持続可能な国づくりを考える会

経済・福祉・環境の相互促進関係を!

持続可能な国づくりの会 理念とビジョン(画像をクリック)

  「理念とビジョン」全文                   ダイジェスト版                  

                    

民進党の綱領へのコメント

2016年03月28日 | 政治

 

 「民進党」が結成され、3月27日のHPに綱領全文が掲載されていました。      

 「持続可能な国づくりを考える会」の運営委員長として会の「理念とビジョン」を踏まえているつもりで、しかし現段階では全体討議を経ていないという意味であくまでも個人的な、コメントをしておきたいと思います。 

 何よりも憲法改悪を阻止するために、それから建前という意味ではこの綱領に大筋合意できるので、私個人としては少なくとも夏の参院選までは「注文の多い暫定的支持者」になるつもりです。 

 しかし、「持続的支持者」になるかどうかは、1つはこれからの行動に現われる本音と実行力・実績、もう1つは中期的に綱領に不足している視点が訂正・増補されるかどうかを見きわめてから決めたいと思っています。 

 まず、結党の理念の「自由」「共生」「未来への責任」は全面的に賛同できるものです。 

 (私たちの目指すもの)の一、「自由と民主主義に立脚した立憲主義を断固として守る」、二、「共生社会をつくる」、五、「専守防衛を前提に外交安全保障における現実主義を貫く」なども異議なしです。 

 次からは「注文」です。

 三の「未来への責任を果たす」のなかで、「原発に頼らない社会を目指す」という表現は原発の危険性に対しては悠長だと感じられ、せめて「原発のない社会を現実的に可能な限り早急に実現する」といった表現にしてほしかったと思います。 

 四の、「公正な分配による人への投資なくして持続可能な成長は達成できない」という視点は私たちの会の「理念とビジョン」と基本的に一致しています。

 ただいっそう明快に「福祉と経済を相互促進関係にすることはできる」「高度な産業を育てるような福祉を実施する国家=ワークフェア国家を目指す」という点が表現されているとよかったのではないかと考えます。 

 さらに、四に「市場経済を基本とし、地球環境との調和のもと、経済成長を実現する」とあるのも賛同ですが、理念として「自然との共生」が謳われるのではなく、(目指すもの)の4番目に置かれているところが私たちの会の「理念とビジョン」と比較してきわめて不十分だと考えます。

 この点は、人間と自然のつながり・一体性への本質的理解と「環境(への配慮)と経済は相互促進関係にできる」ことへの理解が不十分なためではないかと推測されます。 

 まとめて言えば、より意識的に「エコロジカルに持続可能なワークフェア国家」を目指すようになってもらいたい、という注文付きで、民進党を暫定的にしかし強く支持したい、と私は考えています。 

 運営委員、会員のみなさんのご意見をお聞かせください。 

 また会員でない方からもご意見をいただけると幸いです。

 

 以下長くなりますが、参考に民進党綱領の全文を転載します。 

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        民進党綱領

                                                                              2016年03月27日 

 我が党は、「自由」「共生」「未来への責任」を結党の理念とする。
 私たちは、「公正・公平・透明なルールのもと、多様な価値観や生き方、人権が尊重される自由な社会」「誰もが排除されることなく共に支え、支えられる共生社会」「未来を生きる次世代への責任を果たす社会」を実現する。 

(私たちの立場) 

 我が党は、「生活者」「納税者」「消費者」「働く者」の立場に立つ。
 未来・次世代への責任を果たし、既得権や癒着の構造と闘う、国民とともに進む改革政党である。 

(私たちの目指すもの) 

一. 自由と民主主義に立脚した立憲主義を守る

 私たちは、日本国憲法が掲げる「国民主権」「基本的人権の尊重」「平和主義」を堅持し、自由と民主主義に立脚した立憲主義を断固として守る。象徴天皇制のもと、新しい人権、統治機構改革など時代の変化に対応した未来志向の憲法を国民とともに構想する。 

二. 共生社会をつくる

 私たちは、一人一人がかけがえのない個人として尊重され、多様性を認めつつ互いに支え合い、すべての人に居場所と出番がある、強くてしなやかな共に生きる社会をつくる。
 男女がその個性と能力を十分に発揮することができる男女共同参画を推進する。
 「新しい公共」を担う市民の自治を尊び、地方自治体、学校、NPO、地域社会やそれぞれの個人が十分に連携し合う社会を実現する。
 正義と公正を貫き、個人の自立を尊重しつつ、同時に弱い立場に置かれた人々とともに歩む。 

三. 未来への責任 改革を先送りしない

 私たちは、未来を生きる次世代のため、税金のムダ遣いを排するとともに、国の借金依存体質を変える行財政改革、政治家が自らを律し身を切るなどの政治改革、地方の創意工夫による自立を可能とする地域主権改革を断行する。
 原発に頼らない社会を目指すとともに、東日本大震災からの復興を実現し、未来への責任を果たす。 

四. 人への投資で持続可能な経済成長を実現する

 私たちは、市場経済を基本とし、地球環境との調和のもと、経済成長を実現する。安全・安心を旨とした上で、市場への新規参入を促し、起業を促進する規制改革を実行する。
 経済成長は幸福をもたらすものでなくてはならない。公正な分配による人への投資なくして持続可能な成長は達成できない。持続可能な社会保障制度の確立、生涯を通じた学びの機会の保障など人への投資によって、人々の能力の発揮を阻んでいる格差を是正する。それによって支え合う力を育み、幸福のための成長を実現する。 

五. 国を守り国際社会の平和と繁栄に貢献する

 私たちは、専守防衛を前提に外交安全保障における現実主義を貫く。我が国周辺の安全保障環境を直視し、自衛力を着実に整備して国民の生命・財産、領土・領海・領空を守る。日米同盟を深化させ、アジアや太平洋地域との共生を実現する。
 国際連合をはじめとした多国間協調の枠組みを基調に国際社会の平和と繁栄に貢献し、核兵器廃絶、人道支援、経済連携などにより、開かれた国益と広範な人間の安全保障を実現する。 

以上