ちいチャンの家の台所には、釜戸がありました。
釜戸には、焚口が2つあり薪で火をおこします。
焚口の少し上には、釜をのせる丸い穴が2つあります。
釜戸用の釜で、直接ご飯を炊いたり、釜にお湯を沸かし、その上にせいろを乗せて、
お赤飯を作ったり、餅をつく時は、もち米をふかします。
釜でご飯を炊くと、釜の底にパリパリのおこげが出来て、こおばしいご飯ができます。
釜戸に火が入るのは、たいていお祝い事の日です。
そしてそんな日は、ちいチャンの大好きな「おくずかけ(あんかけ汁)」も付くので、ち
いチャンは嬉しいです。
釜戸は、おばあちゃんの大きな調理器具でした。
とうもろこしを茹でたり、シャコエビやアワビを茹でたり、茶わん蒸しを作ったり、カニを茹でたり。
釜戸の釜は大きいので、鍋に入りきらない物を茹でるのに、とても便利なようでした。