Sydney Yajima


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1913年12月23日

2012-07-29 19:51:19 | 経済
米連邦準備銀行Federal Reserve Bank =FRB ができた瞬間である。
クリスマスの前日、だれもホリデーでいなくなった瞬間に、米国連邦準備銀行 ができた。
今から99年前のことである。
(以下、FRBとする。)
FRBは、利益を目的とせず、市場の安定と経済の発展に寄与する。とし、米国政府から独立した存在であり続けるともしている。
従って、ベン バーナンキー議長の職は、アメリカ大統領に次ぐ力と地位を持っているとも言われているわけだ。
FRBが、何をするところかというと、そこは、利率を決定し、あるいはマネーサプライを決定するところでもある。
米国と世界経済の行く末を観察しながら、より長期的に経済発展を継続するために研究を続けながら、注意深くさまざまなツールを使って市場をコントロールする。ということになっている。
メンバーは7名から成り、14年ごとに交代している。
このメンバーが、利率やあるいはドル供給量を決定していると言っていいだろう。

しかし、人間が作った機関が、それほどのパワーを持ちながら、本当に、一切の私利私欲なしに、成立し続けると(それも99年間だ)いうことを、人間を40年以上やったら、絶対に信じられないことだろう。私だってそんなことは信じていない。
そもそも、FRBは、誰にも監査されないのである。しかも、一切税金を納める義務もない。

ところで、そのFRBが設立されて今年で99年になる。
もし、チャーター通りにことが運ぶなら、2012年12月21日をもって、FRBは解散しなければならないという噂がまことしやかに伝わっている。
本当だろうか?
私は知る限りの人に聞いたり、あるいは自分で調べもしたが、はっきりとはわからないのが、結果である。
ただ、契約というのは、なんでも始まりの日があれば終わりの時も必ず書かれている。
オプションとして、延長させるという方法が一般的だろうが、それにしてもいつかは、終わる。
ここで、私の言いたいことは、契約書というものの、性格である。
そう、終わりの日が予め設定されているのは、どの契約書でも同じだ。FRBもその契約が切れるはずなのである。

勿論、市場のパニックが起きないために、細心の注意を払って、契約の継続なり、あるいは、新しいシステムの構築なりをするのが、定石だが、今の米ドルの発行量をみると、真意がわからなくなるのである。

いずれにせよ、問題は大きく目の前に横たわっている。
多くの経済学者たちも、とっくに気づいているが、気付かないフリをしているか、箝口令が敷かれているかのどちらかなのだろう。新聞などのメディアも沈黙したままである。
問題が大きく目の前に横たわっているが、一番の問題はそのことに気がついていないことである。
問題の最初に考えておくべきことは、あなたがしている誤解=自由諸国の一員として自由な貿易と自由な発言が許されていると信じていること から自分自身を振り返って、「ほよ?果たして本当にそうかな?」と疑ってみるところからはじめてみるべきなのである。


さて、最初の1913年12月に、「いったい 何が起きたのか?」ということについて話を戻そう。

この日、12月23日まで、アメリカの貨幣は、ゴールドとシルバーを基準に発行されていたのである。
つまり、この日を境に、アメリカの紙幣は、ゴールドやシルバーとは切り離されて発行されるようになった。
つまり紙幣は一切の担保なしに、紙幣として流通されるようになったのが、この日なのである。

それ以来、FRBは紙幣を自分たちの思う通りに発効してきた。
つまり、打出の小槌を手に入れたのである。
今現在、世界中の70%以上の商取引が、米ドルで行われている。
カリビアンの麻薬取引でさえ、米ドルでの取引を望む程である。
つまり、米ドルは、なくてはならない世界経済の潤滑油の役目を果たし、アメリカは米ドルが続く限り、永遠にその打出の小槌を打ち続けることができるわけで、その米ドルを、日本や中国、それにサウジなどを中心とした中東アラブの金持ち国が買う。

では、米ドルとは、いったいなんぞや?という素朴な疑問が生まれる。
紙幣というものは言うまでもなく 紙である。それその物は、なんの価値もない。
ただ、人々が価値があるものだと、勘違いしているだけに過ぎない。

便利に、様々な欲しいものと交換できるからだ。
紙幣を借りると利息がつく。今、世界はゼロ金利に向かっている、インフレが進むかもしれない。だが穏やかなインフレは経済を発展させるといわれている。カインズの経済理論は完璧ではないが、他に変わる理論もなく未だに信奉されている。

アメリカや先進国は日本をはじめとしてデフレを経験しているかその恐怖を体験している。
したがって、デフレを防ぐために、さらに量的緩和をおこない、金利ゼロを続けるのである。
これが、永遠に続くゲームではないことは、当人たちが一番よく知っている。だが、他に道がない。

来週、アメリカの失業率が発表される。
おそらく数字は悪いだろう。
それで、FRBは2013年度の金利も引き続き低いままで維持しなければならないと考えるかもしれない。
さらには、もっと大量の量的緩和をさえ、視野に入れているかもしれない。
景気をなんとかよくさせなければ、ハードランディングに耐えられる体力がないと、多くのアナリストたちは異口同音に言う。

失業率がなぜ増えているのか?という根本的な疑問に、今までいったいどのくらいの人間が真剣に向き合ったと言えるだろうか?
確かに、選挙期間はさまざまな素晴らしい演説を聞くことができる。
この人に投票さえすれば、また強いアメリカが復活するような錯覚をおこさせるが、しかし、本当のところは、わからないのである。
わからないながらなんとかしなければならない。
そんなところだ。

どうすればいいのか?

私はFRBが、やはり本当の鍵を握っていると思っている。
彼らが、今、何を考え、何を準備しようとしているのかを、注意深く見守りたい。
それは、中国を視野に入れたダイナミックで、かつ攻撃的なスタイルになるのか、あるいは、自国経済のみに注意を払って、いかに長期で耐え続けるかということにのみ、集中しようとするのかは、まだ分からない。
ただ、今のまま続くということだけはないということだけは、どうやら断言しても差し支えないようだ。