松岩寺伝道掲示板から 今月のことば(blog版)

ホームページ(shoganji.or.jp)では書ききれない「今月のことば」の背景です。一ヶ月にひとつの言葉を紹介します

あかあかや あかあかあかや あかあかや あかあかあかや あかあかや月

2017-11-01 | インポート

あかあかや あかあかあかや あかあかや あかあかあかや あかあかや月  明恵上人

 

寝る前に読む 一句、二句。 - クスリと笑える、17音の物語 -
夏井 いつき,ローゼン千津
ワニブックス

関東地方ではTBSテレビで木曜夜7時からはじまる、「プレバト」を見ています。ぜったいに見るかというと、そうではなくて、その時にテレビをつけていたら見る程度のファンです。なんて言っちゃって、テレビなんてあまり見ないけれど、見るときもあるんでよー、と少しばかり斜にかまえたりして。
プレバトの何を見るかというと、夏井いつき先生の俳句の添削に「さすがー」と思いながら、ビールをのんでいます。
今回、これを書くために夏井先生の略歴を調べたら、愛媛県の南宇和島郡の出身なんですね。愛媛県は俳人の宝庫です。ご存じのとおり正岡子規は松山だし、河東碧梧桐は子規より六歳下で松山藩の朱子学者の家に生まれてます。現代でいえば、坪内稔典なんて俳人もいる。ついでに言うと、俳人ではないけれど、昭和50年代に大徳寺派の管長をつとめられた中村祖順老師は西宇和郡三崎町の出身です。八幡浜市を中心にして五十キロ半径の円を描いてみれば、偉人変人俳人の宝庫ではないのか。
さて、今月の言葉は明恵上人(1173~1232)の和歌です。明恵は鎌倉時代初期の華厳宗の高僧です。五七五七七で俳句ではないけれど、もしかして夏井先生が添削したら何というだろうか、とにんまりしてみます。
明恵は月の歌人といわれるくらいで、月を詠んだものが多くあるようです。たとえば、
「山の端に/われも入りなむ/月も入れ/夜な夜なこどに/また友とせむ」
 でも、やっぱり「あかあかや」の句は出色ですね。上人の人柄そのもののよう。
 明恵上人って不思議で面白い人だから、逸話も面白いものがたくさんあります。たとえば、毎晩見る夢を丹念に書き残していたとか(『夢記』)。
あるいは、釈尊の生まれ育ったインドへの渡航を計画するが、それがかなわぬと知ると、住職していた栂尾・高山寺の山中の各所に、インドの仏跡の名をつけ、そこを巡るのを晩年の日課としたなど。
「あかあかや」の句は本当ならば十月に掲載するべきでしょう。でも、十月には伊集院静の小説の文句がタイムリーだった。それに、十月は雨ばかりで月もほとんど見えなかったから、十一月にしたという、後から考えた言い訳です。

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