Sydney Yajima


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一番底 二番底・・・

2010-05-20 22:53:00 | 世界情勢
2009年3月にS&P500が悪魔の数字、666をつけたことが、一番底であったと、私は多くのアナリスト、経済評論家、あるいはトレーダーなどと同じく思っていた。
だから、あれを一番底だと定義し、二番底が来る可能性があるなどと書いていた。

そもそも、あの一番底、666の数字は、多くの市場関係者にとって、ここが底だ。と思わせるに十分な下げで、下げ止まり感は、確かにあったと思う。
それは、その前の年の2008年に起こった、アメリカの不動産バブルの破綻、さらには、リーマンショックから世界大恐慌が来ると言われて、どんどんと下げた結果の話で、その後、2009年の3月以降は、中国が40兆円の大幅な内需拡大を行ったことなどで、第二の世界のエンジンが景気を引っ張り、オーストラリアなどは、インフレでかえって景気が良くなるという異常な状態が約一年続き、多くの市場関係者は、世界大恐慌は、回避されたと、言い始めた。

私は、そこまで楽観的にはなっていなかったので、「いや、二番底がくる」とやや控えめな言い方ながら、べつの予測を出していて、それはこのブログにも書いていた。

しかし、今、その予測は、甘かったのではないか?と反省している。

というのは、多くの市場関係者が言っていた 大恐慌は回避された という言葉を、やや、期待をこめて鵜呑みにしていた自分が、何処かにおり、その自分は、最悪でも2009年の3月より やや、ましな二番底・・・程度の認識で、二番底を予測していたからである。

私は、反省をこめながら、今は、実はこう思っている。

もしかしたら、大恐慌は、「回避」されたのではなく、単に「延期」されていただけではないのか?ということだ。
もし、回避ではなく、延期であったなら、今の状況は2009年3月よりも悪い。

2009年3月には、アイルランドの火山活動は今のようではなかったし、それが欧州の経済をボディーブローのようにじわじわと圧迫していることは、なかった。中国の不動産バブルも今ほどではなく、また、トヨタのリコール問題も今のようではなかった。さらに、オーストラリアの不動産バブルは、当時のラッド首相のファースト バイヤーへの補助でさらに加熱してしまったし、また、中東の緊張も、今ほどひどくは無く、タイの暴動もなかったし、北朝鮮と韓国の緊張状態も今よりはマシで、さらに、米国と日本の普天間問題も今ほど両国の友好に圧迫をかけてはいなかった。

ここで、リーマンに続いて、AIGの破綻や、あるいはギリシャだけではなく、スペイン、ポルトガル、イタリアなどのラテン ヨーロッパ群の、ほがらかな破綻が始まったら、スイス銀行が一気に、EU内での資本流通にブレーキをかけて資本保護に回るかも知れず、そうなると、アメリカのドルも下落を始め、一気に日本の経済も、もちろん、中国経済も冷え込むことになる。

大恐慌というのは、恐ろしいことなので、今でも20%の失業率!!!を抱えているスペインのように、日本がなってしまうことだって、あるいはこのオーストラリアがなってしまうことだって、ありうるのだ。

それでも、まだわれわれは、いいだろう。
少なくとも、食べることには困らないだろう。
しかし、本当に貧しい国・・・アフリカ諸国などはどうなる?
飢えと貧困は、ますます国の混乱を招いて、また機能しなくなった公共機関、病院や学校などは封鎖されるかもしれない。

暗黒時代はもしかすると、向こう数十年続くかも知れず、破綻したアメリカ企業から流れ出た多くの失業者たちが、さらに治安を悪化させると、アメリカも本来の自助努力をさえ、働かせることができなくなってしまうかもしれない。

日本は、今後、北朝鮮から飛来するかもしれないミサイルに怯えながら、向こう何十年も、今までの繁栄がウソのように、19世紀の時代に逆戻りしていくのだろうか?

欲望が生んだ結果、世界の地図はどんどんと灰色に覆われて、私たちはその重くのしかかった空の下で、未来への希望も無く、生きていくしかないのだろうか?

今ならば、日本はなんとかできるかもしれないギリギリの場所にいると思う。
まず、第一に、雇用対策。
新しい産業を育成。
教育の内容を見直して、より実践力のある若者を育成していく。
さらに国の借金を、毎年、1%でもいいから減らしていくことだ。

まずはじめにすることは、国内で足の引っ張り合いをしているのではなくそのための青写真を描いて実行していくときだ。
そうしなければ、日本は、終わってしまう。