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534-1 弓月の君(9) 日本人ならシルクロードを一族郎党を引き連れて移動するのは無理でしょう。 食料が穀物だからです。 しかし、牧畜を主とする民族は長距離の移動が可能ですね。 馬乳、牛乳、羊乳、それらの家畜の肉など、食料自身が自力で歩くようなものなので移動が可能だったのでしょう。 農耕民族は耕してから収穫まで、土地に縛られています。 牧畜民族は移動が可能なだけではなく、家畜に食べさせる新しい草を求めて移動しなければなりません。 そのついでに、隊商たちにサービスしたり、気の効いた部族は、自ら交易品を選んで、東西の交易の市を営むことになり富を蓄えたでしょう。 シルクロード上の古代都市国家はこのようにして繁栄したと考えられます。 シルクロードは、シルクロードと呼ばれる前から、こういう民族の交流の中で、その存在が認識され、やがて、東の果てから西の果てまで、全体を往来した人たちによって、完全に認識されるようになったものでしょう。 色々な文明を吸収できた彼らの文明は非常に発展したと思われます。 それが、やがてチンギスハーンのように、大帝国を築きあげる力を蓄えさせたのだと思われます。 旧約聖書に出てくるモーゼたちがエジプトを脱出して荒野を40年間、放浪します。 何十万人という群集を率いてそんなことは不可能だと思っていました。 しかし、基本的に彼らは羊飼い達です。 青草の原があれば、羊に食べさせることは出来、そういうことが可能だったと言うことが分かります。 続 景教碑の謎というサイトでは 弓月(クンユエ)という国は現在のカザフスタン南部、アルマトイを含むバルハシ湖より南、キルギスのあたり、あるいは、ホータンと言われています。 クンユエはある地図では天山北道に示されていた。しかし、ホータンは天山南道だ。しかし両者は近い。 クンユエがそれだけの広がりを持っていたとすると、弓月の君はホータンに違いないという気がする。 「秦」(シン)を何故ハタと読む? ハタという読みが中国にあるのか? 日本語でハタと読む必然性は無い。 しかし、弓月の君、或いはその先祖がホータン出身ならハタはホータンの訛ったものだ。 天皇から波多の名を貰っているのは、ホータンの日本風の読みだと言うことで頷ける。 ホータンには伝説がある。 ホータンの王子は、国を富ませるために、絹の生産方法を知りたいと思った。そのため中国からお姫様を貰うことにして、嫁に来る時に蚕を持って来るように頼んだ。 蚕の持ち出しは死刑であったが、王子のため、そして生まれてくる子のためにも蚕と桑の種を持ち出した。 出国時に荷物は調べられたが、冠までは調べなかった。姫君は冠の中に蚕の卵を隠して来たのである。 かくして、ホータンでは姫の指導により絹の生産に成功し、姫も尊敬されたと伝えられている。 |