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ねがうこと、ゆだねること

ドラン監督「トム・アット・ザ・ファーム」

2014-12-14 | 映画
面白い映画を見る。カナダの新鋭26歳のドラン監督の新作
「トム・アット・ザ・ファーム」。荒筋などは公式サイトで。

恋人の突然の死に直面した主人公が、恋人の実家に初めて
行き、葬儀に参列する数日間。恋人といっても同性愛、そ
の田舎は同性愛はタブー、故郷の田舎の実家は初めて行く。



映画が進むにつれ、主人公目線でわからないことだらけの
状態から一枚ずつ皮がむけるように、状況がわかる・・ど
ういう田舎なのか、家族がどうで、死んだ次男をどう思い、
どう振る舞えばいいのか・・言葉でなく映像でわかってい
く心地よさと怖さ。



状況の把握と自己の居場所の確立、そしてふるまい方・・
同性愛だからしなくてはならないこと、してはならないこと
の「嘘」だらけの虚構。映画という虚構のなかでの虚構。



亡くなった恋人の不在も特徴だ。母、兄、主人公いろんな
形で故人を語るけど、一度も登場しない。「桐島、部活や
めるってよ」も桐島が話題の中心人物なのに登場しないの
と似てると思う。



映画の終了時に監督のトークイベントの映像が流れる。面白
いことやるなぁ、と思った瞬間やられた。なんと監督は主役
もやってたとは。

そんなことも知らずに見たんだけど、主役もはれる映画監督。
今後が楽しみやなぁ。

原作は、現代カナダ・ケベック演劇界を代表する劇作家だそ
うで、映画化に関して話している文章がこちらにある。

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