おばあちゃんは、うちで食べる分くらいの小さな畑を作っています。
畑は、道路に面した切り立った山にあります。
家からは、そう遠くはありません。
まわりをぐるっと椿が、垣根のように取り囲んでいます。
おばあちゃんが畑仕事をしている間、ちいチャンは椿の垣根をひとつずつ
見て歩きます。
「おばあちゃん!椿を持って帰って花瓶に飾ろうよ。」
と、ちいチャンが言うと、おばあちゃんは、
「椿は、花がボトッと落ちて気味が悪いと、おじいちゃんが言うんだよ。」
と、言います。
しばらくして、椿に実がなりました。
椿の実は黒くて、ひとつに何個も入っています。
おばあちゃんは、
「椿の実は、髪にいいんだよ。」
と、言いました。
椿の黒い実は、中を開けると白く、つるつるとしています。
ちいチャンは、椿の実を持って帰り、お風呂に入った時に、髪に付けてみ
ました。