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ねがうこと、ゆだねること

ビートたけし著『間抜けの構造』

2012-11-10 | 映画
ビートたけしの新刊『間抜けの構造』
(新潮選書)を読む。多彩なジャンルを
「間」という切り口で語ったもの。



そのジャンルの広さ(漫才、落語、スポーツ、
政治、アート、ラジオ、テレビ、映画など)と
各ジャンルの人々を間というまな板にのせる、
乗せ方と考察の仕方が鋭いし、面白い。

今の漫才はボケとツッコミの両方が早い。(中略)
思うに、ツッコミが笑いをとろうとし始めたからじゃないかな。

(漫才の高速化という)傾向の中で異色なのが、スリムクラブ。
この前見て笑っちゃったけど、「間」をたっぷりとる。

それぞれで違う「間」を観察し、表現して
いく。やはり面白いのは映画論。

作家にとっての文体が、映画には間のことなんだ。
それを具体的に言うと、まずは時間の流れのことだね。

樹木希林さんなんて(役者同士で間をとりあう
のが)得意だよね。相手の芝居をつぶす演技をする。

ふしぎな日本語、へんな日本と文化論にもおよび、

他の国で、ここまで間というものを重要視している文化はないと思うね。

日本人が得意な間はかえって新しいものをつくる防げになるかもしれない。

漫才をやる前の過去を振り返っている項も。明治大学を中退し、ニート的に
アルバイトを転々とし(列挙してある)、浅草でストリップ小屋のエレベーター
ボーイをするのが25歳の時。

それも芸人になるための修行をしよう、とかじゃなくて、
ただの食いつなぎくらいの感覚だった。


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