海岸はサーファーで埋め尽くされていて、びっくり・・・・。ものすごい数の人の頭が波間に浮かんでいます。そして素人の私が見ても、素晴らしい波が打ち寄せています。普段は静かな田舎町ですが、この時期、海岸は賑やかになります。東洋町から室戸岬にかけて海岸には次々と高波が打ち寄せています。そんな風景も、室戸岬を西に回り込むと一転して波のない穏やかな表情に変化します。同じ太平洋とは思えません。海岸沿いの国道55線をひたすら走り、土佐くろしお鉄道奈半利駅へ。

本日は、瀬戸大橋線開業20周年記念「四国鉄道まるごとパス」という期間限定トクトク切符を使います。JRの他四国の私鉄全線の普通列車が乗り放題という優れものです。

Img_3776 Img_3775奈半利駅前は、パークライドを意図しているのでしょうか。車が駐車出来る様になっています。今日は、ここに車を置き、高知西部まで乗り鉄を楽しみます。8時54分の高知行きに乗車します。太平洋に沿って素晴らしい景色が展開するのですが、前夜の寝不足がたたり、爆睡します。気が付けば、3月に高架化なった高知駅直前でした。元々ホーム2面3線でコンパクトな駅でしたが(後ろに車両基地はありましたが)、高架になってもっとコンパクトになったような気がします(2面4線で発着線は増えているのですが)。全体をドーム状に覆ってしまったので薄暗く感じますが、上下エスカレーター完備、自動改札機導入など昔を知るものとしては、驚きを隠せません。

土佐電鉄市内電車で桟橋車庫へImg_3777Img_3819。昨年に引き続き「電車の日」のイベントを見に行きました。

Img_3785

Img_3791

昨年も来ているので、特に目新しいモノは無しか、と思っていましたが、さにあらん。

本社ビル3階で部品と模型展示をしていました。Img_3798Img_3800Img_3797

HOサイズの模型は力作揃い。時間を忘れて見入ってしまいます。

Img_3805←ポカリスエット号のモデルに釘付けになります。数年前、デビューしたての綾瀬はるかとポカリスエット号が併走するCMがありましたが、モデルの方も電車を追いかける<綾瀬はるか>が居るでは無いですか・・・・!Img_3815Img_3783

←今年の目玉は、 オーストリア市電の本線走行でした

Img_381011時59分高知発窪川行きに乗車します。1000系気動車は当初は満員でしたが伊野を過ぎる頃には全員が着席出来るようになりました。

車内が空いてきたところで缶ビールを空け、コンビニ弁当で昼飯をとります。その後、先ほど土佐電鉄車庫で購入した<ごめん煎餅>を袋から取り出し、頂きます。昔ながらの甘い味と歯触りを楽しみます。

須崎から土佐久礼までのわずかな間ですが土讃線より太平洋が望めます。土佐久礼からは、これまでと打って変わり山間に分け入り、一気に高度を稼ぎます。高知からおよそ2時間掛けて窪川に到着。

Img_3840さて、ここからが中村まではの旧国鉄時代に乗車しましたが、後で開通した宿毛線部分は未乗です。今日は土佐くろしお鉄道中村・宿毛両線に乗車します。

窪川からの接続がきわめて悪く、次の中村行きは1時間半余り待たされます。

Img_3823ホームを見渡すと予土線のトロッコ列車が入線しています。先発の宇和島行きです。これに乗り込み一駅先の若井駅を目指します。

Img_3849時刻表上は、予土線と中村線の分岐駅となっていますが、自動販売機も公衆電話も無いほんとに寂しい駅です。逃げ出す様に、後から来た中村行きの列車に乗車します。

予土線と中村線は、実際には中村寄りの川奥信号所で分岐します。 

Img_3855Img_3853Img_3854  ←川奥信号所で対向列車待ち合わせ

Img_3857

土佐佐賀からしばらくの間太平洋を見下ろしながら走ります。遙か西を望むと足摺岬が微かに望めます。

中村駅で乗り換えImg_3865。この駅でも接続が悪く、1時間弱待たされます。とは言え、その間付近を探検、じゃなかった、散策。

そして、最終目的地の宿毛行きに乗り込みます。接続する特急南風を待って出発。4両編成の特急を受けた、1両編成の列車は、終点まで満員でした。

Img_3881四国の西の端の宿毛に到着。ここから2㎞ほどの港からは九州行きのフェリーが出ています。思えば遠くに来たモんです。

←駅の終端部分は、2005年に起きた列車が駅舎を突き破ってしまう痛ましい事故により、その姿を変えてしまいました。開通当初は二階部分は丸い窓でしたが、修理の際、四角に改められました。

折り返し時間を利用して駅近くのコンビニで弁当を購入。せっかくの旅が貧相になってしまいますが、時間の制約があり、結局こうなってしまいます。

Img_3887

←線路と川をまたいで鯉のぼりの列が宙を力強く泳いでいます。

窪川より最終の「しまんと」に乗車。普通列車で最後まで旅を続けたかったのですが、時間的に難しく、窪川~高知間のみ乗車券と自由席特急券を購入します。

Img_3891さすが特急!早かった。普通で2時間掛かるところを1時間。高知からは、接続よく奈半利行き最終列車に乗り継ぎ、今回の旅終了。四国は思いの外に広く、また旅情をそそる・・・・。意外な発見でした。それにしても宿毛は遠かった・・・・。