ちいチャン物語

きまぐれブログ。
絵のない絵本のような、小さい物語です。

Play back ちいチャン物語(174)大きいお姉さんの友達さん

2017年06月30日 18時49分31秒 | 日記

近所に、大きいお姉さんがいます。

大きいお姉さんには、大きいお姉さんの友達さんがいます。

ちいチャンが、

大きいお姉さんの家に遊びに行くと、

いつも、友達さんがいます。

友達さんは、

「大きくなったらパーマやさんになりたい。」

と、言います。

そして、ちいチャンが大きいお姉さんの家に遊びに行くと、

友達さんは、

ちいチャンをお客さんに見立てて、

クシやブラシや髪止めを使って、

ステキな髪型を作り出します。

ちいチャンは、長い髪をしているので、

次々と変化のある髪型が作れ、

友達さんは、楽しそうです。

大きいお姉さんは、パーマやさんになりたい訳でもないので、

友達さんがやっているのを見ているだけです。

でも時々、アドバイスをしたり、

リボンを貸してくれたりします。

友達さんは、大きくなってから、

パーマやさんになる為の学校へ入り、

その数年後には、

自分の美容室を持ちました。

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Play back ちいチャン物語(173)蚊帳

2017年06月29日 18時51分38秒 | 日記

夏になると、おばあちゃんは、

夜寝る時に、蚊帳を吊ります。

蚊帳は、とても大きくて、

部屋の四隅にそれぞれ、金具で止めて、

ひもで引っ張り上げて、結びます。

蚊帳は、四角いテントみたいな形です。

蚊帳は、漁師さんの網みたいです。

ちいチャンは、蚊帳が大好きです。

蚊帳の中に入ると、

秘密基地にいるみたいで、ちょっと、嬉しくなります。

蚊帳は、蚊帳の裾を少しだけめくって、

すばやく入りこまなければいけません。

そうしないと、人と一緒に蚊が入ってしまうからです。

蚊帳は、蚊に刺されない為の防護壁なので、

中に蚊が入ってしまうと、

入った蚊は、出口が無くなってしまいます。

蚊帳の中は、獲物とハンターの同居となり、

ぷう~ん。

バシッ!

ぷう~ん。

バシッ!

眠れぬ夜が続きます。

 

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Play back ちいチャン物語(172)おばあちゃん式、えんぴつの削り方

2017年06月28日 16時18分19秒 | 日記

ちいチャンは、えんぴつ削りを持っていません。

えんぴつを削るナイフも持っていません。

えんぴつは、おばあちゃんが削ってくれます。

でも、おばあちゃんは、

料理の時に使う「包丁」で、

えんぴつを削るのです。

ちいチャンは、

(なんだか変だなぁ。)

と、思います。

ある日、おばあちゃんは、

「彫刻刀」でえんぴつを削っていました。

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Play back ちいチャン物語(171)山でオシッコ

2017年06月26日 19時42分16秒 | 日記

ちいチャンの町の学校は、

山をひとつ越えた所にあります。

だから、家を出る前と、学校を出る前にトイレに行っておかないと、

山の途中でトイレに行きたくなることがあります。

男の子たちは、

山の上から谷間に向けて、

“オシッコの飛ばしっこ”と言って、

オシッコを飛ばし、

飛ばした距離を競いながら、用をたします。

そして、遠くまで飛ばした男の子は、

なぜだかチョット自慢げです。

女の子たちは、

草むらに隠れ、しゃがんで用をたします。

でも、オシッコが、

地面から足に跳ね返ってくるので、

終わった後は、足がかゆいです。

 

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Play back ちいチャン物語(170)おばあちゃんの指輪

2017年06月25日 18時56分18秒 | 日記

おばあちゃんは、左手の薬指に、

指輪をふたつしています。

ひとつの指輪は、時々外すようですが、

もうひとつの指輪は、いつもしています。

ある夜の事です。

おばあちゃんは、指に石鹸を付けて、

指輪を取ろうとしています。

見ると、おばあちゃんの指の中で、

指輪は、くびれたウエストの様になっています。

そして、薬指と中指の境目は、切り傷のように、

赤く裂けていました。

とても痛そうです。

石鹸では、指輪は取れませんでした。

すると、おばあちゃんは、奥の部屋から糸を持って来て、

糸の先を口にくわえ、指に巻き付け始めました。

指は、糸を巻くほどに細くなって行きましたが、

指の色が、青く黒くなって行きます。

それでも、おばあちゃんは、指の先まで糸を巻き、

その上を、指輪をすべらせ、やっと外すことができました。

それからは、

おばあちゃんの薬指に指輪は、

ひとつになりました。

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Play back ちいチャン物語(169)桶を担ぐオバチャン

2017年06月24日 19時53分06秒 | 日記

ちいチャンは、時々、

肩に桶を担いでいるオバチャンとすれ違います。

肩に一本棒を背負い、右と左に桶をぶらさげて運んでいます。

チャポンチャポンと音がして、

何かが、ピシャンと跳ねる時があります。

オバチャンは、畑と家を何度も行ったり来たりしています。

ちいチャンは、オバチャンについて行ってみました。

オバチャンは、家の汲み取りトイレから、

ひしゃくで桶に、汚物を汲み取っていました。

オバチャンは、桶に八分目ぐらい入れると、

棒の右と左に引っかけて、

「よいしょ!」

と、背負って運び始めました。

真っ黒に日に焼けたオバチャンは、

頭に、日本手ぬぐいをほっかぶりにして、

えっさ、えっさ、

と、畑に向かって行きました。

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Play back ちいチャン物語(168)畑にまかれたもの

2017年06月23日 16時58分57秒 | 日記

ちいチャンの町には、スーパーや食料品店はありません。

雑貨屋さんは、あります。

雑貨屋さんは、

納豆や豆腐、ショートケーキや駄菓子を売っています。

でも、野菜や肉や魚は、売っていません。

ちいチャンの町では、

魚は海から、

米は田んぼから、

野菜は畑から、です。

山への道の両脇は、田んぼや畑が広がっています。

そして、畑には、“こえだめ”というものがあります。

それは、畑と畑の境目にあり、木のフタがしてありました。

畑で働くオバチャンは、ひしゃくで何かをくみ取って、

畑にまいています。

ちいチャンは、

(何かなぁ、何かなぁ。)

と、とても知りたくなりました。

それで、ある晴れた日に、畑をのぞきに行きました。

すると、そこには、

カラカラに乾いた、ウンチのようなものが、

うねづたいに、続いてまかれていました。

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Play back ちいチャン物語(167)おばあちゃんの目のケガ

2017年06月21日 17時02分01秒 | 日記

おばあちゃんは、春になると裏山に、タケノコを採りに行きます。

おばあちゃんは、夏になると裏山に、ミョウガを採りに行きます。

朝早く起きて、朝ご飯を作る頃には、

もう、採って来たタケノコやミョウガは、朝ご飯の材料になっています。

タケノコは、細長いタケノコで、

薄く切って味噌汁に入っています。

ミョウガは、

細かく切って、ぬか漬けの上に乗せてあります。

ある年の春、

台所で料理をしているおばあちゃんの目が、真っ赤になっていました。

白目のところに、大きな血の固まりがあり、とても痛そうです。

おばあちゃんは、

タケノコを採りに山に入った時、

木の枝がはじいて、目を突いてしまったのだと言いました。

「おばあちゃん、病院に行った方がいいよ。」

ちいチャンが言います。

「大丈夫、大丈夫。」

おばあちゃんが言います。

おばあちゃんは、一日に何度も目薬をさし、数日間で自力で治してしまいました。

(おばあちゃんは、強いなぁ。)

と、ちいチャンは思います。

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Play back ちいチャン物語(166)高台の鳥居”特別編”

2017年06月20日 18時50分12秒 | 日記

ふと、あの日を忘れてしまいそうに、

時は流れ、日常が繰り返されている。

「あれから1年だね。」

「あれから2年だね。」

そんな会話から、

「そういえば、今日じゃない?」

不確かな過去を思い出すかの様な、そんな会話に変わって行く。

かの人は居ず、

かの物は無し。

もう一度と願っても、目に映るのは「幻の光景」。

何もない更地に、甦っては消える「幻想」。

高台の鳥居は、どれほどの年数で、

どれほどの町の変化を見て来ているのだろう。

四季と自然と人々と、風と香りと音の数々。

すべての歴史を受け止めて、

変わらず町を見下ろしている。

 

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Play back ちいチャン物語(165)おばあちゃんが嫌いな花

2017年06月18日 18時28分55秒 | 日記

おばあちゃんが、

「縁起の悪い花」と言う花が3つあります。

ひとつめは、紫陽花(あじさい)で、

ふたつめは、曼珠沙華(まんじゅしゃげ)です。

そして、みっつめは、椿(つばき)でした。

紫陽花は、お寺に咲いていて、何か意味があるようで、

曼珠沙華は、お墓に咲いていて、何か毒があるそうな。

椿は、花がぼとっと落ちる姿が、人と重なるようです。

花が好きなおばあちゃんでも、

この3つの花は、家に飾られる事はありません。

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Play back ちいチャン物語(164)学校のトイレ

2017年06月16日 19時15分47秒 | 日記

学校のトイレは、まるで長屋のように、

横一列に、木の扉が並んでいます。

扉の持ち手は、木でできていて、

開けるときは右へ、中に入って締めるときも右へ動かします。

そして、出て締めるときは、左へ動かします。

トイレは汲み取り式で、

便器から、すっぽり下が見下ろせます。

そして、隣に入った人の、

おしっこやうんちの落ちる音が聞こえます。

時々、上靴を落としてしまう子がいます。

そして、便器の下からは、

風がスースー入って来て、

おしりが寒いです。

通路は、コンクリートでできていて、

その上に、長いスノコの渡り板が敷いてあります。

子供たちは、トイレに走って入り込んでくるので、

渡り板は、たん!たん!たん!と、

走る通りに音を出します。

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Play back ちいチャン物語(163)ストーブの横の席で

2017年06月14日 18時34分17秒 | 日記

学校で、ちいチャンの席は、

ダルマストーブの真横です。

ストーブは、ガンガン燃えているので、

ほっぺたが、片方だけ暑いです。

そして、

だんだん、顔が真っ赤に暑くなってきました。

(熱いなぁ。)

なんだか、頭がぼうっとしてきます。

なんだか、鼻がずるずるして鼻水が出そうです。

ちいチャンは、

鼻水をズズッ、ズズッとすすって、

出てこないように頑張ります。

でも、

ぽたっ。

鼻水が一滴、垂れてしまいました。

見ると、ノートに落ちたその鼻水は、血でした。

隣の席の子が、

「せんせい!ちいチャンか鼻血出した!」

と言いました。

先生は、チリ紙を丸めて、

ちいチャンの、鼻血の出ている方の鼻の穴に詰め、

席を変えてくれました。

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Play back ちいチャン物語(162)冬のお弁当

2017年06月13日 19時38分40秒 | 日記

冬になると、

学校の教室には、ダルマストーブが入ります。

朝、学校に着くと、

みんなは、持って来たお弁当を、

ストーブの周りに置きます。

お弁当箱はアルミでできていて、

熱いストーブの周りに置いても、形が変わったりしません。

その代り、ストーブの熱でお弁当箱が暖まり、

お昼には、温かいお弁当が食べられます。

ちいチャンの席は、ストーブの真横なので、

お弁当箱が温まるほどに、

おいしそうなニオイがして来ます。

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Play back ちいチャン物語(161)アワビがおやつ

2017年06月11日 20時34分30秒 | 日記

大きいお兄さんは、泳ぎが得意です。

大きいお兄さんは、もぐるのが上手です。

顔も身体も真っ黒に日焼けして、

歯と、目のまわりが白いです。

水中メガネをかけた所は、日焼けをしないので、

目のまわりが白いです。

大きいお兄さんは、海で獲物を採り、

おばあちゃんに持って来ます。

船で漁をするのではなく、

もぐって採るので、魚ではありません。

ある日、

ボールにいっぱいの「アワビ」を持って来ました。

おばあちゃんは、アワビをタワシでゴシゴシ洗うと、

大きい鍋に入れて、茹で始めました。

台所は、磯のかおりでいっぱいになります。

おばあちゃんは、茹で上がったアワビを、

ザザザザザァー、とザルにあけました。

湯気がもうもうです。

おばあちゃんは、

ボールの上にアワビの入ったザルを置き、

湯切りをすると、

「はい、ちいチャン。」

と、ザルごとテーブルに置きました。

アワビは、茹でると簡単に貝から離せます。

茹でたアワビは弾力があり、

カマボコのような歯ごたえがあります。

アワビは、

ちいチャンの手のひらぐらいの大きさです。

かみかみ、かみかみ、かみかみ、かみかみ。

この日のおやつは、アワビでした。

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Play back ちいチャン物語(160)ナマコ

2017年06月09日 18時50分11秒 | 日記

ちいチャンが、桟橋から海を覗きこんでいます。

桟橋の壁には、ウニがくっつています。

桟橋の壁には、つぶ貝がくっついています。

ウニは、針のような身体を、むにむにと動かしています。

つぶ貝は、ときどきチョット、すべるように歩きます。

海底の大きな岩には、アワビがくっついています。

そして、海底には、ナマコがふらふらゆらゆらしています。

おばあちゃんはナマコが好きです。

ちいチャンは、おばあちゃんに持って行ってあげようと、

桟橋に腹ばいになり、ナマコを採り始めました。

ナマコは、思ったよりも簡単に採れてしまいました。

ナマコは、海の中でふらふらしているので、

ふらふらと網に入ります。

採ったナマコは大きくて、

(おばあちゃん、喜ぶだろうなぁ。)

と、ちいチャンは嬉しくなり、

バケツにナマコを入れ家へ帰ります。

でも、ナマコは家に着く頃に、

半分の大きさになってしまいました。

なんだか固そうです。

でも、おばあちゃんは、それが本当の大きさなのだと言います。

おばあちゃんは、ナマコを調理して、

ご飯の時に、酢としょうゆをかけて食べていました。

「ちいチャンも食べてごらん。」

と、おばあちゃんが言います。

でも、ちいチャンは、形の変わったナマコが気持ち悪くて、

食べることができませんでした。

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