ちいチヤンは、街でお仕事をする様になってから、
初めて、
「レモンスカッシュ」という飲み物を飲みました。
酸っぱくて、ジュワっとしてて、甘いです。
グラスには、氷とレモンと赤いサクランボが入っていて、
シュワシュワシュワと、泡が踊っています。
先輩と初めて喫茶店に行った時、
何を頼んだらいいのか分からなかったちいチャンは、
先輩と同じ飲み物にしました。
それが、「レモンスカッシュ」でした。
「レモンスカッシュ」は、都会の味がして、都会の人になった気分です。
ちいチャンは、レモンスカッシュを、また飲みたいなと思いました。
ある時、
どうしても「レモンスカッシュ」が飲みたくなったちいチャンは、
勇気をふりしぼって一人で喫茶店に行きました。
でも、初めて一人で喫茶店に入ったので、
お気に入りの「レモンスカッシュ」の名前を忘れてしまいました。
レモンが付いてる名前なのだとは分かるのですが、
レモン何だったのか、思い出せません。
メニューには、レモンの付いた飲み物が、二つありました。
(どっちかなぁ、どっちかなぁ。)
と、ちいチャンが悩んでいたら、店員さんが注文を聞きに来ました。
ちいチャンは、慌てて、レモンの付いた飲み物のひとつを頼みました。
ちょっとドキドキです。
でも、
店員さんが持って来た飲み物を見て、
ちいチャンは、ガッカリしました。
ちいチャンの目の前に置かれた飲み物は、
飲みたかった「レモンスカッシュ」ではなく、
カップに入った紅茶に、レモンがプカッと浮いていました。