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用意したプレイを出せないままシーズンが終りました

2010-01-10 19:14:00 | イーグルス
 プレイオフ1回戦@DAL戦は34-14で完敗しEaglesの2009シーズンが終わりました。先週の敗戦に対し、負けた場合にDALと再戦する可能性が高いので手の内を隠したと言う意見が評論家からも出ていましたが、勝てばファーストラウンドバイだった事を考えればそんなはずは無い(後半試合を捨てた可能性は有ります)と思っていました。Andy Reidのコーチングスタイルを考えても大きく戦術を変えてこないだろうとは予想していたのですが、まさか情けない負け方を2度繰り返すとは思ってもみませんでした。
 ディフェンスは最初ブリッツを多用してTony Romoにプレッシャーを掛けていましたが、ただそれだけでした。オフェンスはMicheal VickからのパスをJeremy Maclinが取ってTDを奪いましたが、ただそれだけでした。準備してきたプレイはたくさん有ったのでしょうが、それを披露する場面を作れないまま試合が終わってしまいました。

 ブリッツを入れる事には成功しました、第1Qだけで3つのサックを奪っています。当然DAL側はスクリーンでブリッツを掻い潜り、早いタイミングのパスでブリッツから逃れようとします。ところが、スクリーンと5ヤードのスラント、誰でも予想が出来るブリッツ対策のプレイに対する準備がまるで出来ていませんでした。特にスラントを抑えるべきSは明後日の方向をカバーし続けました、これはピッチからのオープンランで独走された為に外を守らなければならなかったのだと思いますが、せっかくブリッツでディープを消してもこれでは意味がありません。ブリッツが成功したら、ゾーンブリッツでショートを潰すとかAsante Samuelの罠を仕掛けるとか第2段階に入るべき所でその準備をしていないとはSean McDermottの準備不足には大いに不満が残ります。そして、CB陣も後ろを向くと良さが出ない欠点を突かれ続けました、Samuelは前を向いてINTを狙うべきなのに、後ろ向きで走らされ持ち味が消えました、Sheldon Brownは後ろを向くとタックルの鋭さが消えて軽い普通のタックラーになる欠点を先週に続けて露呈しました。3年連続のプロボウラーSamuelにSheldonもプロボウルの声が掛かる(第2補欠です)シーズンを送ったのに、プレイオフで持ち味を発揮できないシステムに殺されるのは本当にかわいそうです。
 Sean JonesのINT未遂、これは明日BSで確認しなければなりませんがあれがINTであったならば、もう少し違った展開が待っていたのかもしれません。しかし、あそこでリードしたとしてもディフェンスが崩壊するのは避けられなかったでしょう。

 Jamaal Jacksonの不在がこれほどまでに大きいとは予想していませんでした。3-4のNT相手とはいえ、変則4-3のようなシステムのDAL相手ならば大きな問題は無いのではないかと考えたのですが、やはり代役Max Jean-Gillesの力不足が狙われました。インサイドからのブリッツはGillesとColeの間から入り込み、それをカバーしようとColeがGilles側に寄ればColeとTodd Herremansの間から入る、DAL側のここを突いて、対処したら次はここを突くと言う進行表に踊らされてしまいました。WareとJason Petersのマッチアップは私は大きな問題では無いと思っています。フォルススタートを連発したのは問題ですが、去年までのTRAもワンプッシュしたらあとは抜かれても仕方が無いと言うスタイルでしたし、この試合でも素通りはさせていません。ファンブルも背後無警戒のMcNabbの責任ですし、サックも投げ捨てられないMcNabbに責任が有ると見ています。そして、サックの後で映し出されるカバーを見れば、投げる場所が無いのは明白です、決してカバーの上手くないILBとSSにああも捕まってしまってはどうする事もできないのも仕方が無いです。ただ、12月に入ってから横に流れるレシーバーへの逆球が酷く、横に走らせる事が出来なかったのも事実です。この試合でも肩幅1個分逆に何度投げたか、あれを見れば縦のルートに固執するのも仕方が無いでしょう。
 そして、プレイコールが1個ずつ遅い印象も受けました。ブリッツからサックを受けた次にスクリーンを見せたりする場面で思惑が外れているのが見て取れました。DALの筋書き通りに泥沼にはまっていくのを手も足も出ずに見送るだけの試合を2度続けた事はReid.Mornhinweg,McDermottのコーチ陣は責任を感じなければなりません。オーナーが後先考えずに総辞職を迫ってもおかしくないような恥ずかしい負けを繰り返した。私はそう考えます。(Reidの契約延長をした直後ですし、もちろんReidを解雇するはずありません)

 いろいろな作戦を考えてきたのだとは思いますが、思惑が外れた時にそれを修正する為の武器が用意出来ないのはなぜなのでしょう。順調に行けば圧勝、そうならなければ惨敗、レギュラーシーズンであれば全体として10勝すれば良い、6回あてが外れても良い、そう考えるのは間違っていないのかもしれません。しかし、1回でも負ければ終わりのプレイオフで、劣勢を立て直すべく隠し球を用意出来ない(用意したとしても不発に終わる)のを何回繰り返すのでしょうか。試合の最後に見せたCelekへのパス(カットされました)やDeSeanへのコーナーへのディープ、あれを勝敗が決まってから出すようなコーチではスーパーボウルは取れないのかもしれませんね。


 これは、今後シーズンを振り返った時に書くべきかもしれませんが、コーディネイターを支えるポジションコーチの人材難が敗戦の一因だと思います。特にディフェンスはJim Johnsonの引退で急遽獲得した前DALのDC Brian Stewart以外は全員がコーチ暦2年以内で35歳前後の若手です。引き抜かれるのは仕方が無いとしても、その補充に失敗しているのは今後の建て直しに向けて大きな懸念材料です。同じように引き抜かれているNEが大物をポジションコーチとして一時的にせよ使うような柔軟な姿勢をとるのに対して、Reidの秘書的存在であるHC補佐からの昇格に頼る(McDermottもそうだったのですが)のは限界があるのでしょう。方向性と言う意味でReidはやり易いのでしょうが、能力と経験が不足していると考えます。


 この敗戦だけでReidとMcNabb、そしてMcDermottを責めるのはフェアではないのだとは思います。そして、Mike Pattersonの前に350ポンド級の巨漢Davisが居て、根本的欠陥のTE対策でWittenが居てそしてランニングゲームが有るDALはディフェンスにとって最悪の相性なのは否めません。積極的補強をしたにもかかわらず、怪我で弱体化したOLはどうしようもなかったかもしれません。そして、今までは抜けていた所で捕まる様になってしまったMcNabbが感覚と現実のずれを認識するのに手間取っているのも仕方が無いかもしれません。ただ、2度続けてどうしようもない負け方をした事実だけは変えようが有りません。
 今後書いて行く事になりますが、この2試合致命的な欠陥として表面化したのは若手ではなく、チームの中核たるべき選手の限界でした。このポジションに1枚良い選手が加われば勝てるようになる、そう言う場所が見つからないままオフシーズンを迎える事になります。