ずっと以前にETCカードを作った時から、ETCマイレージに登録して割引サービスを享受して来た。それだけなら、「デジタル化による恩恵」を味わっていたように感じていた。ただ、事情があって現在のマイレージ登録を別の車と車載器に変更することになり、事情も印象も一転した。
先ずは現在のマイレージ登録を抹消しようと手続きを探し、中に「利用停止」というのを見つけたので単純にそれをチェックし「利用を停止した」。だが、その「マイレージ登録を抹消したつもり」のカードを別の車・車載器で登録しようとすると、何度やっても「カードは既に別の車載器で登録されています」と出てる。
自分としては、それを回避するために事前にそのカード・マイレージ登録を「抹消したつもり」だったので、何のことやらわからずパニック。訳が分からぬまま、以前に解約したクレジットカードのETCカード登録がどうなっているのか試してみた。するとこちらは、「解約:取り消されています」と出る。「利用停止」と「解約」は異なり、今回なすべきは「マイレージ登録の解約」だと分かって、さっそく「解約の手続き」を探す。だが、これが見つからない。
ETCマイレージに関するFAQでは「解約できる」とあるが、「やり方」へのリンクは無い(いまどき何故?)。さらに「自動音声サービス」に電話しても、「利用停止」は選択できるが「解約」の選択肢に無い。別の所には「文書で」と書かれていたが、問合わせの宛先住所は出て無い。自分の探し方が悪いのかも知れないが、2時間くらいかけて探し回ってこの結果。「ははぁ、さては解約させたくない」ということか・・・と、一人合点。要するに、登録を解約したければ登録されたカードをしばらく使わず、自然に「登録抹消措置」になるのを待ってろと言われた気がした。
何てことだ!、ETCマイレージ登録とはかくもややこしく、梃子摺る制度だったのだ。と、思い浮かんだのが、コロナ禍での様々な「給付金手続き」の悪評。なるほど、政府や公団・公社が行う「デジタルサービス」とは、なにがしかこんなものなのだろう・・・と。テレビのインタビューでは、「何度もやり直された挙句、結局できない」という飲食業者も少なく無かった。同じく、という思いだ。たかがマイレージ登録を新しい車に付け替えるだけで、この分かり難さと時間の無駄。
自分の理解力不足かも知れないが、これだけやってダメなら「もうやらない」となる。使わずないで「自然消滅を待つ」しかない。それまで1・2年かかるのかも知れないが、その間は「マイレージ割引」無しで行くしかない。この国の「デジタル・システム」は、具体的な状況を検証せず思い付きで作ったもの。役所の人間が処理しやすい仕組みでも、利用者側には「摩訶不思議な仕組み」。おそらくは、アナログ以上に手間のかかる代物にしか作らないのかもしれない。