おばあちゃんは、漬物を作るのが上手です。
大きな木のタルに、干した大根を漬けます。
おばあちゃんは、むいたミカンの皮と柿の皮を、
広い大きなザルに広げて干します。
大根を漬ける時に、
このカラカラに乾いたミカンの皮と柿の皮を、
一緒に入れて漬けるためです。
おばあちゃんは、木のタルに米のぬかを振り入れ、
塩を振りいれると、大根をならべ始めました。
まっすぐに、きれいに大根が、前にならえをしています。
すると、おばあちゃんは、その上にまた、ぬかを振り入れ、
塩を振り、今度はミカンの皮と柿の皮を乗せました。
そうして、次に並べられた大根は、
先に並べたタテの大根とは違う、ヨコ並べでした。
おばあちゃんは、その同じ順番を何度も繰り返し、
最後に、
大きな丸みのある石を、
ひとつ、ふたつ、みっつ、よっつ、いつつと、
タルに乗せていきました。
大根の上には、重いものをいっぱい乗せないと、
おいしく漬からないのだと、おばあちゃんが言います。
でも、
ちょうど食べごろになったころ、
重い石を、ひとつ、ふたつ、みっつとよけて行き、
おいしく漬かった「たくあん」を取り出して、
そして、また、
ひとつ、ふたつ、みっつと、
重い石を、もとにもどして行くのは大変だなぁ、と、
ちいチャンは思います。