Sydney Yajima


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シフト と ムーヴ

2010-12-03 20:32:45 | 世界情勢
西暦 1700年の世界に、もしブルーム バーグがあったとしたら・・・
今日は、この仮定で話を進めてみたい。

当時、アメリカは広大な大地があるだけだった。もちろんウォールストリートもシカゴの穀物市場もなかった。
だから、当然 ナスダックどころか ダウ ジョーンズも存在せず。そこには 大地とそよ風が流れているだけだった。


時は、イギリスの産業革命の前である。

当時の、世界は、人口を一番たくさん持っているところが、多くの生産能力を持つのと同義であったろう・・・つまり、中国は世界で最大の国であった。

産業革命後、イギリスのような小さな国が世界に席巻した。
今から わずか200年ほどまえの出来事だ。

彼らは蒸気を使い、新しいマネージメント理論を用い、効果的に、物を製造する方法を得た。

ここで、人口がたくさんいるということは、製造業では必要がなくなりはじめる。
マネージメントの基本は、なるべく少ない社員が効率よく 大量生産をするということに絞られる。

アメリカは、壮大な実験場になった。もちろん、イギリス出身のアングロサクソン人によって、アメリカ合衆国は作られたのである。イギリスから、アメリカへと、世界の中心は20世紀にムーヴした。

そして21世紀。

日本のような小さな国が、世界の第二位を占めていたのはいびつな状態だったかもしれない。
中国が第二位に浮上するのはむしろ歴史の趨勢をみて、当然の帰結だったとも言えると後々の歴史学者たちは 結論づけるかもしれない。・・・仮に、歴史学者たちがいれば、の話だが。

ともかく、我々は今、その時代が200年間に渡って、支配してきたアングロサクソンの時代から、アジアンの時代へと、シフトしようとしている。シフトはムーヴよりも当然大きく、エネルギーも必要で、戦争も経験しなければならないだろう。

アメリカの独立でさえ、戦争があったのだから、シフトとなると、第三次世界大戦は覚悟しなければならない。だから、私は 仮に、歴史学者がいれば、の話だと前置きしたのだ。

中国が危険だとアメリカやイギリスのアングロサクソン系の論評は常に書く。
それは彼らにとって、とても危険だと言っているのだ。

なにしろ、ポピーを胸に飾っているだけで、中国はイギリスにいちゃもんをつける。
お前たちは中国から、アヘン戦争のとき、搾取しただろう?
そう、中国は、イギリスが大嫌いなのだ。

香港を長い間借地として、イギリスの管理下に置かれていたことも、とてもプライドが許せないことなのである。

もちろん、同じくらいか、それ以上に日本を嫌っているとも言えるがね。

ともかく、今後の世界の経済理論は、形を変えてくる。
つまり、産業はこれからロボットが担うので、消費が経済の中心の数字になる。ロボットが欲望を持って物を消費することはないので、消費はあくまで 人間に限られる。つまり 大量に人間を持っている国が、世界の中心になるというのである。
消費の中心には中国になり、あるいは、もっと内陸の未知なる人々によって、支えられる。

問題はたくさんある。
第一にやはり環境。
そして第二に政治。
さらに、パワーを持った人々と持たざる人々の戦い。
戦争は、そのどれに関しても起こりうる。

文化と文明は違う。
文明は国や宗教によらず、誰にでも受け入れられるが、文化は受け入れられない。
文化差別と言う言葉が、今 存在していなければ、私が最初に言うことになるが、今後、その文化差別が生まれてくる。
例えば、日本と中国では異なる文化がある。(もちろん言葉も広義では文化の一部と認められよう)
すると、日本人が中国人を嫌い、中国人が日本を嫌うのは、おそらくこの文化に起因してくるだろう。

こういう複雑な世界の中で、私たちが何を選び、そして、どう生きていくのかは、確固として流されない部分と、そして、融和をしながら、譲る部分の自己内部でのせめぎ合いが、ますます深刻になるということだろう。

微弱なる電流・・・と司馬遼太郎氏が、かつて語ったことがある。
サムライとしての日本人の持つ微弱なる電流がある限り、日本は大丈夫だがそれがなくなると、かなり格好悪い・・・のだそうだ。