GMは空席になっています

　2009シーズンが終わりました、2010シーズンに向けてのオフシーズンが始まります。

　まず、GM Tom HeckertがCLEのGMに就任する事が内定したようです。まだ公式には発表されていませんが、EaglesのオフィシャルHPではすでにGMが空席になっています。Andy ReidもHeckertは良くやってくれた、CLEに行くのであればCLEでの成功を願う。と記者会見でコメントしています。
　後任にはHowie Rosemanが就任する見込みです。2008年のドラフト後に選手人事部長に昇格しています、このときすでにHeckertはGMとして他チームと面接をしていました、近く移籍するのではないかと言われていましたし後任としての準備だったのでしょう。2000年にサラリーキャップコントロールとしてフロント入りし、少しずつ昇格してきました。経歴を見るとドラフト・FAのような人事よりも、契約交渉が得意なように見えます。Reidが人事面の権限を強化する事になるかもしれません。
　HeckertはGMに昇格して以来、カレッジスカウトを総入れ替えしたりと権限強化に動いてきました。今回の転出でどれくらい部下を連れて行くのかはまだ分かりませんが、ここ2年は成功のドラフトをしてきましたし、今後の補強に影響が出るのは避けられません。労使交渉がまとまらずにRFA枠が増えるでしょう、このオフに選手を引き抜かれる事はほとんど無いとは思いますが、今後CLEに選手・フロントがどれくらい流れるのかは注意する必要が有りそうです。

　
　酷い負け方を繰り返した事で感情的になっているのは差し引かなければなりませんが、Donovan McNabb放出論が噴出しています。現地のファンサイトで行われている来年のQBはどう組み合わせるかの投票で、McNabbスターター、Micheal Vickバックアップの組み合わせより、Kevin Kolbがスターター、Vickバックアップの組み合わせが支持されています。
　Reidは2010年もMcNabbがスターターであるとはっきり言いましたが、これはスターター確定と言うようなものではなく問題が大きくなる前に火を消そうとする動きでしょう。チーム側に選択権が有る5.6ミリオンのVickの来季の契約をどうするかも全く読めませんし、HeckertのGM就任でQBに不安が有るCLEへQB3人のうち誰かを放出するのではないかという先走った噂まで出始めています。

　縦と斜めには投げれるのに、横に走るターゲットに対してまともな場所に投げられないMcNabbにこれ以上のプレイは出来ない、単調なルート取りはMcNabbの能力に考慮した物で戦術を制限するようなQBを使うのは本末転倒ではないか、そう思う事も有ります。
　しかし、DAL戦でKolbを使っていればショートパスを繋げてディフェンスを打ち破る可能性よりも、倍以上サックが増える事になったのではないかと思います。シーズン序盤スターターとして出場し成長を伺わせるプレイをしましたが、未来のエース候補と言うものではなくバックアップなら使える事を証明した程度のプレイと私は評価しています。
　Vickも走るか、決め打ちでファーストターゲットに投げるだけのプレイしかしていません。ターゲットを探すようなプレイでは挙動不審にうろうろするだけでQBとしてプレイする事は出来ませんでした。飛び道具としては一流の動きを取り戻しつつありますが、QBとして見るのは無理でしょう。先ほどのファン投票でも、KolbとMcNabbどちらかをスターターにして片方は放出、でもVickは飛び道具として残したい。そう言う意見が見て取れます。
　プレイオフを狙えるチームで有り続ける事を優先するならば現状維持でMcNabbを選ぶのが確実でしょう。怪我で欠場していないシーズンでプレイオフを逃したのは2シーズンだけです。ただ、DAL戦でTony Romoがやったように（と言うかNFLでプレイする平均以上のQBが皆出来るような）プレッシャーの中でも15ヤードのパスをレシーバーの正面に投げる事が出来ないMcNabbに厳しいディフェンスを持ったチームしか残れないプレイオフを勝ち抜く事は出来ないと見るのも仕方が無いです。
　ベストの選択が何かは結果論でしか語れないでしょうし、来年の今頃何がベストだったのか分かると思います。ベターな選択は現状維持でもう1年やって、スターターを確保したQBと契約延長する選択だと思います。