武本比登志の端布画布(はぎれキャンヴァス)

ポルトガルに住んで感じた事などを文章にしています。

043. 油彩作品デジカメ撮影 Câmara Digital

2018-11-07 | 独言(ひとりごと)

 油彩作品の写真を撮る。
 デジカメで撮るようになって格段に便利になったものだ。
 それまでは油彩作品はスライドで残していた。
 一眼レフカメラのフィルムをネガからスライドフィルムに入れ替えたり、また、スライドフィルムはセトゥーバルではなかなか手に入らなかったりと結構大変な作業だった。無駄もでる。
 写り具合は写真屋さんから貰ってきてからでないと判らない。
 それも1週間から2週間程もかかる。

 作品写真はアナログ時代もそうであったが、狭いベランダで撮る。
 我が家は日本式にいえば4階、しかもエレベーターはないから階下まで持って下りるのは重労働だ。
 天気の良い日を選んで、作品に陰が写りこまないように午後からと決めている。
 しかも夏はベランダ自体が陰になってしまうから、秋から冬の間しかチャンスはない。
 ベランダで30号まではなんとか撮れるが、50号と100号は階下まで運ばなければならない。
 デジカメで撮るようになってからもそれは同じだ。

 階下の裏側に回ればガレージがある。
 ガレージの前の壁は広くて南向きで日当りが良い。
 光沢のない上品なベージュ色に塗られていて、作品写真のバックとしては最適なのだ。

 でも4階から階段を下ろしてその場所まで100号を運ぶのには力がいる。やはり歳には勝てなくて、そんなところで体力の衰えを感じたりしている。

 写真はレンズを通すわけだから、ある程度は離れて撮らないと歪みが生じる。ズームなしで撮ると真ん中が膨れてしまう。
 一眼レフでいうと105ミリ程度の望遠で撮る感覚だ。デジカメなら3倍ズームといったところだろうと思う。
 被写体(作品)の真正面にレンズが来るようにしなければまた歪む。それは左右も上下も同様だ。要するに作品の中心から直角の延長線上にレンズがある必要があるわけだ。

 一眼レフの時はレンズをなるだけ絞り込んで、シャッタースピードを思いっきり遅くする。手ぶれ防止にもちろん三脚は必要だ。それできめの細かいところまで撮れる。

 デジカメにもその様なマニュアル機能は付いているのだが、そこまではしない。オートフォーカスでストロボ発光がしないようにして撮るだけだ。デジカメは機能が多すぎて使いこなせていないだけなのだが…。

 作品は油彩だからピカピカしているから、ストロボが発光すると作品はハレーションを起こす。
 太陽光でも角度によってはハレーションを起こすから、ファインダーを通して確認しなければならない。

 撮った写真をパソコンに入れる。
 僕はデジカメを始めた当初から「蔵衛門」というオリンパスのソフトを入れている。
 最初に買ったデジカメがオリンパス・カメディア10倍ズーム、210万画素というものだからそのアルバムソフト「蔵衛門」も購入した。先ずはそのアルバムにいれる。
 一時は「フォトショップ」で作業をしたこともあるが、それは英語版で少々使い勝手が悪い。
 今は全て「蔵衛門」の中でやっている。
 実物の作品(油彩画)を見ながら色の調整をしたりもできる。
 「自動画像補正」だけでうまく色が出る時もあるし、深く焼いたり、コントラストを強くしたり、色補正をしたりといろいろして実物に近づける。そして角度を補正して作品以外のいらない部分は取り除き切り抜く。

 ホームページに載せたり、メール送信用には最大、長いほうの1片を500ピクセル程度に縮小する。
 ちなみにこのページの最初の作品は横200ピクセルとしていて、7,2KB まで縮小されている。
 「武本比登志ポルトガルの仕ゴト場」に載せている作品は、長いほうの一辺を500ピクセルとして、だいたい40~100KB以内になっているはずだ。

 今はそのオリンパス・カメディア10倍ズーム210万画素と、ニコン・クールピクス7900、700万画素を使いわけている。
 オリンパスは少々かさばるのでいつもは持ち歩かない。
 ニコンはケースをベルトに通して持ち歩くのでかさばらなくて便利だ。
 それには512MBのメモリーカードを入れていて、普段は画質を「Basic」とし、画像サイズを「3M、2048x1536ピクセル」に設定しているので、そのメモリーカード1枚で1000枚以上の写真が撮れる。写真の出来上がりは4~500KB程度だ。おおよそどんな写真でもこの程度で充分である。

 作品写真を撮る時は最高画質の「FINE」とし、画像サイズは「7M、3072x2304ピクセル」に設定を変える。
 それでもメモリーカード1枚で143枚の写真が撮れる。出来上がりは 2,5MB 程度になる。

 もちろんそれ以外の設定もできるが、その2種類を使い分けるだけで僕には充分である。
 印刷をするには重いサイズの方が綺麗にあがるのだろうが、サイトに載せたり、メールで送ったりは 4~500KB にしろ、2,5MB にしろ両方共そのままでは重過ぎる。
 それで「蔵衛門」内で縮小する。
 長いほうの一辺を 500 ピクセル程度にするとおおよそ 50KB くらいにまで軽くなる。

 最近は ADSL や光ファイバー、ケーブルテレビなどのラインを使っている人が多いので、少々の重さは苦にならない様だが、やはりメールやウエブサイト用には軽くしておくのがエチケットなのだろうと思う。
 僕も最初はそういったことを知らなくて、重い画像を知人に送りつけてしまっていたようだ。

 ちなみに我が家は未だに電話回線でやっているので、たまに重いサイズの画像などが送られてきた時には、パソコンがパンクしてしまわないか心配してしまう。
 2,5MB の画像なら取り込むのに1時間以上もかかってしまうのだ。プロバイダーで切られてしまうこともしばしばあるようだ。

  「蔵衛門」のアルバムにはたくさんの写真が入っているので、一昨年「外付けハードディスク」容量 160GB を購入してパソコンと繋ぎ「蔵衛門」はそちらに移した。

 最近、作品撮影で画期的なことを思いついた。
 作品写真をベランダで撮らなくても、アトリエで撮れることを考え付いたのだ。
 窓の反体側の壁に作品を立てかけると、光線が入ってハレーションを起こしてしまう。
 横の壁なら充分な距離を確保できないし、窓に近い方は明るく、遠い方は少し暗くなって作品画面上で明度にばらつきがあり巧く撮れない。

 思いついたのは、雨戸を完全に閉ざして外からの自然光を全くシャットダウンしてしまうことだ。
 電灯を点けなければ真っ暗の状態だ。
 巧くライティングが出来ればもっと良いのだろうが、そこまでは今のところしない。
 普通の蛍光灯の天井からの明りのみで撮るのである。

 幸い以前から夜間でも、暗い雨の日でも絵が描ける様にと 40 ワット 2 本の蛍光灯を窓側の天井に取り付けている。
 それほど明るくはないが、これだけで何と結構撮れる。
 デジカメの精巧さのお蔭だ。
 一眼レフではこう巧くはゆかないだろう。


 以上の様に日々いろいろと工夫をしておりますが、まだまだ発展途上です。
 もっと良い方法をご存知の方はお教えいただければありがたいのですが…
VIT

 

 

(この文は2006年3月号『ポルトガルの画帖』の中の『端布れキャンバスVITの独り言』に載せた文ですが2019年3月末日で、ジオシティーズが閉鎖になり、サイト『ポルトガルの画帖』も見られなくなるとの事ですので、このブログに少しずつ移して行こうと思っています。)

 

 

 


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