ちいチャン物語

きまぐれブログ。
絵のない絵本のような、小さい物語です。

ちいチャン物語(17)「怖いトイレ」

2022年02月17日 19時27分38秒 | 日記
ちいチャンの家のトイレは、家の外にあって、外のお風呂と屋根でつながって
います。
トイレは、女性用が二つと男性用がひとつで、男性用のトイレは、タイルで出
来た壁に、白い便器が付いていました。
女性用のトイレは、男性用トイレの隣に、一つずつの個室になっていて、一段高くなっています。
そして、中には陶器で出来た便器が付いています。
便器は、床をくり抜いた穴にはめ込んだ形になっていて、底面がありません。
ちいチャンの家のトイレは汲み取り式です。
便器から下をのぞくと、深さは2.5メートルぐらいあります。
便器は、しゃがんで手でしがみ付く所以外は空洞なので、人が一人すっぽりと
入ってしまいそうです。
ちいチャンは、トイレに行くたびに、
(ドボ~ン!と下に落ちたらどうしよう?)
と、ヒヤヒヤします。
便器のまわりの床は板張りで、キシッキシッと音がして、板が抜けそうな気も
します。
(板が腐れて、踏み外したらどうしよう?)
と、ドキドキします。
いつも、いつも、ヒヤヒヤします。
いつも、いつも、ドキドキします。
便器は取り外す事も出来て、時々、おばあちゃんは便器をトイレから外して
、トイレ用のタワシでゴシゴシと洗います。
便器は陶器なので、外すのはとても重そうです。
でも、便器を外されたトイレは、もっと怖くなります。
なぜって、つかまる所が何も無い、ただの穴がそこにあるからです。
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