ちいチャンは、
街の駐車場で見かけた、タバコの吸い殻の山が、
なぜそこにあるのかと、
ずっと不思議で、不思議で、不思議でした。
ある日、
ちいチャンは、
駐車場から出て行こうと、エンジンをかけている車を、
なにげなく見ていました。
すると、
その車の運転席の男の人は、
ドアを開け、座ったままで、
車の中の吸い殻入れを取り出すと、
地面に、コンッ!と捨てました。
吸い殻入れには、沢山吸ったタバコの殻が、
たまっていた様でした。
それから、
車のドアを閉めると、普通に走り去って行きました。
車のいなくなったその場所には、
ちいチャンが前に見た、
タバコの吸い殻の山がありました。
ちいチャンは、
とても不思議な光景を見た気がして、
しばらく、その場から離れられず、
また、同じ光景を見ていました。