持続可能な国づくりを考える会

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上勝で迎える朝1 : 上勝町視察旅行の記録(9)

2008年12月13日 | 上勝町
翌日朝7:30に起床、遅くまで話し込んでいた上に、同宿していた2時間ドラマの撮影隊の方々がまだ暗いうちから出動する物音で、メンバー一同あまり眠れませんでした。
(TBSのドラマ「おふくろ先生診療日記」シリーズの第二弾は、上勝町を題材にしたものです。どんなドラマになるのか、いまから楽しみです。)

そういうわけで寝不足の眼を覚ますため、朝食までの間に皆で朝の空気を吸いにちょっと散歩ということになりました。
この日は朝は少々曇っていましたが、日中は天気予報どおりの快晴、気持ちのいい視察日和となりました。





清冽なすがすがしい空気。やはり首都圏の工業地帯などとはちがって、朝の冷たい空気がおいしいと感じられます。
残念ながら紅葉にはちょっと遅かったようですが、一部の木々は真っ赤に色づいていてきれいでした。

到着が夜だったので気づきませんでしたが、「自然の宿・あさひ」の玄関先には小さな水車とともに「旭幼稚園・小学校偲碑」が立っています。

かつてこの町で林業が栄え、6,000人をも超える人口がいたこと、そして、子どもたちが元気いっぱい学校に通っていたこと。この場所のそうした記憶がしのばれます。

超高齢化を迎えた今もなお、町の多くの方にとって、この場所はいまだに思い出の学び舎なのではないでしょうか。





碑に埋め込まれている小学校校歌の歌詞には
「古き歴史と新しき 望みに満ちてうちたつは 魂磨かん わが母校」
「勝浦川は千載に 仰ぐ校旗の紅を 血潮とうけしこの胸に ほまれを流せ 国の果て」などとあります。

いつの時代かはっきりわかりませんが、おそらく敗戦から高度成長期にかけての戦後、まだ地域社会が健全に生きていて、この国と将来への希望が素直に抱かれていた、そんな時代精神が託され高らかに歌い上げられているようです。

しかしそんな思いとは裏腹に、上勝町はじめ日本の農村・山村は、経済のグローバル化と単一的な都市化・工業化のため、疲弊を余儀なくされる時代となりました。

その悲痛な訴えは、さきにご紹介した本でも多くの事実やデータとともに紹介されていますので、ぜひそちらをお読みください。
子どもたちに託された時代の希望、そこから私たちはずいぶん遠くに来てしまったように感じます。

だからこそ、その逆境から巧みな知恵で立ち上がった上勝町の町おこしは感動的なのです!