イーグルスファンの独り言 Philadelphia Eagles Fan Blog

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Jalen Hurts

2020-05-26 17:17:00 | ドラフト
 2巡53位で指名したのはOklahoma大のQB Jalen Hurtsを指名しました。Carson Wentzとこの先5年間は行くはずの所でのQB指名には驚きました。
 父親がHCを務める高校でQBとしてプレイし、最終年度には2384ヤード25TDのパスと1391ヤード25TDのランを記録しています。
 Alabama大進学後レッドシャツ無しで1年目からプレイし、開幕は先輩に譲りましたがすぐにスターターに定着します。2780ヤード23TD9INTのパスと954ヤード13TDを記録しチャンピオンシップまでチームを率いますがDeshaun Watson率いるClemson大に31-35で負けています。2年生もスターターとして14試合に出場し2081ヤード17TD1INTのパスと855ヤード8TDを記録しチャンピオンシップに進出します、Georgia大との試合前半終了時0-23と劣勢になり、後半からベンチに下げられ 代わって出た Tua Tagovailoが逆転勝利しました。
 3年生はTagovailoがスターターになり、13試合出場で765ヤード8TD2INTのパス167ヤード2TDのパスに終わりましたが、SECの決勝戦Geogia戦では途中出場し逆転勝利をしています。その後Oklahoma大に転校する事になりました。
 転校したOklahomaでスターターとなり、14試合出場で3851ヤード32TD8INTのパス、1298ヤード20TDを記録。ボウルゲーム緒戦のLSU戦では217ヤード1INTとTDをとれずに28-63で負けています。
 4年間で38勝4敗の成績を残しましたが、後輩にスターターを奪われて転校しています。

 身長6-1、体重222ポンド、腕の長さ31インチ
40ヤード4.59、ショートシャトル、スリーコーン、ベンチプレスは未計測、垂直飛び35インチ、幅跳び10フィート5インチを記録しています。

 長所
リーダーシップモチベーターとしての素養
ポケットから出てパスラッシュを避ける運動性
ロールアウトQBとしての能力
ヒットを受けても怪我をしない
 短所
チェックダウン能力が無く、すぐに走り出す
プレッシャーが掛かった場面でフィールドが見れなくなる
ディープボールのスピード不足

 試合は6試合見ました、Alabama時代2試合とOklahomaでの4試合ですが、物凄い手投げですね。クイックリリースと言うよりは手投げ。ロールしたりスクランブルに出るタイプのモバイルスタイルなのでランニングスローを適したスローイングフォームなのかもしれませんが、DBに読まれてINT量産の危険性の有るボールスピードしかありません。
 コントロールはドラフトサイトで酷評されているほど酷いとは思いません。ボールスピードが弱い割にピンポイントに落とせない為に悪く見えるのでしょうが、十分にレシーバーの所に投げています(ボールスピード無い割にINT少ないです)
 フィールドビジョンはポケットの中でセカンドレシーバーに切り替えるよりも走り出すプレイが多くプレイスタイルとして未知数なのですが、視野が広くは無いでしょう。ファーストターゲットを見てダメなら走り出す、そしてセカンドターゲットを見るかスクランブル。これがプレイスタイルなのですが、初期のDonovan McNabbもこんなもんと言えばこんなもんでしたがAndy Reidは頼れる相棒Chad Lewisにセーフティーバルブとして走り出したMcNabbの視野に入る位置でパスを待ち続けるようにして走るだけから脱却させています。転校した最後の1年でパス成績が向上しミドルへのパスが上手くなっているとの評もありますから、指導次第ではもう少しパサーとして成長するかもしれません。
 走る方ですが、NFLでRB転向するような脚力では無いです。あくまでもQBのスクランブルとしての1000ヤードランです。

 Tim TebowやPat Whiteに似ていると評されます。まあ、そうなりますよね・・・カレッジで勝利を収めてきたQB/RBのような位置ですから。
 
 NFLで通用するのか?と言う点ですが、正直難しいと思います。スクランブルQBとしてMichael VickみたいなRB並の脚力が有る訳では無いです。最低限のパスを投げて、その上で走れるというタイプです。ランナーとしてはこれ以上は無いでしょうから、フィールドビジョンを鍛えてパサーとして成長させる事が必要でしょう。INTが少ないのは見えてないようで危険地帯を察する能力が有る(見えている)のか、危ない所に投げるくらいならロスでも走り出す。ここの本質がどちらなのか?が大きいと思います。スクランブル系はたいがい見えていなくてとりあえず走るカレッジ生活なのですけれどね・・・

 Doug Pedersonはファンの皆さんはWentzが居るのになぜ?と思うだろうけれど、私はWentzのファンで有ると同時にチームの責任者であり、チームを勝たせなければならない。その為の指名である。と言う記者会見をしています。
 Wentzが怪我の多いQBであり、バックアップQBの質が重要なことはNick Folesでプレイオフを勝ち上がりスーパーボウルに勝利して、Josh McCownは怪我によりリリーフに失敗した事を見ても明らかです。が、それなら引退していたMcCownを呼び戻したり、育成が必要なルーキーを獲得するのではなく、1年5-7ミリオンで実戦経験のある中堅バックアップを獲得すれば良いわけです。例年キャップきついのですが、今年は最低限のキャップルームはありましたがらベテラン取る事が出来ないとは思えません。
 同時に去年はFolesの移籍で2番手に昇格したNate Sudfeldで行くはずが開幕前に怪我をしてMcCownを緊急で取った訳ですから、今年は怪我が治ったSudfeld2番手で大丈夫なのだろう。と見ていたのです。で、結局他のとるべきポジションを後回しにしてQBを指名する。やはり整合性に問題があります。
 Wentzが壊れた時のリリーフとしては、メンタルが強く(2番手QBがファーストチームWR/TEとコンビネーション良い訳無いので)走ることで戦局を打開できるタイプの方が良い。と考えたのですかねえ。スーパー勝ったのは鈍足Folesなんですけれど・・・・・・

 理屈で考えた時に、2巡53位でHurtsを指名する必要性を説明出来ません。が、QBと言うポジションは出番が来た時に勝てればそれでOKなポジションですから、Wentzが怪我をした時にHurts取って良かった!って思えたら勝ち。そう言う場面にならなければ上位指名を無駄にした。と、結果論で評価する指名と言うことでまとめたいと思います。

Jalen Reagor

2020-05-21 18:57:00 | ドラフト
 1巡21位で指名したTexas Christian大のWR Jalen Reagorの試合は2019年を2試合と2018年を1試合見て、現地のファンサイトの分析動画とか色々と見ました。
 正直、2019年の試合に関しては、QBがファーストターゲットしか見てなくてボール飛んでこない事が多いのと、その為かReagorのモチベの低いプレイ(ターゲットじゃない時1歩目から手を抜いている)が目立ちます。逆に考えるとそう言うQBならドラフト上位タレントのReagorに全部投げる、にしてしまえば良いのにターゲット散らしてるように見えますから、コーチの能力不足なのかコーチと感情的な対立のようなものがあった可能性もあるでしょう。
 2018年のOhio State戦は見ごたえがありました。今年のドラフト5巡指名のJordan Fuller #4
が1Q、2-3Qは1巡指名のDamon Arnette #3、最後はJeff Okudah #1がマンマークの相手をしています。この年のOhio Stateって左右のDEが化け物ですからTCUも今年3巡指名のOTが居ましたけれどパスプロはあっという間に崩壊をし続けています。WRとCBのマッチアップとしてもCB側にかなり有利なハンデ戦の中で相手も1流です。FullerとArnetteに対しては有利、Okudahにはスピードに乗る前にスペースを潰される上手さにやられる場面も有りましたが、内側に体を入れてのパスキャッチと良いプレイも見せています。
 カレッジでの試合を見ても、縦へのスピードは一流です(Arnrtteに縦で振り切れないプレイも有ります)お手手も悪くないです。思ってたよりも横に流れるパスを受けるのも上手いですが、縦全力から90度のカットをするような動きは平凡ですかね。ルート取りの不安説はこういうプレイからなのでしょう。

 高校時代は全米10位前後のWRとしてリクルートされる選手で、Alabama大Oklahoma大などからも声が掛かりましたがTCUに進学しています。レッドシャツ無しで2017年デビュー14試合出場で33レシーブ576ヤード8TDを記録、2年生では13試合出場で11先発72レシーブ1061ヤード9TD、3年生では12試合先発で43レシーブ611ヤード5TDを記録しました。
 
 身長5-10 5/8、体重206ポンド、腕の長さ31インチ
40ヤード4.47、ショートシャトル4.46、スリーコーン7.31、垂直飛び42インチ、幅跳び11フィート6インチ、ベンチプレス17回を記録しています。垂直飛びと幅跳びの数値は凄いです、共に今年のドラフトで2位タイの記録になります。

 長所
トップスピードと加速の両方が飛び抜けている
RACでのルートを見極める感覚
縦へのストップアンドゴー能力
リターナーとして秀逸

 短所
ルートランの未熟さ
手が届く範囲が狭い
バンプを捌く技術

 試合を見た印象、スカウティングコンバインの数値、共に縦への加速とトップスピード・爆発力が素晴らしい事は疑い有りません。横への機敏さと言う点で、速度を維持したままカーブするような動き(オープンフィールドでの方向転換)は素晴らしいのですが、狭い場所での90度ターンのような動きは素晴らしい他の種類のムーブと比べて平凡です。
 お手手ですが、トップレベルではないです。取れるボールは取りますが、ギリギリのボールをもぎ取るタイプではなさそうです。2019年に関してやる気の無さを感じるドロップも有りましたし、技術よりもメンタルですかねえ。
 外かスロットか、両方やれるでしょう。外の広い所でCBと1対1も出来ますし、LBやS相手にミスマッチを作る事も出来るはずです。

 KRとしては13回で平均24.2ヤード、PRは23回で平均17.8ヤード1TD。
 リターンを見ると飛びぬけた加速には見えません。(Devin Hesterのような異能ではないです)十分に速いのですが、ボールを持っての動き出しは超が付く一流ではないと考えます。それでも、Boston ScottからPRのポジションを奪う可能性は高いでしょう。

Casey Toohill

2020-05-15 08:59:00 | ドラフト
 7巡233位で指名したStanford大のDE/LB Casey Toohillの試合は2試合見ました。UCLA戦は3-2-5をベースでToohillがDEやOLBで固定しないでセットする形、Northwestern戦は2-2-5をベースに2人DEやLBで固定しない形でした。Toohillは2ポイント3ポイント両方でセットしていますし、マンカバーゾーンカバーで下がる事もあります。
 プレイの印象は、人には強くない(パワー不足)フリースペースでは良い動きを見せる。OTとの1対1でパスラッシュ能力は高く無いです。

 高校の最終年度は18サックを記録、2015年に進学後、レッドシャツで1年過ごし、1年生では11試合に出場し22タックル2.5サック、2年生は21タックル1サック、3年生では7試合出場5試合先発で29タックル、4年生は12試合先発60タックル8サックを記録しています。スターターになったのは最後の1年だけのようです。3年間アカデミックチームに4年生の去年はPac12のセカンドチームに選ばれました。

 身長6-4 3/8、体重250ポンド、腕の長さ33インチ
40ヤード4.62、ショートシャトル4.21、スリーコーン7.08、垂直飛び39インチ、幅跳び10フィート6インチ、ベンチプレス17回を記録しました。

 長所
OLを処理したあとで加速できる
パスカバーに下がれる運動性
バルクアップ可能な骨格

 短所
ランで狙われる時パワーで負ける
ブロックを外す技術不足
1対1を始めると視野が狭くなる

 Eagles公式HPではDE表記です。8サックを記録してパスラッシャー扱いなのですが、2試合見た感じは4-3のSLB辺りが適任に見えました。OTを手で処理するにはパワー不足、スピードや機敏さで抜くタイプなのでしょうけれど物凄いアスリートには見えません(スカウティングコンバインの記録は素晴らしいのですけどね)
 ワイドナインの経験と言う評価も有ります。セットの位置は普通の4-3DEよりも外の事も多く、3-4OLBの位置でスクリメージに上がる事もありますが、Eaglesの押し込みDEやるにはパワーが足りないです。4-2-5のLBをやる守備範囲の広さ(主に横移動)が出来るならばLBで育成する方が高機動パワー不足の特性を活かせると思いますが、サイズが大きすぎますかね。

 高回転モーターを持つ6-4 250ポンドDEを20ポンドバルクアップさせてみる。Trent Coleで成功して2005-10年くらいのEaglesで見られたフットワークを殺さずにパワーアップして育ったら儲け物のような指名と考えます。

Jack Driscoll

2020-05-13 10:18:00 | ドラフト
 4巡145位で指名したAuburn大のJack Driscollは全プレイの1/3くらいを4試合見ました。OLはランパススクリーンといくつかの動きのパターンがありますし、対面の選手次第で良くも悪くも見える所があるので全プレイは見ないです。
 RTで基本プレイ、ランブロックでは1対1で押し込んで走路と開くよりも、ルートを塞がれないように位置を維持する感じでした。特別パワフルには見えません。
 パスプロテクトは十分に対面をコントロールしています、Alabama戦では(多分対面もドラフトレベルだったのでしょう)スピードにやられる場面もありました。
 一番良く見えたのはゾーンブロックで外に動く時ですね。対面と抑えながら足を動かす能力は高く見えました。

 Massachusetts大に進学レッドシャツを経て2年間プレイ後にAuburn大に転校しています。3,4年時は全試合先発出場しました。
 身長6-4 5/8 体重306ポンド 腕の長さ33インチ
40ヤード5.02、ショートシャトルとスリーコーンは未計測、垂直飛び29インチ、幅跳び9フィート6インチ、ベンチプレス23回を記録しました。

 長所
ゾーンブロックをこなすフットワーク
パスプロ時の一歩目の蹴り出しが早い
小さく手を動かし続ける

 短所
腕が短くNFLレベルで戦えるか疑問
パワーは平均的
骨格的にパワーアップが難しそう

 NFLレベルだとRTよりもOGに転向した方が良さそう、と言う評価を目にします。しかし、パワー不足の評価でDTを相手に押せるか?と考えるとどうなんでしょうねえ・・・パスプロ+ゾーンブロックのOGならやれるとなれば、手薄なインサイドOLとしてバックアップ任務に就くでしょう。
 結果として6巡でAuburnの同僚LTの
Prince Tega Wanoghoを指名(こちらの方が一般的には評価が上です)したのですが、4巡時点ではその後OL指名するかは判らないわけで、最初からOGとして指名したかは判別出来ません(指名順位が逆ならOGを考えての指名、と考えられるのですけどね)
 Eaglesらしい、ゾーンで押されずにポジションを維持しつつ横に流れるOLの印象が強いです。システムに見合った選手でしょう。しかし、特別な物は感じません。パワーアップ出来れば動ける足を持つランブロッカーとして完成する事になりますが、2019年の4試合を見た感じだととりあえずはLGのバックアップですかねえ。


***追記***

 今年の1巡20位と3巡84位とのマッチアップを2試合見直しました。そりゃあ良く見えない訳です、マッチアップが格上ですから。それでも、圧倒的に負けた!と言うプレイはほとんど無いですし、勝てないけど負けないプレイは出来ています。

Prince Tega Wanogho

2020-05-13 10:07:00 | ドラフト
 6巡210位で指名されたAuburn大のOL Prince Tega Wanoghoの試合はAlabama,LSU,Geogiaの3試合を見て、マッチアップが気になったので今年1巡20位で指名されたK'lavon Chaisson(LSU)3巡84位のTerrell Lewis(Alabamna)の方から見たAuburn戦も見ました、結果的に4巡で指名したJack Driscollも見直すことになったので少し書き足します。
 Wanoghoは普通に負けずに対処を続けています。左手の使い方が下手なのか手の出しあいで負ける場面があるのと、左側から背後にスピードで抜かれる時に左手が使えていない時がありますね(Tra Thomasはスピードで負けても抜きに来る動きに合わせて横に突き飛ばすような左手の使い方が抜群に上手かったです)
 ランブロックの時に懐に入れすぎですかねえ、手の力が弱いのか?捕まえてるのか入り込まれてるのか分からないプレイが有ります。

 Nigeria生まれで、バスケットの選手としてアメリカに来ました。その後1年だけDLとしてアメリカンフットボールをしてAuburnに進学します。2015年の1年目はレッドシャツで過ごし、アカデミックチームに選ばれます。翌年からDTのバックアップとして10試合に出場、2年生の時にOLに転向、4試合に先発。3年生は全試合、4年生は1試合以外で先発LTとして定着しました。膝の怪我でシニアボウルとスカウティングコンバインを欠席、4月8日に予定していたプロデイはコロナの影響で中止になり、膝はまだ100%ではないと記者会見で答えています。バスケットボールからアメリカンフットボールに転向し、カレッジでの5年間で50ポンド増やしたそうです。

 身長6-5、体重308ポンド、腕の長さ33 1/2インチ

 長所
フットワーク、細かく速く動く
アウトサイドゾーンのキーブロッカー
相手に正対し続けるバランス

 短所
一歩目で良い場所を取られる
ランプレイの手の使い方
パスラッシュの対処を間違える時がある

 膝を怪我している事とキャリアが浅い事を考えても6巡までスリップした意味が分かりません、元々は3巡くらいの予想選手でしたし、SECトップレベルの3試合を見た感じ普通に通用しています。
 が、右手が上手い。と言う評価も有ったのですけれど、左手が弱いですね。とても弱い。バスケ出身のクイックネスで対処しているのですが、化け物的フィジカルのDEと当たった時に左手の弱さは致命傷になるかもしれません。これが技術や経験の問題で指導できるなら良いのですが、怪我や骨格など治らない要素だとLTとしては使いにくくなるでしょう。
 だとしても、6巡でこのレベルは掘り出し物です。Vaitaiくらいのバックアップにはすぐなると計算したくなります(Vaitaiも5年50ミリオン貰う一流選手なので、簡単ではないのですけどね)