持続可能な国づくりを考える会

経済・福祉・環境の相互促進関係を!

元・駐スウェーデン大使 藤井威先生との会合について

2009年02月10日 | パネリスト
去る2月4日、元・駐スウェーデン大使、現みずほコーポレート銀行顧問の藤井威(ふじい・たけし)先生と当会運営委員8名で、都心のオフィスビル地下の某和食店にて会食を行いました。

このブログをお読みの方は御存知の方もいらっしゃるかと思いますが、藤井威先生はご著作『スウェーデン・スペシャルⅠ~Ⅲ』(新評論刊)や『中央公論』1月号での論文「スウェーデン型社会という解答」等で世間的にもひじょうに有名な方です。元特命全権大使というご経歴から、スウェーデンの経済・財政情勢や福祉制度に関する最新の学識を持った方であり、かつ大蔵省局長、内閣官房内政審議室長等の政府の要職を歴任されたという経歴からもわかるとおり、国家財政および国政全般に関して、実務経験に裏付けられたきわめて広く深い洞察をお持ちです。

ちょうどお会いする前日の2月3日付『毎日新聞』に、1面を使った特集で藤井先生へのインタビュー記事が掲載されています。
全文は以下のURLをご参照ください。
 →http://mainichi.jp/life/today/news/20090203dde012100006000c.html

 ※ 写真は上記の記事のものです

なぜスウェーデン型社会がこれからの日本のモデルとして最有力であるのか、藤井先生のきわめて説得力のある主張がわかりやすく理解できると思います。


今回の会食は、次回3月15日の当会学習会(原則、奇数月の第3日曜で、前回が1月18日の小澤徳太郎先生の講義でした)への講師ご依頼と、併せて今後の当会の活動へのご参加・ご協力のお願いを趣旨とするものでした。
当会からは松原事務局長、岡野守也先生・小澤徳太郎先生、ほか運営委員5名の出席となりました。
藤井先生は、当会設立メンバーの一人、西岡秀三先生(国立環境研究所・参与)と東京大学時代のご学友であり、その御縁で今回の場がもたれました。

さて、この会食の場では藤井先生から、スウェーデンの情勢、日本の経済・財政、国際福祉論、そして官僚時代の御経験等々について、たいへん広い目配りからのお話を伺うことができました。
ともかくたいへん豊かな話題を、とてもエネルギッシュに語られる方です。

お話はいろいろ多岐にわたりましたが、その中でたいへん印象に残ったことを、ご紹介させていただきます。それは、戦後長くスウェーデン首相を務めたT.エランデルのお話でした。

藤井先生とスウェーデンとのかかわりは、1972年にストックホルムで行われた第一回国連人間環境会議に、日本政府代表の随行員として出席されたのが始まりだったとのことです(この会議には、当会の大井玄先生も参加されています)。
そして日本代表団一行がエランデル前首相から説明を受けた際の、当時としては類のない圧倒的な環境問題に関する知見と、それに世界をあげて立ち向かおうというきわめて真摯な姿勢にとても強い印象を受けたとのことで、現在でも藤井先生は故・エランデルを非常に尊敬されているのだそうです。



そのエランデルが23年間にわたる超長期政権を退き、首相の座を同じ社民党のO.パルメに渡したのは、年老いたので(引退時69歳)後進に譲るというような理由からではなく、今後地球環境問題が間違いなく全世界の緊急の課題になるというはっきりとした予測のもと、人類史上初の国連人間環境会議を実現し成功させるべく人生を賭けるためであったという話を、藤井先生はじかに聞かれたそうです。

若手官僚として現地に赴き、日本の代表団をその弁舌の迫力で圧倒したという本気の政治家・エランデル前首相と出会った感動が、藤井先生の行財政を担う官僚としての歩みにも大きな影響を与え、さらに現在までの主張の原点ともなっておられるご様子でした。


さて、ひとしきり歓談ののち、当会の発起人である岡野運営委員より、当会の生い立ちの経緯と私たちの会の目的を説明しました。そして大変ありがたいことに、3月15日(日)の学習会講師をご快諾いただきました。

そればかりでなく、会の方向性についても合意をいただき、大変忙しい中にもかかわらず、今後とも当会にご参加・御協力いただけることとなりました。

会合は3時間にも及び、閉店時刻をとうに過ぎてしまいました。最後に藤井先生もご自分のカメラを取り出され、さらに記念撮影となりました。定員さんに「シャッターをお願いします」と頼むと、「店のシャッターを閉めても良いんですか?」と驚いた様子で聞き返されました。遅い時間までお世話様でした。

静かな店内に響くシャッター音が、次なる段階へのスタートの合図のようにも聞こえました。



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持続可能な国づくりの会〈緑と福祉の国日本〉主催連続公開講座

「スウェーデン型社会という解答」

  講師:藤井威氏 

     みずほコーポレート銀行顧問
     元・駐スウェーデン特命全権大使
     元・内閣官房内政審議室長

日時:2009.3.15(日)13:00~17:00

会場:横浜市スポーツ医科学センター中研修室
  (日産スタジアム東ゲート前広場レストラン脇の階段下りる)

      ①JR新横浜駅北口、②横浜市営地下鉄新横浜駅8番出口、
      ③JR横浜線小机駅より、いずれも徒歩 15分程度です。

受講料:一般1,500円会員1,000円

申込:お申し込みはこちらからどうぞ。
 →http://www.formzu.net/fgen.ex?ID=P5485478

 もしくは、事務局あてに参加者名、ご連絡先をお知らせください。


講師プロフィール:藤井威(ふじい・たけし)氏

 1940年東京生まれ。東京大学法学部卒業。大蔵省主計局次長、経済企画庁官房長、
 大蔵省理財局長、内閣官房内政審議室長を経て、退官後、1997年から 2000年まで
 駐スウェーデン特命全権大使兼ラトヴィア特命全権大使としてストックホルム在勤。
 その後、地域振興整備公団総裁を経て、現在みずほコーポレート銀行
 顧問。著書『スウェーデン・スペシャル[Ⅰ]~[Ⅲ]』新評論刊、他。


持続可能な国づくりの会〈緑と福祉の国・日本〉事務局 

 FAX   042-583-4817
 e-mail  jimukyoku@jizokukanou.jp
 HP    http://jizokukanou.jp
 blog   http://blog.goo.ne.jp/greenwelfarestate

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