ちいチャン物語

きまぐれブログ。
絵のない絵本のような、小さい物語です。

Play back ちいチャン物語(69)庭の金木犀(きんもくせい)

2017年01月30日 18時38分23秒 | 日記

ちいチャンの家の庭に、「金木犀(きんもくせい)」の木がありました。

家の門の所に1本と、庭のずっと奥に1本の、合わせて2本の「金木犀」の木です。

屋根に届く高さの「金木犀」の木は、秋になるとオレンジ色の花を咲かせます。

外から帰って来ると、門の少し手前の辺りから、

ふわ~っと、「金木犀」の花の香りがして来ます。

ちいチャンは、

(いい匂いだなぁ。)

と、思います。

金木犀の香りに気が付いて、花をながめます。

金木犀の香りが消えて、小さく落ちた花をながめます。

金木犀の香りがただよう花咲く期間は、短いでした。

ちいチャンが、大きくなって故郷を思い出す時、

そこには「潮の香り」と「庭の金木犀」がありました。

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Play back ちいチャン物語(68)物置の上の小さな部屋

2017年01月29日 18時11分27秒 | 日記

ちいチャンの家の物置は、家の中にありました。

台所と続いていて、ひとつの部屋になっています。

床は、コンクリートです。

漬物の樽や重石、クワなどの作業用品、味噌などが入っています。

その物置の天井上に、部屋がありました。

おもちゃの部屋みたいな小さな部屋です。

その部屋は、台所の方からハシゴを掛けて上ります。

普段はその部屋は、何にも使われていません。

ちいチャンは、台所から見える物置の上の、

この小さな扉がいつも気になっていました。

(入ってみたいなぁ、見てみたいなぁ。)

でも、ひとりでハシゴを掛けて上るのは危ないと思いました。

ある日、

そんなちいチャンを見て、おばあちゃんが、

「上ってみるかい?」

と、ハシゴを掛けてくれました。

おばあちゃんが、ハシゴをしっかりと支えてくれているので、

安心して上れました。

小さい扉を開けて部屋に入ると、

そこは、隠れ家にしたくなる様な小さな部屋でした。

小さな窓が明かりを取り入れてくれています。

布団が2~3枚くらい敷ける様な広さでした。

でも、天井までの高さが無く、

小さいちいチャンでも、頭が天井にぶつかってしまいます。

腰を低くして歩かなければいけません。

ちいチャンは、

(天井が低すぎて、この部屋では遊べないなぁ。)

と、思いました。

ハシゴを下りると、おばあちゃんが、

「この部屋は、昔いた女中さんの部屋だったそうだよ。」

と、言いました。

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Play back ちいチャン物語(67)おばあちゃん式ご飯の温め方

2017年01月28日 18時39分22秒 | 日記

ご飯は、電気釜で炊きます。

電気釜は、炊くだけで他の機能は何も付いていませんでした。

保温機能も無く、電子レンジもありません。

おばあちゃんは、毎日きちんと、ご飯がなくなる量を炊きます。

でも時々はやっぱり、ご飯が少し残ってしまいます。

ちいチャンは、冷たいご飯は好きでしたが、

おばあちゃんは、好きではないようでした。

ご飯が炊きあがると、おばあちゃんは、電気釜の蓋を開けて、

残っていた冷たいご飯を釜の端の方に入れ、パタンと蓋をしました。

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Play back ちいチャン物語(66)どんぐりのコマ

2017年01月27日 19時08分27秒 | 日記

川沿いを、山に向かって歩いて行くと、大きなクルミの木があります。

クルミの木の近くには、どんぐりの木があります。

どんぐりの木の下には、どんぐりがいっぱい落ちています。

どんぐりは、クルミと違って、茶色になったどんぐりは、ボロボロに

くずれやすく、壊れやすいです。

ちいチャンは、黄緑や緑のどんぐりを拾います。

ベレー帽をかぶったようなどんぐりは、ちょっと嬉しいです。

ベレー帽をかぶっていないどんぐりでも、

それぞれバラバラに落ちていたりします。

ちいチャンは、どんぐりの数だけベレー帽も拾います。

家に帰って、ひとつずつ帽子をかぶせ、並べてながめます。

どんぐりは、帽子の大きさが合わないものもあります。

帽子が合わないどんぐりの中の、一番大きなどんぐりで、

コマを作ります。

どんぐりの、頭のてっぺんから爪楊枝(つまようじ)をさし込みます。

どんぐりは、どんぐり本体の底でクルクル回るので、

爪楊枝をさすのは途中までです。

そうしたら、爪楊枝を持って、くるっ!と回します。

ちいチャンは、お友達と、どちらのどんぐりのコマが長く回っていら

れるか競争をして遊びます。

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Play back ちいチャン物語(65)お手玉スーパーおばあちゃん

2017年01月26日 19時54分39秒 | 日記

ちいチャンは、おばあちゃんに「お手玉遊び」を、教えてもらいました。

そして、

両手で、2個のお手玉が、出来るようになりました。

それから、

片手で、2個のお手玉が、出来るようになりました。

そのうち、

両手で、3個のお手玉が、出来るようになりました。

でも、

おばあちゃんは、4個のお手玉が、出来るのです。

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Play back ちいチャン物語(64)柿の渋抜き

2017年01月24日 19時44分08秒 | 日記

秋になると、おばあちゃんは、背負い籠(かご)を背中に背負い、

柿の木の植えてある山へ出かけて行きます。

おばあちゃんは、力持ちです。

背負い籠いっぱいに、柿を取って来ます。

ちいチャンは、取って来た柿をすぐに食べたいと思いますが、

おばあちゃんが、まだ渋い柿だと言います。

おばあちゃんは、大きなビニール袋と、小皿と焼酎を用意します。

縁側に新聞紙を敷いて、ビニール袋を置き、小皿に焼酎を入れました。

小皿の焼酎を柿のヘタにつけて、ビニール袋に並べて行きます。

平らに並べたら、その上にまた柿を重ねて行きます。

最後におばあちゃんは、ビニール袋の口をギュ!と縛りました。

(早く食べたいなぁ...。)

柿は、おばあちゃんの食べ頃判断に任せられています。

おばあちゃんが、食べてもいいよ!と言うまでは、手が出せません。

何年か前、おばあちゃんが少し早めに柿を出して剥いた時、

柿は渋いでした。

「おばあちゃん、まだ?」

「う~ん、まだだね。」

「おばあちゃん、まだ?」

「もう少しだね。」

ちいチャンは、毎日おばあちゃんに聞きます。

柿は、袋の中で少しずつ、渋みが甘みに変わって来ています。

おばあちゃんの、食べ頃サインが出るのももうすぐです。

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Play back ちいチャン物語(63)仏壇のお茶

2017年01月23日 19時56分40秒 | 日記

おばあちゃんは、1日に2回掃除をします。

朝の5時と夕方の5時です。

障子に、パタパタパタパタはたきをかけて、ざっざっざっと、ほうきで掃きます。

こんなに朝も早くから、パタパタはたきをかけても、

おじいちゃんは、目も覚めずにグッスリと寝ています。

そして、ちょうど掃除が終わった頃に、目が覚めて起きて来ます。

おじいちゃんは、入れ歯を洗って口をすすぎ、顔を洗った後、仏壇に線香をあげます。

そして、おばあちゃんは、湯飲み茶わんを4つ並べ、お茶を入れます。

仏壇用と、おじいちゃん、おばあちゃん、ちいチャンの4つです。

おばあちゃんは、毎朝4つの湯飲み茶碗にお茶を入れます。

ちいちゃんは朝起きて顔を洗い、仏壇に線香をあげて、朝一番のお茶を飲みます。

起きてすぐに、お茶を飲もうとすると、

「顔を洗って、仏様に線香をあげてから!」

と、おばあちゃんが言います。

ちいチャンは、

(仏様はお茶を飲んでるの?お茶は減ってないよ。)

と、思った事がありました。

おばあちゃんに聞くと、

「仏様はね、お茶の湯気を飲むんだよ。」

と、言いました。

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Play back ちいチャン物語(62)咳が止まらない夜

2017年01月22日 19時52分38秒 | 日記

咳がコン!コン!コン!、ゴホ!ゴホ!ゴホ!、ゲホ!ゲホ!ゲホ!、

あっちに寝返り、こっちに寝返りしていると、

台所から、トントントン、トントントンと音がします。

おばあちゃんは、お椀にお味噌をポトッと入れました。

トントントントンと刻んだネギを、どっさり入れて、

熱~いお湯を、とぽとぽとぽと注ぎ入れます。

お箸でぐるぐるかき混ぜて、

咳の止まらないちいチャンの所へ持って行きます。

「ちいチャン、これを飲むといいよ。」

ネギのいっぱい入った味噌の汁は、いつもの味噌汁と少し違って、

「ネギ味噌湯」みたいな感じでした。

ふう!ふう!ずーッ、コックン。

胸に、ほわ~と、温かさが広がります。

ポッカポッカして来ます。

「身体が暖まっている内に、暖かくしておやすみなさい。」

そう言って、おばあちゃんは掛布団を首の下まで掛けました。

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Play back ちいチャン物語(61)りんごのすりおろし

2017年01月21日 17時43分19秒 | 日記

熱があって汗びっしょりで、熱くて熱くて、おでこに乗せたタオルも熱く

なって、ふと目を開けると、おばあちゃんが、りんごのすりおろしを持っ

て座っていました。

それは、りんごには見えない茶色い色をしていました。

食べると甘くて、酸っぱくて、冷たくて、身体が、

(うれしいね。)

と、ささやきました。

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Play back ちいチャン物語(60)ティッシュ、トイレットペーパーが無かった頃

2017年01月19日 00時01分04秒 | 日記

ちいチャンの町には、トイレットペーパーやティシュペーパーというものが、ありません

でした。

鼻をかむ時などに使う箱入りティッシュペーパー、外出する時に持ち歩くポケツトテ

ィッシュ、トイレのトイレットペーパーなどは、全部に“ちり紙”が使われていました。

“ちり紙”は、B5版ほどの大きさです。

茶の間の、ハエ叩きや新聞やメガネの置いてある出窓の所には、四角い箱が置かれ

ていて、その中に“ちり紙”が入れてあります。

四角い箱に入った“ちり紙”は、おじいちゃんの座るすぐ側や、おばあちゃんの鏡

台の側、そして、トイレにもそれぞれ置いてありました。

近くの雑貨屋さんには、“ちり紙”がひとまとめの束になって売っています。

紐で結ばれていて、1メートル位の高さです。

おばあちゃんは、両手にひとつずつ買って、持って帰ります。

ちいチャンのポケットには、四つ折りにした“ちり紙”が、いつも入っています。

家ではいつも、しわ加工をしたみたいな“ちり紙”を使います。

おばあちゃんは、街に出かける時や結婚式のお呼ばれの時などは、桜紙みたいな透

き通った“ちり紙”を、バッグの中に入れて行きます。

それは、しわ加工の“ちり紙”より、少し値段が高そうに見えました。

ちいチャンは、お姫様の“ちり紙”みたいな、おばあちゃんの“ちり紙”を、ちい

チャンも持ちたいなあと思いました。

おばあちゃんから少しもらって、鼻をかんでみるとその“ちり紙”は、フニャフニ

ャとはしてなくて、少し鼻が痛いでした。

(この“ちり紙”は、鼻が痛くなるからいらない。)

お姫様の“ちり紙”みたいな“ちり紙”は、おばあちゃんのお出かけ用で、ちいチ

ャンには、しわ加工の“ちり紙”の方が、使いやすいようでした。

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Play back ちいチャン物語(59)砂浜に描かれた渦巻き

2017年01月17日 19時47分38秒 | 日記

砂浜で、子供達が遊んでいます。

砂浜に落ちている棒を拾い、大きな大きな渦巻きを描きました。

子供達はジャンケンで二つに分かれ、渦巻きの真ん中から出発する組と、渦巻きの

外側から出発する組とに分かれました。

「よーい、どん!」

で、真ん中からと外側から、一人づつ渦巻きの中を走ります。

そして、相手にぶつかったらジャンケンをします。

勝った方は、そのまま進み、負けた方は、二人目がスタートします。

そして、相手にぶつかったらジャンケンをします。

「キャー!」

「早く!早く!」

「ワアー!!」

歓声や声援がにぎやかです。

相手の陣地に人がいなくなり、相手の陣地に先にたどり着いた方が勝ちです。

負けると悔しくて、

「もう一回やろう!もう一回やろう!」

と、何度でも挑戦をします。

夕方、子供達がいなくなると、砂浜には子供達が描いた大きな渦巻きが残りました。

波は、少しずつその渦巻きを消して行きます。

翌日には砂浜は、また、新しいキャンパスに生まれ変わります。

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Play back ちいチャン物語(58)英語バージョン『(40)トンビが油揚げを見つけたの編』 

2017年01月16日 19時56分28秒 | 日記

『Did kite find a fried tofu?』

The sky is much father and higher.

The wave is quiet just like be whisper.

The bird is singing inside the mountain. It is melting into the scenery.

There is a kite above her head.

It was singing “scream” and draws a lot of circle and turn.

“The kite found a fried tofu.” said  grandma.

Chii imagines fried tofu in her head.

It was crossing the roof in the neighborhood,

flying abouve the sandy beach and the sea.

It disappeared into the mountain.

“ Did kite find a fried tofu ? ” Chii wasn't sure.

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Play back ちいチャン物語(57)囲炉裏のお話

2017年01月13日 18時21分04秒 | 日記

ちいチャンの家は、玄関を入ってすぐの部屋には“囲炉裏(いろり)”があります。

囲炉裏には、冬には炭がくべられて、天井からは“鉤(かぎ)”が降ろされます。

ちいチャンは、鉤を鍵だと思っていましたが、後々に、正しくは“自在鉤(じざいかぎ)”

と言うのだと分かりました。

この自在鉤は、普段は天井の角に斜めに吊り上げられています。

冬場の囲炉裏に火が入る時にだけ、この自在鉤が降ろされ、鉄瓶というやかんがかけられま

す。

鉄瓶は、鉄で出来たやかんです。重いです。

炭火で鉄瓶のお湯を沸かし、そのお湯でお茶を入れます。

鉄瓶は、シュンシュンシュンシュンお湯が沸き、部屋を暖めてくれます。

おじいちゃんは、囲炉裏の家長の座る場所に、いつも座っていて、タバコをぷかりと吹かし

ます。

自在鉤には、疑問符を逆さにしたような鉤が付いていて、それに掛けている鉄瓶は、360

度どの方向にも回ります。

おばあちゃんが側にいない時、おじいちゃんは、急須に鉄瓶からお湯を入れ、自分でお茶を

入れます。

お酒を飲むお客様が来ると、お銚子を鉄瓶のお湯の中に入れて、暖めます。

お客様は、自分に出されるお酒が温まるのを、目の前で見ていられるのでした。

囲炉裏の横の床下には、炭を入れる場所がありました。

囲炉裏には、五徳(ごとく)、火箸(ひばし)、灰ならしが置いてあります。

五徳には急須をのせ、火箸で炭をくべ、灰ならしで灰をならします。

ちいチャンは、灰ならしで灰をいじるのが、チョット好きです。

灰ならしの先端は、ギザギザになっていて、灰の上をすべらせると、ギザギザの形が付きま

す。

囲炉裏には、水を入れる釜が付いていて、その上には柄杓(ひしゃく)が置いてありました。

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Play back ちいチャン物語(56)ダイヤルの無い黒い電話機

2017年01月12日 19時49分17秒 | 日記

ちいチャンの家の電話機は、ダイヤルの数字がない黒い電話機でした。

電話機の右側に、ぐるぐる回すレバーが付いていました。

電話をかける時は、このレバーをぐるぐる回し、受話器を取ります。

そうすると、

「はい!交換です!」

と、受話器の向こうから、交換手さんが応対をしてくれます。

電話をかけたい相手の電話番号を告げ、いったん通話を切ります。

相手に電話がつながると、電話が鳴り、交換手さんが、

「相手の方が、お出になりました。どうぞ。」

と、つないでくれます。

電話機には、ダイヤルや数字が付いていないので、電話をかける時は、必ず

交換手さんが、間に入ります。

そして、通話が終わるとまた電話が鳴り、

「○○分間で、○○円でした。」

と、通話時間と金額まで教えてくれました。

ちいチャンは一度だけ、お友達の家に電話をしてみようと思い、交換手さんに

電話番号を告げた事がありました。

つながった電話の向こうには、知らない人の声が聞こえたので、何も言わずに

受話器を置いて切ってしまいました。

すると、ジリリリリーン!と、電話が鳴り、受話器を取ると交換手さんが、

「相手の方が、お出になっていますが...。」

と、言います。

緊張で、ドキドキしていたちいチャンは、

「すみません、間違えました。」

と言って、慌てて受話器を置いてしまいました。

話し手と話し手の間に入る交換手さんは、誰が何処に電話をかけたかなどは、

すべてお見通しなのでした。

(ちょっと試しに...なんて、電話したりできないな..。)

と、胆に銘じたちいチャンでした。

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Play back ちいチャン物語(55)ご飯を入れたラーメンの汁

2017年01月11日 19時24分09秒 | 日記

ちいチャンのお友達のシーちゃんの家は、近所というには少し遠く、隣町との

中間ぐらいの場所にあります。

隣町は、山をひとつ越えた所にあります。

シーちゃんの家は、ちょうど山のてっぺんあたりになります。

今なら、ペンションでも建ちそうな山の中で、家の前には小川が流れています。

ちいチャンは、てくてくてくてくと歩いて、シーちゃんの家に遊びに行きます。

ちいチャンの町の子供達は、ひと山歩くぐらいは平気です。

ちいチャンは山道を登り、途中から山の中に入る細い道へ曲がります。

シーちゃんの家は木々に囲まれ、木々の間からこぼれ落ちる光が、とてもキレ

イです。

空気は澄み渡り、小川の水は透き通り、目の前を木から木へと飛び移る鳥達。

ちいチャンは、シーちゃんの家に遊びに行くのは、とても楽しみです。

そんなある日の事でした。

お昼に、シーちゃんのお母さんが、インスタントラーメンを作って、出してくれ

ました。

ちいチャンは、インスタントラーメンを食べるのは、この日が初めてでした。

シーちゃんと一緒に食べるインスタントラーメンは、とても美味しいでした。

そろそろ食べ終わる、という頃、シーちゃんが、

「ちいチャン、残りの汁にご飯入れる?」

と、聞きます。

「ご飯を入れるの?」

と、ちいチャンが聞くと、シーちゃんは、台所から朝の残りのご飯を持って来て、

自分のラーメンの汁の中に入れました。

「こうやって食べると、おいしいんだよ。」

シーちゃんが言いました。

「少し入れてみる!」

ちいチャンは、シーちゃんにそう言って、ご飯を少し入れてもらいました。

そうして、二人で、ズズッ!ズズッ!と、すすります。

「うん!おいしいね!」

二人は、ラーメンの汁まで全部食べてしまいました。

この日、ちいチャンは、新しい経験をふたつしました。

初インスタントラーメン、初ご飯入りラーメンの汁、です。

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