ちいチャン物語

きまぐれブログ。
絵のない絵本のような、小さい物語です。

ちいチャン物語176「雨漏り」

2020年01月27日 19時21分28秒 | 日記
ある年の雨の日、
天井から畳に雨が落ちて来ました。
おばあちゃんは、急いで台所に行くと、
ボールを持って来て、
雨の落ちて来る所へ置きました。
ちいチヤンの家のボールは、金属製なので、
落ちる雨が、楽器のような音を出します。
コッ!コッ!コッ!
キン!キン!
(面白いなぁ。)
と、ちいチャンは、
ボールに落ちる雨を眺めています。
おばあちゃんは、またボールを持って来て、
天井を見ています。
雨が落ちて来ているのは、
一箇所だけではないみたいでした。
ボールは、あっちにひとつ、こっちにひとつと置かれ、
雨の合奏を始めました。
雨の、落ちる速さや粒の大きさが違うので、
ボールの音は、さまざまです。
(わあ~、面白い!)
ちいチャンは、ひとつひとつボールを覗いて周ります。
おばあちゃんは、
畳を拭いたり、ボールの水を捨てたり、
台所と部屋を行ったり来たりしています。

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