3月18日(金)、再開第1回目の学習会を行ない、どうすれば持続可能な国づくりができるのかについて、これまでの合意点の確認を行ないました。
運営委員長岡野がかつて2014年8月〜9月にこのブログにも掲載した「持続可能な国づくりの条件」(1〜18)の要点を述べ、新旧の参加者と話し合いました。
そこで、二つ興味深い発言がありましたのでご紹介しておきたいと思います。
1つは、最近、会に関わるようになってくださった方から、「まわりの人にスウェーデンの話をすると、『あそこは小さい国だからできたんじゃないか』と言われるのですが」という話がありました。前からの会員は顔を見合わせて、「またか」と苦笑いしました。あまりにもよくある質問だったからです。
それに対して、かつて私は「小さいからできたのではなく、優れた社会システムを創り出せたからできたんです」といった答えをしていましたが、今回はより具体的に「社会システムのなかでも特に「『混合経済』という巧みな経済システムを創案できたからです」というより具体的でわかりやすい(かもしれない)説明をしました。
市場経済の効率は十分に生かしつつ、努力や能力や運によるある程度の差は認めながら、政府が関与して、貧困層において不満が鬱積し社会的な統合がゆらぐことがない程度に、なるべく格差の少なめの公平な分配をするという、自由主義経済と計画経済のいいところを混合した経済システムは、国の規模にかかわらずこれからすべての国そして世界全体が向かうべき(すでにヨーロッパなどはかなりの程度向かっている)方向ではないかと思います。
もう1つは、会の創設の時から関わってくださっているスウェーデンの環境問題の専門家・小澤徳太郎先生の、「さすがのスウェーデンも最近の難民問題などで行き詰るのではないか」という趣旨の発言でした。
筆者は、「うーむ、そうかもしれないが……これまで社会科学者と政治家の連携による統合的な知恵で多くの困難を乗り切ってきたように、今回もスウェーデンはみごとに乗り切って見せてくれるのではないか」と希望的な観測をしています。
たとえスウェーデンや他の北欧3国、さらにはEUが失敗したとしても、持続可能な国づくりと持続可能な世界づくりがこれからの日本人と人類の避けられない課題であることに変わりはありませんから、それらの国々のこれまでの先駆的な成功(と失敗?)のケースは、これからそこに向かうための基本的で大きな参考になることはまちがいない、と考えられます。
次回の日程や場所はまだ決まっていませんが、テーマは「混合経済という選択肢――その有効性について」です。
決まり次第、またお知らせします。ぜひ、ご一緒に考えていきましょう。