Sydney Yajima


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トービン タックス・・・

2011-07-12 21:31:40 | 政治
3月11日を境に、世界は変わった。
日本円は、どんどんと強くなった。

日本は、ゼロパーセント金利なので、その金を借りて オーストラリアや南アフリカなどの金利の高いところへ投資して、その差額を丸儲けする いわゆる 円キャリー トレードというクラッシックな方法が、ずいぶん 長い間、行われてきている。
その流れは、今も健在で、総額にすれば 何百兆円という膨大な金額が 汚いファンドの連中によって おもちゃにされている。
連中は、濡れ手に粟の手口で、それこそ 丸儲けしている。

よく、日本では中小企業が困るから、利率を上げるべきではない とか、 国債の返済が大変だから 利率を上げたらいけないなどという議論がなされる。
確かに そういう側面があるが、このいびつなゼロ金利政策がいつまで続けるつもりなのかは分からないが、いずれ どこかで、修正力が働く。そのときに、日本円がもっと強くなる可能性もあり、いわゆるFXなどに手を出している素人は、ひどくやられる結果になるだろう。

今回の震災で、日本円が強くなったのは、日本が震災の後片付けに、ドルを売って円を買い戻すのではないかという観測が流れたからだ。そして、それはアメリカを直撃するので、アメリカとしては、なんとしてもやめてもらいたいところだ。

震災の後片付けが、遅々として進まないのは、日本円を買い戻すことができないからで、そのために資金繰りができないからだ。
すでに、日本の資金は・・・震災で使うべき金は、日本にはなく、中国へ第三者を通して 流れ込んでしまっているのである。

もし、あなたが会社の経営者であり、今 銀行と折衝しても 埒が明かないと感じていたなら、それは、銀行のせいではなく、あなたに融資されるべき金が、ゼロ金利政策によって、海外へ流れ、そしてそれが中国に行ってしまったからなのだ。

ここで、面白い議題が、アメリカで上がった。
これを トービン タックスという。
それは、加熱しているFXを、規制するために、為替両替のたびに、税金をわずかながら徴収しようという提案である。
この考え方は 実は 古く、すでに1972年に ジェームズ トービンによって、発案されたものである。
もちろん ウォールストリートは、困るわけである。
税金の金額はわずかでも、この提案を導入されると、とたんに、市場には緊張がおこり、今までのようなFXで損をしてくれる鴨がいなくなるからだ。

また、オーストラリアは今後、誰がどのようなFXトレーディングを行っているのかを ディスクローズするようにアメリカ監査委員から求められており、それも波紋を呼んでいる。

まだまだ、始まったばかりのさざ波だが、しかし 確実に経済は次の方向へと 移動し始めた。