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新型コロナ感染症と統計

2020-11-27 | 日記

ニュースを見ていて意外なデータを聞いた。日本における最近の新型コロナ感染による死亡者を追跡したところ、「重傷者」を経て死亡した数よりも「重症者」とならないままで亡くなった数の方が数倍も多いというのだ。自分はこれまで、何となく?、新型コロナによる死亡者というのは、発症した後に軽症・中等症から重症化し、重傷者用ベッドの上で亡くなった人々なのだと考えていたが、現実はそうではないという。軽症で療養していた後に重症化し、そのまま重傷者として入院・治療を受けないままで亡くなるケースが多くなっているのだという。

 ICUに移ったり人工呼吸器を付けたりという「重傷者としての治療」を受ける為に重傷者用ベッドに移らなければ、統計的には重傷者として扱われていないということである。高齢の新型コロナ患者が増える中で、重症化した患者の家族が人工呼吸器の装着などを望まない場合が少なくないらしい。言い換えれば、高齢者では新型コロナ感染の重症化がそのまま「看取り」に繋がることが少なくない、ということらしい。ある意味では「重症化よりもっと痛ましいケース」が増えているにもかかわらず、それが反映されない集計方法で「見掛け上の重傷者数」だけが発表されるなら、社会に大きな誤解を生むことになる。

 しかし、死につながったケースにも拘わらず、その患者が「重症者」に数えられないままというのは、統計的には問題なのではないか。今回の新型コロナ感染に関しては、県による基準の違いとか、検査数の中に民間機関による検査が集計されていないなど、統計の取り方に関するいろいろな問題が議論されてきたが、重症者の死亡率よりも軽・中等症の死亡率が高くなるような統計になるのだとすれば、データの取り方・重症者数の集計方法を考え直す必要がある。

 重傷者用ベッドに移らなくても、人工呼吸器を付けなくても、突然の重症化から死亡に至った場合には、例えその1日だけでも重傷者として集計するべきではないだろうか。そして、そうなると、現在の全国の重症者数がどれくらいに増えるのだろうか? 重傷者用ベッドの占有率については実際にベッドを使っている人数で計算するというので問題無いと思うが、重傷用ベッドに移ることなく亡くなった場合にも「重症という段階を通過し死亡に至った」と考えるべきで、当然その人数は重傷者数として統計に載せるべきと考える。