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青大将、お疲れさま

2021-04-02 | 日記

俳優の田中邦衛氏の訃報がニュース速報で流れた。ドラマ「北の国から」にはあまり興味が湧かず、主役・五郎役での田中邦衛氏の姿より、それ以前の代名詞だった「加山雄三主演・若大将シリーズ」での青大将の印象が強い。訃報の後のニュースで田中氏が加山氏の5歳年上だと初めて知った。以前、若大将を演じた加山雄三氏が当時二十代後半だったと知り、「それで、どこか落ち着いた学生ぶりだったのだ」と納得したが、青大将は当時すでに三十代だったことになる。

 映画を見た子供の頃は青大将の役回りの重要さが分からず、格好悪い振られ役がいつも出て来る意味も理解できなかったが、今思えば「若大将シリーズ」のストーリー進行で重要な場面を必ず青大将が引き受け、同時に観衆の笑いを誘って盛り上げていた。新人で台詞棒読みの主役を支える同級生役に三十代の田中邦衛という俳優を選んだのは、素晴らしい配役だったのだ。

 夜、訃報に続いて倉本聰氏の言葉が流され、俳優の人間性が役に表れた俳優として高倉健氏と田中邦衛氏の名前を挙げた。それを聞き、俳優・田中邦衛に感じていたものが俳優・高倉健から感じたものに共通していたと、あらためて悟った。自分としては月並みな言葉しか思い付かないが、「天国でもたくさんの人を幸せにしてください」という女優さんの言葉が心に残った。