愚ダメ記、真誤付き、思い津記

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新型コロナとの2年目

2021-04-21 | 日記

新型コロナウイルス感染と向き合ってから1年以上が経過した。2年目に入った今、1年間感じ続けたこと、思い続けた愚痴でも書いてみようかと思う。

 振返ると、1年前にはよく分からない間に合わせ政策がいろいろ出てきたことを思い出す。決して緊急性に対処したと言えないマスク配布、結局自治体からの郵送による申し込み受付の方が早かったマイナンバーカードでの給付金配布、首相が繰り返し「増やす」と言いながら増えなかった検査数など。しかし、それが1年経ってもあまり様変わりしたとは見えない状況が続いている。様変わりしたのは、都会や観光地の人出が増えていることくらいか。

 昨夏の感染者が少なかった時期を利用して進めて欲しかった検査体制の拡充も、医療体制の拡充も、給付金の受付・給付状況も、結局は年末にかけての感染者増加に遅れて間に合わせ的に手を打ったという感が消えない。検査の拡充という話題で言えば、1年前にマスコミで紹介された日本製のPCR検査ロボット(1度に数十検体を処理できるという)のその後は? ヨーロッパにはどんどん輸出され使用されていたのに日本での認可が下りず利用できないとのことだった。国内仕様の認可は下りたのか? 日本各所で積極的に利用されているのか? 

 かつて産業ロボット利用による生産能力向上で世界をリードした日本だが、科学研究や医療分野の自動化・ロボット化は甚だしく遅れた。基本的にはその分野に資金を投入しなかったことが原因だが、それが医学生物学のいろんな分野での遅れを招いている。ノーベル賞受賞者の誕生だけで喜び、広く生物医学研究を見渡せば歴然としている研究体制の遅れを見て見ぬふりしていたということだ。国産ワクチンにしても、一年前にはいくつかの研究者が開発の声を上げていたが、政府がそれに大きな資金援助を行うというニュースは無かった。ワクチン開発への援助はアメリカの100分の1程度だったとも聞く。

 結果、莫大な費用を払い、輸出規制に怯えながら、ワクチン接種計画も思うように立てられないという状況だ。「日本人がワクチン接種に消極的だったから・・」と言い訳するが、その一方で「日本ファクター」の候補の一つには「日本人のインフルエンザワクチン接種率の高さ」が挙げられていたりした。給付金・支援金の支払いも信じられないほど遅れた。マイナンバーの活用を言いながら家族単位の給付制度としてみたり、意味が分からないことだらけ。各個人がマイナンバーに紐づける銀行口座を一つずつ申請するようにすれば済んだ話ではないか。銀行口座1つだけの紐づけなら「個人資産を把握されるかも」などの危惧は生じなかっただろうし、その後も必要なら何度でも同じ口座を使って素早い配布・支給が可能になったはず。

 医療体制の拡充も少しは進んだが、各自治体の努力任せで、政府が根本的な解決方法を模索したとは見えない。いざとなって「法律的な問題」と言うなら、昨夏の比較的落ち着いていた時期に向こう2・3年を見越して法律改正の議論を含めたプロジェクトを開始すべきだったと言いたい。結局、進行中のワクチン接種ですら、ある政治家が「接種者が医師だけでは足りないので・・」と発言したと思えば、別な政治家は「ワクチン注射は看護師も出来るから‥」と言ったり。政府・与党内ではワクチン接種担当者に看護師が含まれるかどうかすら統一されてないのか?と驚く。通常医療での注射の多くを(医師の指示・監督のもとで)看護師が担当していることを思うと、血管に針を入れないワクチン接種すら看護師が担当出来ないと考えるのはあまりに非現実的・非合理的だ。

 必要な理解力を持ち一定の講習と訓練を受けたボランティアならワクチン接種に携われる、と考えたイギリスの政治家の合理性とは比較にならない。結局、その合理的思考の有無の違いが、日本におけるいろいろな矛盾や停滞、合理的予測の欠如による準備不足、判断の遅れを生んでいると考えるのは果たして間違いだろうか。

 法律解釈にも疑問だらけ。外出制限や行動規制、感染隔離についてすら「日本には行動の自由や営業の自由を制限する法律がないからお願いだけ」と聞かされて来たが、ではイギリスやアメリカはどのような法律に基づいて厳しい行動制限や休業命令を出しているのだろうか? 彼らの憲法にはそれらの自由が保証されてない? 道路の速度制限や交通違反の反則金は取れるが、飲食店などの感染防止対策不備では反則金を取れないという理由は? 道路や公共設備での禁煙命令は可能だがマスク着用の義務化や路上飲食の禁止ができないという理由は? 報道番組でも明確な説明を聞いた覚えがなく、何となく「阿吽の呼吸」で日本では厳しい規制・強制力を持つ規制が出来ないと洗脳されたような気がする。

 さらに「伝染病の隔離はお願いだったのか、コレラや結核での隔離も拒否できるのか」、「海外渡航者の検疫目的での隔離も所詮はお願いにすぎないのか?」。そんなモヤモヤとした疑問が明確に説明されない状況だから、多くの人が各々の勝手な解釈で判断し動いてしまうのだろう。法律解釈の混乱は今後のいろんな場面にも影響しかねない。我々がこのままもたついているなら、事態はどうしようもない状況に追い込まれてしまうような気持ちになる。

 

 

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